ハッカソン
ハッカソン(hackathon)とは、「ハック(hack)」と「マラソン(marathon)」を合わせた造語で、ITエンジニアやデザイナーが集まってチームを作り、アプリケーションやサービスを開発するイベントのこと。決められた期間内にテーマに沿って集中的に開発して、その成果を競う。「ハックデイ(Hackday)」「ハックフェスト(Hackfest)」と呼ばれることもある。
ハッカソンと似た用語にアイデアソン(Ideathon)がある。アイデアソンでは、新たな商品企画やビジネスモデルなどの「アイデア」を競う。ハッカソンの準備段階に実施されることが多い。
ハッカソンは1999年頃に米国で生まれ、2000年代半ばから後半にかけて急速に普及し、新たな価値を生み出すオープンイノベーションの手法として注目された。日本でハッカソンが広まったのは、2011年に東日本大震災の復興支援として、ITコミュニティが開催した「Hack For Japan」がきっかけといわれる。現在では企業のほか、政府や自治体、大学などでも開催されている。
ハッカソンの最大の目的は、新規事業や新商品の創出である。さまざまなジャンルの人材が集まって議論することで、これまでにない新たな発想やブレークスルーの発生も期待できる。また、参加者のスキルアップも望める。他の参加者の専門的な技術や知識を吸収し、競い合いながらモチベーションを上げ、創出の達成感を味わえる。ハッカソンの終了後、社内外にコミュニティが構築され、情報交換が行われるケースも多い。優秀な人材との交流によって新たな知見を獲得し、さらなる自己成長のきっかけにもなる。社員のレベルアップを目的として、ハッカソンに参加させる企業も増えている。
企業のPRもハッカソンの目的の1つだ。自社の商品やサービスをテーマにしたハッカソンを開催すれば、参加者に事業内容を認識してもらえ、企業の認知度が高まることになる。即戦力となる人材を発掘してスカウトするなど、自社の採用活動にもつながる。近年では、採用試験代わりに「ハッカソン型インターンシップ制度」を実施する企業もある