SFTP

SFTP（Secure File Transfer Protocol）は、サーバー間でファイルを転送するための通信プロトコルの一つ。「Secure FTP」とも呼ばれる。初期のファイル転送プロトコルであるFTP（File Transfer Protocol）は、ユーザー名やパスワードなどの認証情報を暗号化せずに転送するため安全性に問題があった。SFTPはFTPのセキュリティ上の欠点を解決するために開発された。

FTPを改善したファイル転送プロトコルには、SSL／TSLを用いたFTPS（File Transfer Protocol over SSL/TLS）もあるが、Firewallによって通信がブロックされるリスクがある。SFTPはFirewallとの相性がよく、その点ではFTPSより優れている。

SFTPはネットワーク上の通信を暗号化するSSH（Secure Shell）プロトコルをベースとし、信頼性とセキュリティを確保している。SSHは公開鍵認証やパスワード認証を用いて不正アクセスからアカウント情報や転送されるデータを保護し、安全な通信を実現している。SFTPはSSHの上に構築されたプロトコルとも言える。

SFTPにはセキュリティレベルの向上以外にも、大規模なファイルを転送できるというメリットがある。また、ファイル管理やレジューム機能も利用可能だ。FTPやFTPSよりも設定が複雑というデメリットがあり、SFTPで通信を行うには、SFTPクライアントのインストール、SFTPサーバーへの接続など、いくつかの準備が必要となる。
（青木逸美）