ローコード開発

極力ソースコードを書かずに、最小限のコーディングでアプリケーションの開発を行う手法やその支援ツールを指す。多くはGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)と呼ばれる視覚的な操作を用いることで、工程を省略したり作業を自動化したりする。

従来のシステム開発では、ユーザーへのヒアリングを実施、要件定義、設計、プログラミング、テスト、リリースという手順を踏むが、ローコード開発は開発工程の簡略化や自動化によって、生産性やスピードを飛躍的に高めることができる。ソースコードをまったく書かない手法の「ノーコード開発」もあるが、最小限のコード記述が可能なローコード開発の方が拡張性がある。

ローコード開発のメリットは大きく分けて3つある。まず、生産性の向上があげられる。開発のプロセスを短縮することで、人件費などの開発コストを削減できる。次に、プログラミングなど専門知識を持たなくてもアプリケーションを設計・改修できる。技術的なハードルが下がることで、要員を促成できる。そして、ベンダーが用意したプラットフォームを利用するため、セキュリティ対策の負担を削減できる。

一方で、ローコード開発は設計や実装をツールで行うため、機能の拡張・変更など想定外の要求には応えにくいというデメリットがある。また、設計に重点が置かれるため、プログラミング作業は減っても設計工数が増える可能性がある。

人々の生活をより良いものへと変革させるため、さまざまな業種や分野で、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが重要視されている。アプリケーション開発についても例外ではない。著しく変化するビジネス環境や顧客ニーズに適応するためには、開発の速度や品質、安定性など、あらゆる側面において変革が求められている。ローコード開発は今後のシステム開発における重要な手法となっていく可能性が高い。
(青木逸美)

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