第5回
Wordオンラインの活用術
ファイル共有作業とショートカットで賢く使う
文/飯島範久
共有作業でもリアルタイムに反映
前回の記事で、Office 365オンラインで作業する方法を紹介した。基本はOneDrive上にファイルを置き、いつでもどこからでもアクセスできるようにしておくこと。そうすることで、デスクトップアプリでもブラウザーを使ったオンラインでもスマートに開くことができる。
また、他の人にファイルを共有する際も、ファイルを右クリックから[OneDriveリンクの共有]を選択すれば、ファイルへアクセスするためのURLがコピーされ、メールやメッセンジャーアプリで貼り付ければ、すぐに相手へ伝えられる。
Office 365オンラインからでも共有作業は、簡単にできる。ファイルをオンラインで開き、[共有]メニューから[ユーザーと共有]を選択し、メールアドレスを指定して招待するか、リンクを取得して先ほどと同様、メールやメッセンジャーに貼り付けて招待することができる。共有の際、ファイルを編集できるか否か、マイクロソフトのアカウントが必要か否かも設定できるので、一定の制限を設けることもできる。
共有作業中は、誰が編集中なのか、カーソルの位置も示してくれるので、ひと目で分かるようになっている。これは相手がデスクトップアプリで作業していても、もちろん認識できる。自分が編集中に他の人が編集しだしたとしても通知されるので安心だ。
Office 365オンラインで編集を開始したあと、デスクトップのフル機能を利用したい場合は、メニューから[Wordで編集](Wordオンラインの場合)を選択すると、デスクトップアプリで続きを編集できる。
オンライン版で利用できない機能として大きいのが、校閲機能の変更履歴の記録だ。コメントを付けた場合は確認できるが、変更履歴は確認できないため、デスクトップアプリで確認する必要がある。
Office 365オンラインでも利用できるショートカット機能
ブラウザー上で利用するOffice 365オンラインでも、ショートカットは利用できる。今回はWordオンラインの場合を紹介しよう。
ショートカットでまず思いつくのが、コピー[CTRL]+[C]、カット[CTRL]+[X]、貼り付け[CTRL]+[V]。これらはもちろん利用でき、さらに検索は[CTRL]+[F]、置換は[CTRL]+[H]と、デスクトップアプリと変わらずそのまま使える。
検索は、文書のなかからキーワードを選択し[CTRL]+[F]を押せば、ナビゲーションバーに検索結果がすぐに表示される。結果が前後の文書も一緒に表示されるので、たとえば「行った」を検索したいとき、どこかへ「いった」なのか作業を「おこなった」なのかの判断もすぐに分かる。
[CTRL]+[H]で置換する場合も、検索と同様にナビゲーションバーに検索結果が一覧表示され、置換したい文字列だけ選択して置換を実行できるので、作業効率が非常にいい。デスクトップ版にもナビゲーションバーはあるが、置換の動作は違うので、Wordオンラインで作業したほうが効率はいいかもしれない。なお、ナビゲーションバーが邪魔なら、[ESC]を押すとすぐに消えてくれる。
また保存する際は、デスクトップアプリでは[CTRL]+[S]だが、Wordオンラインでは変更が行われた場合、随時保存されるのでこのショートカットは使えない。また、文書を閉じる[CTRL]+[W]は、ブラウザーのタブを閉じてしまうので注意しよう。
そのほか、Wordオンラインで使える便利なショートカットを一覧表にした。ここで紹介したものはデスクトップ版でも活用できるので、覚えておくとよりスピーディーに作業できるはずだ。
動作 | ショートカットキー |
---|---|
太字 | Ctrl + B |
斜体 | Ctrl + I |
下線 | Ctrl + U |
箇条書き | Ctrl + ピリオド (.) |
段落番号 | Ctrl + スラッシュ (/) |
左揃え | Ctrl + L |
右揃え | Ctrl + R |
中央揃え | Ctrl + E |
ハイパーリンクを挿入する | Ctrl + K |
元に戻す | Ctrl + Z |
やり直し | Ctrl + Y |
印刷 | Ctrl + P |
最後にもう1つ便利なショートカットを紹介しよう。利用したい機能がどこにあるかわからないときもある。そんなときは[ALT]+[Q]を押すと、[操作アシスト]ボックスへ移動するので、実行したい内容を入力すると、使える機能が一覧表示される。たとえば「文字」と入力すれば[文字カウント]や[上付き]、[下付き]といった文字に関する機能が一覧表示されるので、あとはカーソルキーで選択すればいい。
次回も、引き続きOffice 365オンラインでの活用方法について紹介する。
筆者プロフィール:飯島範久
1992年にアスキー(現KADOKAWA)へ入社し『DOS/V ISSUE』や『インターネットアスキー』『週刊アスキー』などの編集に携わる。2015年に23年務めた会社を辞めフリーとして活動開始。PCやスマホはもちろん、ガジェット好きで各種媒体に執筆している。Microsoft Officeは95から使っている。