顧客の課題や要望に応えてさらに進化
コロナ禍にマッチしたバックアップ機能が魅力
「Arcserve Unified Data Protection(UDP)」Arcserve Japan
自然災害、感染症のまん延、サイバー攻撃といった不測の事態はいつ起こるか分からない。そうしたリスクへの備えとしてArcserveが提供しているのが、サーバーの統合バックアップ/リカバリーソリューション「Arcserve Unified Data Protection」(Arcserve UDP)である。2021年4月に新バージョン「Arcserve UDP 8.0」をリリースし、2014年5月の発売以降、国内累計出荷数は18万ライセンスを超えたという。進化し続けるArcserve UDPの魅力と、最新のクラウド活用に迫った。
オンプレミスとクラウド活用
理想のハイブリッド環境構築のために
コロナ禍によってビジネスパーソンの働き方は、オフィス中心の勤務体制からテレワークを中心とする勤務体制へと変化している。そうした働き方に対応するため「Amazon EC2」や「Microsoft Azure」をはじめとしたクラウドインスタンスの利用、「Microsoft 365」のように企業内のコミュニケーションツールとしての注目度も高い各種クラウドサービスの利用検討が増加傾向にある。「コロナ禍以前は、大多数の企業が社内に設置したファイルサーバーでデータを管理していました。そうした企業の多くは、オンプレミスの運用による機器の故障、災害といった被害を理解した上で、セキュリティ対策やバックアップ運用を行っています。その一方で、クラウドサービスを導入する企業の中には、クラウド上で扱うデータは安全だと考え、対策を講じていないケースも少なくありません。クラウドサービスのシステム障害の発生、人的ミスによるデータの削除、サイバー攻撃の被害に遭うなど、クラウド上であってもデータが消失してしまうリスクは常に伴います。クラウドのデータに対してもバックアップ体制を整える必要があります」とArcserve Japan ソリューション統括部 プリンシパルコンサルタントの戸村珠美氏は警鐘を鳴らす。
加えて、クラウドサービスには「責任分界点」と呼ばれる障害発生時にクラウド事業者とユーザーのどちらが障害に対応する責任があるかを示す境界が決められている。
Arcserveのクラウドサービスにおいては、データセンター・物理基盤をArcserveが運用管理し、ソフトウェア基盤としてのクラウドサービスを構築して提供する。各種アプリケーションのサービス利用に関しては、ユーザー側の責任となる。Arcserveでは、パートナーとの責任分界点を明示した資料を公開している。どこまでパートナーが配慮すべきかといったポイントについて、クラウド提案時には参考にしたいところだ。
そうしたクラウドサービスのデータを含め、オンプレミスの物理環境や仮想化環境を統合して管理できるバックアップ/リカバリーソリューションがArcserve UDPだ。「Arcserve UDPは、バックアップデータを遠隔地へ転送する機能や、バックアップデータから仮想マシンを自動生成(スタンバイ)させてリストアするよりも素早く業務を再開できる機能などを搭載しています。予期せぬトラブルにも、円滑に復旧対応を行い、BCP対策としての事業継続性を高めます」とArcserve Japan 営業統括部 パートナーアカウントマネージャの青山明日未氏は説明する。
2021年4月にリリースした最新バージョンのArcserve UDP 8.0では、「Microsoft Teams」に対応し、チャットの内容やTeams内の共有フォルダのバックアップ/リストアができるようになった。「コロナ禍を機にWeb会議を実施する機会が増え、Teamsの導入需要が拡大しています。Teamsだけではなく、Microsoft 365の利用も同様です。Arcserve UDP 8.0は、『Exchange Online』『SharePoint Online』『OneDrive』の先進認証(ユーザー名とパスワードではなく、ユーザー名とOAuth 2.0で取得したアクセストークンを使用する認証)への対応といったMicrosoft 365のサービスをまとめて一括保護できるようになりました。OneDriveのリストアも拡張されています。前バージョンまでは別の場所にリストアしてからデータを取得する必要がありましたが、Arcserve UDP 8.0からは直接OneDrive上にリストアが可能です」と戸村氏はアピールする。
ほかにも「Nutanix Files」のスナップショットと連携してNutanix Filesのバックアップに対応したり、バックアップデータを丸ごと別の場所にコピーする機能をAmazon S3のオブジェクトロックに対応させたりするなどさまざまな機能が追加されている。
バックアップ機能以外でも、レプリケートやリストアに使用するネットワークを指定できるようになった。従来バージョンもバックアップ用LANの指定はできたが、リストアやレプリケート時にも使用したいネットワークを指定できるようになり、業務LANとバックアップLANを分けて利用したいというニーズにマッチしているという。「Arcserve UDP 8.0の機能の強化は、日本のお客さまからの要望を取り込んだ改良点がたくさんあります。当社ホームページから30日間の無償トライアルを提供しているほか、Arcserveパートナープログラムにご参加いただくとさらに検証を柔軟に行っていただけるようになります。ぜひ販売パートナーさまにお試しいただきたいです。Arcserve UDPシリーズは『Arcserve UDP Appliance 9000』も拡充しており、今後さらに提案の幅も広がるでしょう」(青山氏)
UDP 8.0からサブスク提供を開始
顧客のニーズに合わせた提案が重要
ライセンス体系では、従来の購入方法を維持しつつ、サブスクリプションを新設している。サブスクリプションタイプでは、1年版と5年版を提供する。特に1年タイプでは、従来のライセンスと比べて大幅にコストダウンとなるため注目したい。
「お客さまのビジネス形態がモノからコトへと急激に変化しています。サブスクリプションは、エンドユーザーさまにとっては初期費用が少なく導入しやすいことや減価償却が不要などの魅力があります。販売パートナーさまにとっても継続して販売いただけるので、より一層ビジネス計画が立てやすくなるでしょう」と青山氏は説明する。
Arcserve UDP 8.0は、ダイワボウ情報システム(DIS)のサブスクリプション管理ポータルiKAZUCHI(雷)での提供も開始予定だ。雷では、Arcserve UDP 8.0のほかにもArcserveシリーズの提供を行っている。
「雷では、Arcserve UDPを導入済みの企業に向けた災害対策サービス『Arcserve UDP Cloud Hybrid』やクラウドに直接バックアップデータを保管してリストアするサービス『Arcserve UDP Cloud Direct』の扱いがあります。インターネット環境があればコンソールからアクセスできるため、コロナ禍での訴求を見込める製品です」(戸村氏)
最後に、青山氏は「多くのお客さまからBCP対策としての構成支援や案件の相談が増えました。そこで当社は、Arcserveシリーズを改めてBCPの観点から知っていただくため『ゼロからはじめるBCP対策入門』という冊子を制作しました(PC-Webzine6月号に同梱)。ソリューションの紹介だけではなく、事例などの内容も豊富に載せています。販売パートナーの皆さまには、販促ツールとして活用していただき、協業していくことで共に市場を盛り上げていきたいと考えています」とDIS や販売パートナーへの期待を語った。