ジャイアン鈴木の「仕事が捗るガジェット」 - 第19回
外部グラフィックスを内蔵しクリエイティブワークも快適にこなせる2 in 1 PC
マイクロソフト「Surface Book 2」
外部グラフィックス(dGPU)を搭載していても、ACアダプター非接続時にフル性能を発揮できるノートPCは少数派。今回は4コア8スレッドのCPUと外部グラフィックスを搭載したモデルが用意された、場所を問わずクリエイティブワークを快適にこなせる2 in 1 PCをご紹介します。
文/ジャイアン鈴木
クリエイティブ系のテレワークでも安心の仕様
「Surface Book 2」はマイクロソフトが発売したクリエイター向けの2 in 1 PC。現在日本国内で販売されている法人向けモデルは、第7世代のインテルCore i5-7300U(2.6GHz/最大3.5GHz)搭載モデルと、第8世代インテルCore i7-8650U(1.9GHz/最大4.2GHz)搭載モデルが用意されており、後者にはさらに外部グラフィックスとしてNVIDIA GeForce GTX 1050が搭載されています。
日本向けに販売されているのは下記の4モデル。Core i7-8650U搭載モデルだけにメモリーやストレージ容量の異なる3機種が用意されていることからも、マイクロソフトがハイパフォーマンスモデルに注力していることがわかります。
Core i5-7300Uは2コア4スレッド、Core i7-8650Uは4コア8スレッドのCPU。後者はそれに加えて外部グラフィックスが搭載されているのですから、パフォーマンスを重視するならCore i7-8650U搭載モデルで決まりです。
- Core i5-7300U/メモリ8GB/ストレージ256GB/dGPUなし 185,544円(税込)
- Core i7-8650U/メモリ8GB/ストレージ256GB/dGPUあり 247,104円(税込)
- Core i7-8650U/メモリ16GB/ストレージ512GB/dGPUあり 321,624円(税込)
- Core i7-8650U/メモリ16GB/ストレージ1TB/dGPUあり 382,104円(税込)
Surface Proシリーズはインターフェースが限られていますが、Surface Book 2はUSB type-A (version 3.1 Gen 1) ×2、USB type-C (USB Power Delivery revision 3.0、version 3.1 Gen 1) ×1、3.5mmヘッドホンジャック、Surface Connect ポート×2、フルサイズSDカードリーダーと豊富に用意されています。
本体サイズは312×232×15~23mm、重量は1642g。Core i7-8650U搭載モデルに同梱されるACアダプターは容量95Wで、実測385gとSurface ProシリーズのACアダプターより大きめです。
通常、外部グラフィックスを搭載したノートPCの多くは、ACアダプターを接続していなければ最大限の性能を発揮できません。それはフル性能時に必要な電力をバッテリー駆動では満たせないためです。その点、Surface Book 2はACアダプター接続時、バッテリー駆動時でパフォーマンスは大きく変わりません。ACアダプターを必要とするゲーミングノートPCなどに比べれば処理性能は落ちますが、電源を確保できる家やオフィスでも、バッテリーのみで駆動する外出先でも同程度のパフォーマンスを発揮できることは大きなメリットです。
ACアダプター接続時、バッテリー駆動時、タブレット部のみでバッテリー駆動時の3パターンでベンチマーク「CINEBENCH R15」を実行してみました。ACアダプター接続時とバッテリー駆動時でスコアはほとんど変わりません。タブレット部のみでバッテリー駆動時には、キーボード部に搭載されている外部グラフィックスと切り離されるので、特にグラフィックスパフォーマンス(今回の場合はOpenGL)が大幅に低下します。
今回、バッテリー駆動時に5分の4K動画とフルHD動画を「Adobe Premiere Pro CC」で書き出す時間も計測してみましたが、4K動画が約13分14秒、フルHD動画が約4分54秒という結果でした。ACアダプターなしで5分のフルHD動画を実時間未満で書き出しできれば、まずまず満足できるレベルです。
さまざまな利用スタイルに変形でき、かつバッテリー駆動時にも外部グラフィックスを利用できるSurface Book 2は非常に珍しい存在です。価格はちょっと高めですが、クリエイティブ系の仕事でも満足のいくノートPCは数少なく、テレワークのさまざまな要求にも応えてくれるでしょう。個人的には海外で販売されている15インチモデルの発売や、Surface Proに用意されているようなLTE対応モデルのリリースにも期待したいところです。
筆者プロフィール:ジャイアン鈴木
EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで編集兼ライターとして勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始しました。