スマートワーク関連の気になるニュースを深掘り! 第10回は「東京都、『TOKYOテレワークアプリ』を提供開始」、「日本マイクロソフト、週休3日の『ワークライフチョイス』の効果を発表」、「企業の副業・兼業試行、リスク可視化を支援する『副業特区』」の3本を紹介する。
文/狐塚淳
【NewsPickUp-1】
東京都、「TOKYOテレワークアプリ」を提供開始
「テレワーク・デイズ2019」の開催など、テレワーク導入を推進している東京都は、2019年11月、テレワーク活用に向けた支援の一環としてスマホ用の「TOKYOテレワークアプリ」の無償配布を開始した。
https://www.hataraku.metro.tokyo.jp/hatarakikata/telework/app/
【解説】
テレワーク導入のハードルはかなり低くなってきたが、まだいくつもの課題を抱えているため、導入に踏み切れないという企業も少なくない。そうした企業の導入サポートに有効なのが東京都が11月に無償配布を開始した「TOKYOテレワークアプリ」だ。サイトからQRコードを読み込んでスマートフォンにダウンロードすることで、テレワークに役立つ便利な機能やテレワーク関連の情報入手が可能になる。
搭載されている機能としては「サテライスオフィス検索」「簡易テレワーク勤怠管理」「コンシェルジュ機能」があり、情報系では「テレワークセミナー・イベント情報の検索」「テレワーク推進支援施策の紹介」「テレワークの実践事例検索」「テレワーク導入ガイド」「テレワーク推進のQ&A」「テレワーク推進センター相談予約」が利用可能になっている。サイトでは「都のテレワーク推進の情報等を広く入手できるスマートフォンアプリを作成しました。テレワーク実践事例や東京都の支援施策の紹介など、企業等でテレワークを推進する際に役立つ情報を掲載しております」と紹介されており、都のテレワーク関連の多様な取り組みを、より多くの企業や団体に伝えることが目的になっている。
テレワークに関する疑問が出てきたときには、コンシェルジュの「ヤギー」が適切な情報メニューを紹介してくれる。事例や導入ガイドなどかなり充実したコンテンツが用意されている。コンシェルジュのアイコンが山羊なのは、ペーパーレス効果をにらんでのものだろうか?
すでにテレワークを導入している場合、地図上に現在いる場所の周辺にあるサテライトオフィスやコワーキングスペースなどを簡単に表示でき、東京都内及び近郊のサテライトオフィス等を検索できる「サテライスオフィス検索」が便利に使えるだろう。
一方、まだテレワークを導入していない企業に勧めたいのが「簡易テレワーク勤怠管理」機能だ。
テレワーク導入に向けて、従来、出社前提だった勤怠管理をどう変更するかをイメージできない企業は少なくないだろう。このアプリの「簡易テレワーク勤怠管理」を使えば、簡単にそのシミュレーションを行うことが可能だ。
「東京テレワークアプリ」はインストール時に「テレワーク推進者モード」と「テレワーカーモード」を選択する形になっている。最初に「テレワーク推進者モード」を選び、会社を登録することで、QRコードを発行し、そこからテレワーカーが登録すればグループが形成できる。
「テレワーカーモード」では、起動画面に「テレワークを開始する」ボタンが表示されており、これを押すとテレワークの時間が記録できる(後で編集可能)。これを「テレワーク推進者」はWebからダウンロードして利用できるため、簡易的なテレワークの勤怠管理が可能になる。「管理者」ではなく「推進者」となっているのは、導入前のシミュレーション用であることを表している。同機能を使用してみて、もし不足する機能があると考えれば、それを基準に今後テレワークを実施するにあたって導入すべき勤怠管理ソリューションを選定すればいい。たとえば、このアプリの場合、勤務時間は自己申告型だが、それでは不十分と考える企業は、作業を追跡できる機能などを持ったソリューションを検討すればいいわけだ。
「TOKYOテレワークアプリ」に関する問い合わせ先は、東京都産業労働局 雇用就業部労働環境課 働き方改革推進担当(電話:03-3868-3401)。