Microsoft 365で業務効率アップ!【新春特別編】
2021年から始まる「ニューノーマル」という大変革!
2021年1本目の連載は、特別編としていつもとは傾向の変わった記事をお届けする。新しい年の予測だが、昨年から起こっているビジネスの大変革についてまとめていこうと思う。新しい年のビジネスやITの動向をひもとく参考にしていただけるはずだ。
文/戸田 覚
ニューノーマルがやってくるのは間違いない
新型コロナウイルスによって、私たちの働き方は大きく変わった。テレワークのなかでも、特に在宅勤務が普及したのは言うまでもないだろう。
この流れは、コロナウイルスによる影響が少なくなっても、元には戻らないと言われている。改めて言われるまでもなく、誰もがそう思っているだろう。もちろん、出社の機会はある程度増えると思うが、コロナ以前には戻らない。
実は、テレワークの流れはコロナウイルスとは関係なく、間違いなく存在していた。効率的なのはわかっていたからだ。いくつかの企業ではテレワークやフリーアドレスが先進的な取り組みとして行われていた。
こんな流れが、コロナウイルスの影響によって一気に加速したわけだ。しかも、それができる環境が整っていたのだから、当然の流れと言えるだろう。10年前なら、こうはいかず、経済はさらに止まっていたに違いない。
つまり、ニューノーマルというよりは、将来のビジネスのあり方が早くやってきただけなのだ。
見逃せないのがクラウド化の加速
緊急避難的に起こったテレワークだが、結果としてクラウド化を加速させることになる。サーバーの価値が改めて問われることになるだろう。
今後は、社内にサーバーを持つ意味が変わってくるはずだ。社内でアクセスするなら自社サーバーが効率的かもしれない。だが、社員が在宅勤務していると、社内サーバーの価値が見いだせなくなる。クラウドにアクセスしても同じじゃないか――というわけだ。
出社を抑制するなかでも、サーバーの管理者は自宅作業ができないのもいただけない。
クラウドが当たり前になれば、セキュリティの課題も解決していくはずだ。クラウドなら、利用規模の増減も簡単にできるし、管理者最小限でこと足りる。
サブスクリプションも増えていく
クラウド化が進むと、同時にサブスクリプションも普及の勢いを増す。まあ、これも言うまでもないのだが、そもそもクラウド自体が基本的にサブスクリプションだ。アプリケーションがローカルにある必要も徐々になくなり、クラウド上の利用が普通になるだろう。
Chromebook的な使い方がいよいよ実現してくるのだ。ただ、企業利用という意味ではそれも長く続かない。とりあえずのゴールは、DaaSに行き着くはず。いわゆるクラウド型のデスクトップで、仮想デスクトップとも呼ばれるものだ。
これによって、パソコンのソフトウエアはOSを含めてまるごとサーバーに置くことができる。利用者はログインするだけでよく、アップデートもインストールも無縁の世界がやってくる。セキュリティを気にする必要もない。
DaaSへと突き進む流れも確実にやってきている。それが、5Gだ。この次世代の高速通信が普及する数年後には、DaaSが快適に使えるようになる。まさに、収穫逓増の法則だが、多くの情シスは仕事を失う可能性が少なくない。単なる管理者という立ち位置から脱却する必要があるはずだ。
筆者プロフィール:戸田 覚
1963年生まれ。IT・ビジネス書作家として30年以上のキャリアを持ち、「あのヒット商品のナマ企画書が見たい」(ダイヤモンド社)など著作は150冊を超え、IT系、ビジネス系を中心に月間40本以上の連載を抱えている。テレビ・ラジオ出演、講演なども多数行っている。