ビジネス課題の解決に役立つ
最新ICTソリューションが一堂に出展!

ダイワボウ情報システム(DIS)が主催する総合展示会「DIS ICT EXPO」が2024年度も全国各地で開催されている。2024年8月28日は福井県産業会館にて「DIS ICT EXPO in 福井」が開催された。会場には80社以上のITベンダーが集結し、クラウド、セキュリティ、AIなどをテーマにした最新の技術とソリューションが披露された。本記事では各ブースの展示内容をリポートしていく。展示内容に加えて、今回はDIS ICT EXPO in 福井を見学した26年卒の学生が行ったインターンシップの様子をお届けする。

HYCU

1クリック操作で容易にデータを保護

(左)HYCU
Country Manager-Japan
営業部長
江副桂太

(右)HYCU
システムズエンジニア
吉田幸春

 ランサムウェアやシステム障害、自然災害といったさまざまなリスクに備えて、データのバックアップは欠かせない。HYCU Japanの展示では、仮想化基盤のデータバックアップソリューション「HYCU Private Cloud」やMicrosoft 365向けのデータ保護ソリューション「HYCU R-Cloud SaaS for M365」などを紹介していた。

 HYCU Japan Country Manager-Japan 江副桂太氏は「HYCU Private CloudはNutanixと高い親和性を持つ製品です。1クリックでバックアップが可能な点やNutanixの管理ツール『Prism』に近いUI画面を採用している点など、管理者の使いやすさを第一に考えて開発しています。HYCU R-Cloud SaaS for M365は『OneDrive』や『SharePoint』などの多くのユーザーが利用しているMicrosoft 365のデータを保護します。DISさまでは、HYCU製品のキッティングサービスや日本語対応のサポート窓口といったオリジナルサービスも提供しています」と販売パートナーに向けてアピールした。HYCU製品はほかの商材と組み合わせて価値を提案するといった方法も有効だ。「Wasabi Technologies Japanさまのクラウド型オブジェクトストレージ『Wasabi Hot Cloud Storage』を組み合わせて、Nutanixのバックアップ環境を構築するといった商材提案は、販売シナリオがイメージしやすく、販売パートナーさまにも好評です」(江副氏)

Wasabi Technologies Japan

低価格かつシンプルな運用が可能

Wasabi Technologies Japan
営業推進
末吉聡子

 Wasabi Technologies Japanの展示では、クラウド型オブジェクトストレージ「Wasabi Hot Cloud Storage」やファイルサーバーとWasabi Hot Cloud Storage間での連携を可能にするソリューション「Wasabi Cloud NAS」を紹介していた。「Wasabi Hot Cloud Storageの特長は低価格で利用できることです。クラウドストレージは一般的にストレージ利用料だけではなく、データを出力する下り転送料金やデータの移動/コピーといったAPIリクエストにも費用が発生しますが、Wasabi Hot Cloud Storageはストレージ利用料以外の費用はかかりません。また、Wasabi Cloud NASはサーバーに保存しているアクセス頻度の低いデータをWasabi Hot Cloud Storageに自動的に複製/階層化することで、常に最適な状態でサーバー環境を運用できます」とWasabi Technologies Japan 営業推進 末吉聡子氏は説明する。

 DISでは、Wasabi Hot Cloud StorageとWasabi Cloud NASの日本語サポートサービスに加え、販売パートナーが自社購入したWasabi Hot Cloud Storageのリソースをエンドユーザーに切り売りできるツール「Wasabi Account Control Manager」(WACM)の提供も行っている。「エンドユーザーさまごとにテナントの作成を行い、割り当てるストレージリソースの容量、価格、販売方式を自由に設定できます。好きな容量で切り売りできるため、小規模なお客さまにも提案が可能です」(末吉氏)

Freshworks

問い合わせ対応を効率化

(左)ディーアイエスサービス&ソリューション
テクニカル本部クラウドテクノロジー部 マルチクラウドグループ
係長
波多 優

(右)ダイワボウ情報システム
戦略ビジネス推進部
クラウドサービス推進グループ
主任
竹中雅希

 問い合わせ一元管理ツール「Freshdesk」とIT Service Management(ITSM)ツール「Freshservice」の紹介を行っていたのが、Freshworksだ。Freshdeskは、ポータルサイト・メール・電話・SNSからの問い合わせを一元管理して、カスタマーサポートにおける対応業務の効率化を図れる製品だ。FAQサイトの作成、チャットボットを活用した問い合わせ対応などさまざまな機能を有する。

 Freshserviceは、ITサービス管理、ITオペレーション管理、IT資産管理などに関する機能を搭載した情報システム部門の業務効率化に貢献する製品である。

 ディーアイエスサービス&ソリューション テクニカル本部 クラウドテクノロジー部 マルチクラウドグループ 係長 波多 優氏は「DISオリジナルで構築・支援サービスを用意しています。販売の計画からシステムの導入に関する相談まで幅広く対応しますので、販売パートナーさまは安心してお取り扱いいただけます」と語る。

 FreshdeskとFreshserviceは、低価格かつカスタマーサポートやIT管理に関する機能を豊富に備えている点から、中小企業でも導入しやすいという。「お客さまのニーズに寄り添い、業務に必要な機能はオールインワンで搭載されています。エンドユーザーさまの導入コストを抑えながら、業務効率化に大きく貢献できるでしょう」(波多氏)

サイファーマ

攻撃者に狙われる前に脆弱性を把握

(左)サイファーマ
DeTCT Specialist
西田典訓

(右)サイファーマ
アライアンスマネージャー
谷田部 順

 外部公開資産はサイバー攻撃の格好の的となっており、対策が必要な領域として注目が集まっている。サイファーマの展示では、サイバー攻撃から自社の外部公開資産を守るためのExternal Attack Surface Management(EASM)ツール「DeTCT Starter」を紹介していた。

 DeTCT Starterは、自社の公開IT資産とその潜在的な問題、漏えいしているIDやパスワードなどの可視化が行えるSaaSサービスだ。「インターネット上に公開されている自社の情報を監視し、データや資格情報が外部からどのように見えているのかを“攻撃者に狙われる前”に第三者の目線で把握できるようになります」とサイファーマ アライアンスマネージャー 谷田部 順氏は説明する。

 DISでは、DeTCT Starterを購入した企業に向けて「CYFIRMAヘルスチェックサービス」(ワンショットサービス)を展開する。「DeTCT Starterを導入する企業さまに対して、DISさまが利用環境のヘルスチェックを行います。外部から見える潜在的なリスクを短期間で診断し、運用のポイントを紹介するといったサービスです。情報システム担当者が不在の企業さまもいらっしゃいますので、運用の不安などを解消できるでしょう」(谷田部氏)

 DeTCT Starterで脆弱性の把握を行い、その対策としてセキュリティ製品を一緒に提案するといった販売シナリオも有効だという。

パロアルトネットワークス

機械学習で既知・未知の脅威に対応

(左)パロアルトネットワークス
エコシステム事業本部
営業部 部長
青島 翼

(右)パロアルトネットワークス
技術本部
チャネルシステムズエンジニア
ClSSP
吉田幸春

 機械学習を活用した次世代ファイアウォール「PA-400シリーズ」を紹介していたのが、パロアルトネットワークスだ。PA-400シリーズは幅20.5×奥行き22.4×高さ4.4cm※のコンパクトな筐体とファンレスの静音設計で、設置場所を選ばず多彩な用途に活用できる。

「PA-400シリーズは機械学習による検知機能を搭載しており、既知だけではなく未知の脅威にも対応します。近年、大企業さまのシステムへ侵入するための踏み台として、中小企業さまを狙ったサイバー攻撃が増えており、強固な対策が必要とされています。PA-400シリーズを導入していただくことで、サイバー攻撃の被害リスクを低減させられます」とパロアルトネットワークス エコシステム事業本部 営業部 部長 青島 翼氏はアピールする。

 さらに、PA-400シリーズは脆弱性防御やWeb通信の保護といったより強固なセキュリティ機能をサブスクリプションライセンスとして用意している。企業のさまざまな問題やユースケースに対応する。

 DISでは、PA-400シリーズの保守・サポートを行う「パロアルトネットワークス保守サービス」を展開している。機器が故障した場合に交換機の発送またはオンサイト対応による機器の交換作業などのサポートを受けられる。製品導入後のトラブルに対応する万全なサポート体制は、PA-400シリーズをエンドユーザーに提案するに当たり安心材料の一つといえる。※PA-440/PA-450/PA-460

ジュニパーネットワークス

安定したネットワーク環境を実現

(左)ジュニパーネットワークス
パートナービジネス統括本部
シニアパートナー
アカウントマネージャー
池田 篤

(右)ジュニパーネットワークス
技術統括本部
パートナー技術本部
システムズエンジニア
豊田 圭

 ジュニパーネットワークスの展示では、イーサネットスイッチ「Juniper EXシリーズ」やセキュリティ対策とネットワーク機能を搭載した次世代ファイアウォール「Juniper SRXシリーズ」、AI搭載クラウド管理型無線LANシステム「Juniper Mist AI」などを紹介していた。

 Juniper EXシリーズは同社独自の仮想化ソリューションである「Virtual Chassis」(VC)機能を備えている。VC機能は最大10台のスイッチを仮想的に1台の機器とする技術だ。複数のスイッチを相互接続し、一つのデバイスのように運用・管理できる。Juniper SRXシリーズはルーティング、スイッチング、セキュリティといった企業ネットワークに求められる機能を統合した製品だ。

 Juniper Mist AIは無線LAN AP「Juniper Access Points」と無線LANの可視化と管理ができるクラウド管理コンソール「Juniper Mist Cloud」で構成される。AIを活用したトラブル分析をはじめとする豊富な機能によって無線ネットワークの最適化を図れる。Juniper Mist CloudはAPだけではなく、スイッチなどの製品と連携してネットワーク全体の一元管理が可能だ。「DISさまでは、オリジナルで『Juniper Mist マネージドサービス』を提供しています。死活監視、QA対応、APの設定変更などを行い、ネットワーク運用の負担を軽減します」とジュニパーネットワークス パートナービジネス統括本部 シニアパートナーアカウントマネージャー 池田 篤氏は説明した。

DIS DX教育サービス

DXの定着化を支援する

(左)ダイワボウ情報システム
戦略ビジネス推進部
アドバンスドテクノロジー
推進グループ専任
国安博史

(右)ダイワボウ情報システム
経営戦略本部
情報戦略部DX 推進課
課長
田中秀尚

 DISのブースでは多種多様なソリューションやサービスを紹介していた。その一つが、DX推進に必要な正しい知識とITリテラシー、思考や発想法、デジタルスキルを身に付けるための法人向け研修サービス「DX教育サービス」だ。

 DX教育サービスは、「一般教育」と「実践教育」の二つのメニューがあり、「知る:DX入門」「理解する:クリティカルシンキング」「発想し試す:デジタル思考」「実践とサポート:DevOps活用」の4ステップに基づいたさまざまなプログラムが用意されている。

「一般教育では座学を中心に行い、DXの本質を理解して必要な思考力を身に付けていきます。座学だけでは得た知識を実務に落とし込んでいくのは難しいため、実践が必要です。そこで実践教育で、マイクロソフトの『Power Apps』やGoogleの『AppSheet』などのツールを活用しながら基本操作を学びつつ、業務改善に向けたアイデアを形(アプリケーション)にするといったDXの思考法を実践できます。一般教育と実践教育をセットで学べるのがDX教育サービスのメリットです」とダイワボウ情報システム 経営戦略本部 情報戦略部 DX推進課 課長 田中秀尚氏は説明する。

 DX教育は企業のDXを推進する上で欠かせない取り組みだ。「販売パートナーさまと共にエンドユーザーさまのDX教育に対する支援を進めていきます」(田中氏)

アルファテック・ソリューションズ

PCライフサイクルをまるっとサポート

 アルファテック・ソリューションズが紹介するのがPCライフサイクルマネジメントサービス「ピタッとキャパシティ for PC」だ。計画・調達から導入、管理、リユースまでのPCのライフサイクルにおけるさまざまな作業をアルファテック・ソリューションズが顧客の代わりに対応する。

 PCを販売する際にピタッとキャパシティ for PCを組み合わせた提案も可能で、販売パートナーのビジネスに付加価値をもたらすサービスだ。

DIS 教育ICT

課題解決型・探究型教育を促進

 テクノロジーを活用して社会課題を解決できる人材育成を目指す「STEAM教育」などが注目される中、DISの教育ICT推進グループでは課題解決型・探究型教育を実現するための「新しいコンピューター教室」を提案している。展示では、アバロンテクノロジーズの3Dプリンター教育支援CADソフト「作ってみよう!」や教育現場で使える3DプリンターなどのSTEAM教育向けの製品が紹介されていた。

[Internship Report]
ICT EXPO見学を通して、IT業界の最新のトレンドに触れる
〜26年卒の学生インターンシップ〜

DISでは26年卒の学生に向けたインターンシップを行っている。その一つに合計5日間の長期インターンシップがあり、その中で「DIS ICT EXPO in 福井を見学し、課題に応じた最適な商品・サービスを見つけ、社内プレゼンを行う」というプログラムを実施した。実際に9名の学生がプログラムに参加し、社内プレゼンという大きな課題を全員でやり遂げた。その内容をダイジェストでお届けしよう。

80社以上の商材から選定

 DIS ICT EXPO in 福井の会場を訪れた9名の学生に与えられたインターンシッププログラムのミッションは会場内を見学して社内プレゼンを行うというものだ。1チーム3名に分かれ、「①営業職社員の業務効率化・営業品質の向上に貢献できる製品を見つけて、社内プレゼンをする」または「②今後の市場でのニーズが見込め、会社の売り上げや利益の拡大に貢献できる製品を見つけて、社内プレゼンをする」というお題から一つを選び、チームで社内プレゼンに取り組んだ。

 会場内を見学するに当たって学生に与えられた時間は2時間。80社以上と数多くの出展がある中で、お題に見合った製品を見つけ出すため、学生たちは各ベンダー担当者の説明をメモを取りながら熱心に聞いていた。

 会場見学を終えると、1チームごとに1台のPCと50分の作業時間が与えられた。学生たちは提案するソリューションを決定し、PCを使ってプレゼン資料の作成に取りかかった。

 スライドのデザインや必須項目に合わせた情報をまとめるのに悪戦苦闘しつつも、それぞれのメンバーと協力し合いながら、全チームが資料を完成させた。

EXPO見学!
社内プレゼンタイム!
プレゼン資料作成!

仲間の意見をまとめて商材を提案

 資料を作り終えたら、次はいよいよ社内プレゼンだ。プレゼン時間は各チーム7分。

 1チーム目は「メールの問い合わせ管理と議事録作成の業務効率化」をテーマにソリューションを提案した。メールの問い合わせ管理には、Freshworksの「Freshdesk」、議事録作成にはアドバンスト・メディアの「AmiVoice ScribeAssist」を挙げた。Freshdeskはクラウドベースでどこにいても継続して作業が行えること、AmiVoice ScribeAssistはAI音声認識による議事録作成機能がオフラインで利用可能であるといったメリットを訴求し、プレゼンを終えた。

 2チーム目は「中小企業に向けたペーパーレスの推進」をテーマに、紙文書を電子化するAI insideの「DX Suite」、議事録などの音声を文字起こし&要約するソースネクストの「オートメモ」、データを保存・管理するWasabi Technologies Japanの「Wasabi Hot Cloud Storage」を提案した。DX Suiteとオートメモで紙文書や議事録音声をデータ化し、作成したデータはクラウドで管理することで中小企業のペーパーレスを推進させられると簡潔にまとめた。

 3チーム目は「地方病院の電子カルテ化を進める」をテーマに紙文書(カルテ)を電子化するAI insideのDX Suite、電子カルテを安全に取り扱うためのセキュリティ対策としてRSA Securityの「Unified Identity Platform」とシスコシステムズの「Umbrella」を提案した。地方の病院は電子カルテの普及率が低く、今後需要を見込めることなどを理由に、三つの製品で、電子化とセキュリティ強化を図っていくことで電子カルテ化を進められると訴求した。

担当者と交流!
製品を検討!
製品の魅力をアピール!

 3チームの社内プレゼン終了後、DISの人事部からフィードバックが行われた。短時間で製品の訴求ポイントをうまくまとめ上げたことや企業のニーズをくみ取った製品を提案できたことなど、学生のポテンシャルの高さを評価した。

 福井県でのインターンシップを終え、学生たちは日帰り出張を体感。翌日には、大阪本社で「DX教育サービス」を実際に受講するという。DIS ICT EXPOでの経験を通じて一歩成長した学生たち。今後のさらなる飛躍を期待したい。

Mission Complete!

2024年度DIS ICT EXPO 今後の開催予定
・仙 台(仙台国際センター)… 2024年10月3日
・名古屋(ウインクあいち) … 2025年2月14日

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