バッファロー、法人向けの事業戦略を発表

事業戦略

 バッファローは8月29日、「法人向け事業戦略及び新商品発表会」を実施した。同社は三つの軸を基に、法人向けの事業戦略を推し進める。

 一つ目はハイブリッドワーク・業務デジタル化のインフラ構築だ。Web会議の一般化に伴い、オフィスで働く従業員は自席にとどまるのではなく、PCを持って会議室などに移動するようになった。そのとき、アクセスポイントが上手く切り替わらず通信が安定しないケースがある。そうした課題を解決するため、同社の無線LANアクセスポイントは、電波強度に応じて最適な無線アクセスポイントへの切り替えを促す「ローミング支援」機能と、複数のアクセスポイントの電波送信出力やチャンネルを、アクセスポイント間でより最適な状態へ自動調整する「AP間電波自動調整」機能を備えている。さらにネットワークセキュリティ対策の重要性の高まりから、VPNルーター「VR‒Uシリーズ」用のUTM機能拡張ライセンスパックを提供する。UTM機能はWebフィルタリング・アンチウイルスなどの機能を備え、外部からの攻撃や内部情報の漏えいなどから情報資産を守るのだ。

 二つ目はBCP対策だ。近年頻発する自然災害への対策として、リモート機器管理サービス「キキNavi」に登録しているNASのデータ・設定情報をクラウドにバックアップ・復元できる「キキNaviクラウドバックアップ」を提供している。このサービスにより、遠隔地へのバックアップを容易に実現する。加えてランサムウェア対策として、NASにPCが感染した際にデータの保護や管理者への通知を行う「異常ファイル操作検知」機能を搭載する予定だ。ランサムウェアの検知を確認した場合は、スナップショットを利用することでデータ復元を容易に行える。

 三つ目は人手・IT人材不足だ。キキNaviを利用することで、機器の稼働状況の把握や簡易操作を、現場へ出向かず遠隔で行える。機器管理者の負担を大きく軽減するのだ。

 同社 事業本部 法人マーケティング部長 富山 強氏は「これら三つの軸を基にサービスを拡充し、企業DXを支援していきます」と展望を語った。

遠隔地からNASの管理を実行

 同記者会見では、新たにキキNaviへ遠隔地からNASの設定変更が可能な「リモート設定」機能を追加することを発表した。リモート設定機能は9月下旬より提供を開始する予定だ。リモート設定機能では、NASのユーザー・共有フォルダー追加、バックアップタスクの変更や設定情報一覧のダウンロードなどが可能で、NASの設定変更のために現地へ訪問する手間を削減する。

 同社 事業本部 法人マーケティング部 次長 山田 磨氏は、リモート設定機能について以下のように語る。「機器管理の外部委託を受けている保守管理会社は、ユーザー企業が機器を利用していない休日・夜間といった営業時間外で作業を行うことが多く、人手不足も合わさって大きな負担になっています。リモート設定機能を活用すれば、ユーザー企業を訪問する必要がないので、昼休みといった短い時間で作業を行うことが可能です。保守管理会社はユーザー企業の営業時間中に作業でき、負担減につながります」

法人事業戦略における三つの軸

議事録作成業務を効率化するプラットフォーム

新プラットフォーム発表

 アドバンスト・メディアは9月4日、複数の議事録ソリューションを一元化したプラットフォーム「VoXT One」を発表した。VoXT Oneでは一つのアカウントで、同社の議事録サービス「ProVoXT」と「ScribeAssist」を利用シーンに応じて選択できる。

 ProVoXTはクラウド型の文字起こしサービスだ。クラウドのため、インターネットに接続されている環境であれば、場所を選ばずにAI音声認識による文字起こしを行える。さらに今回、ProVoXT上で文字起こし結果をシームレスにAI要約・編集・共有できる「議事録エディタ」機能が新たに利用可能となった。要約の出力形式は、議題ごとに要点をまとめる「要点まとめ」や、議題ごとに概要・決定・ネクストアクションを出力する「議事録」の二つから選択できる。

 ScribeAssistはスタンドアロン型の文字起こしサービスだ。インターネット接続の有無にかかわらず利用でき、機密情報を扱う会議に適している。リアルタイムでの音声の文字化・修正に対応し、会議の質向上と議事録作成の速度向上をサポートする。さらに今回、ベータ版で提供していた「AI要約」機能を正式版としてリリースした。ベータ版では「GPT‒3・5」をベースとしていたが、正式版では「GPT‒4o」をベースとし、要約の精度と速度を向上させている。

 同社 VoXT事業部 志村亮一氏は、「VoXT Oneの提供によって、異なる用途・機能のプロダクトを同一プラットフォーム上で提供できます。これにより、ユーザーエクスペリエンスを向上させます」と意気込みを語った。

VoXT Oneの概要図