今回のAzure 業務改善ファイルでは、「GitHub」とAzureの連携について説明します。GitHubは、プログラムのソースコードなどをオンラインで共有・管理できるGitHub社のオープンソースのWebサービスです。ソフトウェア開発だけでなく、プロジェクト管理や学習ツールとして、世界的に広く利用されています。システムの内製化を実現するための自社開発のプラットフォーム構築が隆盛する中、利用がますます広がってきているGitHubについて、ビジネスでのメリットを探っていきましょう。
日本マイクロソフト
パートナー事業本部
コーポレートソリューション統括本部
パートナーソリューション本部
パートナーソリューションマネージャー
大北崇人 氏
バージョン管理やCopilotとの連携で省力化に対応
GitHubには、大きな特長が四つあります。まず一つ目は、バージョン管理です。バージョン管理ツールである「Git」の仕組みを用いており、ソースコードのバージョン管理や複数人による共同作業が効率的に行えます。プログラムやデザインなどの変更履歴を記録・管理でき、ソースコードのバージョンも管理可能です。また、自分の成果物について世界中のユーザーと共有や公開を行えるほか、チームでの共同開発も実現します。GitHubの基本的な機能は無料で利用でき、必要に応じて有料プランも選択可能です。
二つ目は、「GitHub Copilot」を実装していることです。GitHub Copilotは、プログラミング中にMicrosoft Copilotからリアルタイムでコードを提案し、開発者の生産性向上をサポートします。コード補完や関数全体の自動生成、特定のタスクに適したアルゴリズムを提案しています。また、コードに関連するドキュメントを自動生成します。GitHub Copilotは、開発者がより速く、効率的にコードを書くことを支援し、問題解決やコラボレーションに集中できるように設計されています。
三つ目は、GitHub Copilotはコードエディタである「Visual Studio Code」などで直接利用可能なことです。 Copilotとチャットしながらコードに関するヘルプを求められます。
四つ目は、コマンドラインを使用してCopilotにヘルプを依頼できることです。併せて、GitHub Copilotは個人利用や企業利用のためのサブスクリプションプランも提供しています。
GitHubサービスがCSPで販売可能に
次に、本稿にてGitHubを提案する理由を説明します。それは、2024年8月1日、GitHubで開発したほぼ全てのサービスがCSPチャネルで販売可能となったことが背景にあります。つまり、お客さまが利用されるGitHubがACR(Azure Consumption Revenue:お客さまがAzureを利用した消費量)化したので、すでにAzureを拡販されている販売店さまはAzureで開発したサービスの販売機会が増やせます。その機会を支援するため、セミナーやワークショップ、ハッカソンなどを開催する場も多数準備しています。今回のACRによるGitHubの提供製品は、以下の通りです。
・GitHub Enterprise……AIを使用してコードを作成
・GitHub Advanced Security……脆弱性を検出、防止、修正
・GitHub Copilot……Copilotを使用して最先端のソフトウェアを迅速に作成
・GitHub Actions + Larger hosted runners……ソフトウェア ワークフローを自動化し、GitHubからコードを直接構築、テスト、デプロイ
・GitHub Advanced Security for Azure DevOps……Azure DevOps プラットフォームに提供される一連のセキュリティ対策に対するテストツール
・GitHub Codespaces……安全な開発環境でコードを迅速に作成
また、利用されるお客さまに対しても多くのメリットが発生します。まずコスト面では、必要なユーザーライセンスのみ従量課金制に対応しているため、プロジェクトの有無に応じて利用できます。GitHub製品全体に対して調達や支払いに関する経路の統一も可能です。「Azure Cost Management」では、Azureの利用料金と併せてGitHub ActionsやGitHub Copilotの利用料金が確認でき、プロジェクト単位でインフラ費用+開発ツールの利用料金をまとめられます。詳細の消費金額について、随時管理者が確認可能となっているのです。
GitHubの必須スキルが定着していない、購入を検討されているお客さまのためには、「Microsoft Learn」にて学習するためのサイトも用意しています。こちらはスキル定着に有効です。GitHubの市場での利用と需要が高まっているこの機会に、AI開発プラットフォームとして活用可能なGitHubを、Azureと併せて提案してみてください。
text:日本マイクロソフト 大北崇人 氏