PCもスマホもUSB Type-Cから充電しよう

テーマ:USB PD対応の充電器・バッテリーの選び方

今回はいよいよ規格が普及してきたUSB PowerDelivery対応の充電器やバッテリーについてまとめて紹介していこう。スマホやタブレット、PCが同じ充電器やバッテリーを使える時代が到来したのだ。これは大変に便利で、専用の充電器を持ち歩く必要もなくなってきたのだ。

まずは充電規格をチェックしよう

 今回は、USB PowerDelivery(以下USB PD)対応の充電器やバッテリーのメリットや使い方を紹介していく。とはいえ、細かな規格の話ではなく、実用上、どのように便利なのかを連載の軸にしていきたい。

 USB PDは、USB Type-C端子で充電できる規格で、最近のPCやスマホが多く対応している。

 Androidスマホは、ここ数年のモデルは全部対応していると考えても問題ないだろう。一部の高性能モデルは、独自の急速充電規格を採用しており、付属の充電器とケーブルを使うことで、100Wを超える超急速充電が可能になる。

 だが、そのようなモデルでも、USB PD対応の充電器での急速充電も可能だ。つまり、付属の充電器ほどではないが十分な急速充電が、市販の充電器でもできるわけだ。

 iPhoneも実はUSB PD相当の充電が可能。Lightning×USB Type-Cケーブルを使うことで、最大20Wで充電できる。もちろん、充電スピードも高速だ。

 PCもモバイルノートPCはほとんどがUSB PDによる充電に対応する。例えば、Let's Noteはおなじみの専用充電器が付属する。ところが、最近のモデルはUSB Type-C端子を利用した充電にも対応する。つまり、最初から付いてくる充電器と、市販の充電器のどちらでも充電できるのだ。

 自分のPCやスマホの充電規格は一度は詳しくチェックしておくと良いだろう。これからモバイルノートPCを買うなら、USB PDによる充電に対応している製品を選ぶことをおすすめする。

左から、
オウルテック「OWL-APD20C1A1シリーズ」PD出力20W対応
オウルテック「OWL-APD30C1シリーズ」PD出力30W対応
オウルテック「OWL-APD65C1A1G-BK」PD出力65W対応
出力の大きな充電器は基本的にサイズが大きくなる。

出力をチェックしよう

 充電器やモバイルバッテリーを手に入れる際には、最大出力に気をつけよう。例えば、最大18Wで充電できるスマホを使っているとしよう。その場合は、基本的に18W以上の出力がある充電器やモバイルバッテリーを使えばよい。

 つまり、スマホだけを充電するなら、悩むことはあまりないはずだ。ただ、タブレットにも充電するとなると、スマホよりも高い出力を必要としているケースが多い。タブレットも使っているユーザーがこれから充電器を買うなら、30Wのタイプを選んでおくと安心で、スマホもタブレットも急速充電できる。タブレットも機種によっては30Wを超える出力が求められることもあるので、その場合はさらに高出力のものを買うべきだ。

 ただし、スマホやタブレットの場合は出力が低い充電器でも、基本的に充電は可能だ。例えば、最大18Wの充電に対応するスマホに10Wの充電器でも充電は可能。もちろん、充電時間は長くなる。

 そう考えると、よく分からない方は、30Wを買っておくのがバランス的には良さそうだ。

 PCの場合も機種によって最大のワット数が異なる。モバイルノートPCは30W、45W、65Wが主流だが、100W対応のモデルもある。

 PCの場合は、65W対応のモデルが最大30Wの充電器では充電できないケースが出てくる。実はその意味も二つあるのがややこしい。そもそも、30Wでも給電はできるのだが、PCを使っていると足りないために、バッテリーが増えないケース(つまり充電できない)がある。また、必要なワット数がないと給電自体もできないモデルもあるのだ。

 この辺がややこしいのだが、PCに付いてきた充電器にはワット数が書いてあるので、市販の充電器を買う際には、同じワット数以上のタイプを選べば基本的には充電できるはずだ(一部、相性などで非対応のケースもある)。

 また、出力が低い充電器が使えない場合も、PCをシャットダウンしておけば、充電ができるケースがほとんどだ。例えば、宿泊を伴う出張先で寝てる間に充電できれば良いなら、出力が低い充電器でもゆっくりだが充電ができる可能性がある。どちらにしろ、本番の出張前には念を入れて確認しておくべきだ。 出力のほか、ポート数の多さで充電器を選ぶのも賢い選択だ。例えば、今回紹介するオウルテックの充電器「OWL-APD65C1A1G-BK」は、最大65Wでの充電が可能だ。ただし、ポートはUSB Type-CとUSB Type-Aの二つが付いている。USB Type-C単体なら65Wで充電できるが、USB Type-Cで45W充電をしつつ、USB Type-Aで18Wの充電もできるのだ。

オウルテック
「OWL-APD112C2A2-BK」
PD出力100W対応
充電器は複数のポートがあると使い勝手が良い。ただ、サイズは大きくなるのでこちらも用途を選んで選択して欲しい。
デル・テクノロジーズ
「Dell Notebook Power Bank Plus」
PD出力65W対応
PCに見合ったモバイルバッテリーは65Wなどの高い出力を持っている。20,000mAhクラスになるとかなり重く、値段も張るので、出先での使い方を考えて選びたい。

モバイルバッテリーの選びかた

 モバイルバッテリーもUSB PDに対応した製品が増えてきた。今回取り上げるデルの「PW7018LC-2」は、最大で65Wの出力が得られる。つまり、65Wで充電できるPCに対応する。さらに、USB Type-A端子は10Wの出力で、スマホなどに使える。

 出張先などで電源が使えないときには、このようなPCに対応したモバイルバッテリーを持っていくと安心だ。

 PCに対応するモバイルバッテリーは20,000mAh以上の容量を持つものがおすすめだ。それでも、1回フル充電できない可能性もある。どれだけ充電できるかは、PCのバッテリー容量によるので、要チェックだ。

 スマホへの充電なら10,000mAhクラスがおすすめだ。普段使いには、10,000mAhのバッテリーを使い、出張用に20,000mAhを利用するなど、うまく使い分けるのが良い。

 最近は、充電器、モバイルバッテリー共に種類が増え、製品の完成度も向上している。どちらもどんどんダウンサイジングしており、価格もこなれてきているので負担なく買えて、持ち運べるのが良いところだ。

USB PD対応のPCなら、市販の充電器が利用できる。会社には最初から付いてきた充電器を常備しておき、自宅用に市販の充電器を使う手もある。