「Windows NT Advanced Server version 3.1」はWindows Serverの初期のバージョンだ。本製品がリリースされたのは1993年のことだ。そしてNECでは、約1年後の1994年12月にPCサーバー「Express5800」シリーズを発売した。販売開始から昨年で30周年を迎え、草創期からWindows Serverをサポートしてきた。以来30年、オープン化、ダウンサイジング、クラウド、AIなどICTを巡るさまざまな状況の変化の中で、Express5800は絶えず進化を続けてきた。顧客ニーズに応えるExpress5800について、ビジネスでの有用性を探っていこう。
タワー&ラック型からスリム型へ
今でこそスリムサーバーは一般的となったが、2000年初期当時、サーバーと言えば、オフィスには拡張性の高いタワー型、サーバールームにはラック型のサーバーを設置するのが主流だった。しかし2004年7月に、NECが他社に先駆けてリリースしたのがスリムサーバーだ。これは顧客からの「オフィスのサーバーが大きくて邪魔」という声を受けて開発されたものだ。さらに同年10月、静音性を求める図書館や病院、教育機関などへの設置を想定した「水冷スリムサーバ」なども提供してきた。
スリムサーバーをリリースしてから20年が経ち、オフィスに設置するサーバーはスリムタワー型が主流となった。現在のスリムサーバーは、オフィスにとどまらず、IoT用途でのデータ中間処理や、自動精算機への組み込みなど活躍の場が拡大している。
製造業では、ファクトリーオートメーションが進む中でシステムの24時間稼働、トラブル時のシステムの停止時間の短縮が求められている。一方でコスト低減や、人手不足による運用負担の問題もある。NECではそうした需要を受けて、2024年6月に「ftサーバ」の後継製品「高可用性サーバ」をリリースした。高可用性サーバは、内部部品をほぼ全て冗長化したミッドレンジモデルのR32Aaと、通常のラック型をベースに主要部品を冗長化しCPUやI/Oの可用性を高めたエントリモデルR32Baの2モデルを発表した(32Baは出荷開始済み、32Aaは2025年3月出荷開始予定)。
故障時は部材レベルの状況がNECの保守拠点に自動で連絡される「エクスプレス通報サービス」に対応。本サービスと全国300カ所を超える保守拠点により、システムの安定稼働をサポートする。
サーバーの利用料を月額固定/月額従量での支払いを可能とする「Express5800従量課金サービス」も提供している。月額での利用料の支払いといえば、レンタルやリースでの対応が主だったが、このサービスで新しい選択が増えることになる。このサービスには、保守サービスも含まれており、利用料の支払いだけでなく、契約面での効率化も図れる仕組みだ。
アプライアンスサーバーで付加価値を提供
Express5800では、本シリーズのリリース当初からアプライアンスサーバーに力を入れている。アプライアンスサーバーの具体例としては、DNSサーバーやDHCPサーバー、ファイルサーバー、複数のセキュリティ機能が統合されたUTM(Unified Threat Management )などが挙げられる。
NECでは、インターネット環境を支援する「InterSec」やIP電話機能を提供する「iExpress5800」、そのほか動画配信機能を提供する「Express5800/InternetStreamingServer」など時代のニーズに応じた多様なアプライアンスサーバーを製品化してきた。
その中でも現在、注目製品となっているのが入退室管理や見守り体制を強化する「顔認証アプライアンスサーバ」だ。本製品は、NECの顔認証のソフトウェアをインストールして提供している。ハンズフリーでの認証、マスク着用でも本人認証が可能で、衛生的な非接触型認証を実現する。勤怠管理システムなどとも連携可能で、ICカードの発行、入館登録の工数を削減できる。特定登録者は来訪を通知可能で、VIPの来場を素早くスタッフに知らせることにより、おもてなしサービスを提供できるだろう。これにより、一般企業から工場、スポーツジムなどの入退館管理や、小売店舗、病院、公共施設といった顧客対応など、利用者認証に関する業務を支援する。
クラウドで効率良くデータ管理
「ハイブリッドNAS for Wasabi Hot Cloud Storage」は、昨年11月から販売を開始している。本製品は、ファイルサーバーアプライアンス「iStorage NSシリーズ」にWasabi社のクラウドストレージ「Wasabi Hot Cloud Storage」のライセンスをセットにしたものだ。オンプレミスのファイルサーバーとクラウドストレージを連携する「Wasabi Cloud NAS」を利用することでオンプレミス上のファイルをクラウドストレージ上で保管できる。オンプレミス上のファイルは、指定した時間や条件に基づいて属性情報のみの状態で保持されるため、ストレージ容量を効率良く管理可能だ。ストレージの容量が不足しても、クラウドストレージの増設で対応できるため、増設ディスクの準備や作業時間などを時短化する。
オンプレミスとクラウド間はシームレスに連携しており、利用者はクラウドを意識せずにオンプレミスへアクセスでき、使い慣れたWindowsエクスプローラーでファイルを操作可能だ。また、本製品を一元窓口でサポートする体制も提供している。
Wasabi社のクラウドストレージは「容量」と「利用年数」で費用が決まる。そのため、クラウドストレージを導入したいが費用面に不安がある場合や、ファイルサーバーの容量に対して拡張性に不安があるといった課題を抱えている顧客に最適なソリューションだ。
Express5800は、サーバー販売を継続しながらも顧客のニーズを取り入れて、販売の仕組みやサポート体制、アプリケーション領域も含めた顧客への価値を追求、提供し続けている。NECの創業の精神である「ベタープロダクツ・ベターサービス」を製品の枠にとらわれず、体現する姿勢を貫いているのだ。
用途ごとにモデルを選択
Express5800では、Windows Server 2025にも対応する。2025年1月からサポートを開始予定だ。
Windows Server 2025のGPU管理機能「GPUパーティショニング」などを利用できる。
また、さまざまな用途に合わせて選択できる在庫モデルとしてダイワボウ情報システム(DIS)オリジナルモデルを豊富にラインアップしている。コストパフォーマンスを重視したい場合は、1Wayタワー型のエントリサーバー「T110m」、省スペース性を重視したい場合は、1Wayタワー型のスリムサーバー「T110m-S」、そのほかにもラックタイプの「R110m-1」、ファイルサーバー専用で活用する「iStorage NS100Tm」などから選べる。
その中でも2024年8月にリリースした「Express5800/T110mカスタマイズ対応モデル」は導入スピードの早さや機能の追加がしやすい点でお薦めだ。顧客のニーズに応じてメモリーやHDD増設、電源冗長化といった構成変更も可能だ。サーバー本体や増設用オプションを在庫しているため短納期で提供できる。DISオリジナルモデルの一部を対象に、新春キャンペーンを実施している。
新たな時代のニーズや最新のWindows Serverに対応し続けるExpress5800を提案しよう。
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Windows Server 2025 : Modernize and prepare for the future