デル・テクノロジーズのVxRailでITインフラの最適化を実現!
Dell Technologies × Village of IZumiZaki
東京から約200km離れた福島県南部に位置する泉崎村。人口6,000人ほどの小さな村で、周囲は山林や田畑などの自然豊かな景色が広がる。そんな泉崎村で、新しい技術を積極的に取り入れながら庁内のデジタル改革を進めているのが泉崎村役場だ。今回、新たな試みとしてデル・テクノロジーズのハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)「VxRail」の導入を行った。その理由や導入効果などについて泉崎村役場を取材した。
ダウンタイムを最小限に抑えたい
ITインフラの基盤として、多くの企業や自治体で当たり前のように用いられるようになった仮想化技術。泉崎村役場においても、サーバー、SANスイッチ、ストレージの3層(3Tier)構成の仮想化環境を構築していた。しかし、運用している中で不安があったという。
「以前、2台あるうちの1台のサーバーがダウンしてしまい、復旧までに長い時間を要しました。業務に支障を来す心配もあったため、本村役場のサーバーやネットワーク構築を担当するエヌケー・テックさまに、ダウンタイムを短くできないかとリプレースの際に相談しました」と泉崎村役場の有賀直樹氏は振り返る。
「当初は今まで通り、3Tier構成での更新を考えていましたが、泉崎村役場さまの話を受けて解決策を探しました。また、今回はネットワーク全体のリプレースや自治体情報セキュリティクラウドの移行といった複数の案件が重なる時期で、それらに合わせて短期間での導入が必要とされました」とエヌケー・テックの山﨑 充氏は話す。
そこでデル・テクノロジーズから提案されたのが、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)の「VxRail」だった。VxRailは高い性能と信頼性、柔軟なスケーラビリティを備えた先進的なインフラ環境を簡単に確立できる同社の主力製品の一つだ。すでに1万3,300社以上の企業に、17万7,000ノード以上が導入されており、その勢いはさらに増すばかりだという。「泉崎村役場さまへの導入は機能面だけではなく、短納期というスピード感も求められていました。昨今の半導体不足による影響を受けてはいるものの、当社ではHCI製品に関して優先的な生産を行っており、安定して提供できます。機能面とスケジュールの両方の要件を満たす製品がVxRailでした」とデル・テクノロジーズの酒田淳一氏はアピールする。実際、世界的に半導体不足が深刻な状況の中2021年11月末に発注、12月中旬に納品という短納期での対応を実現させている。
構築サービスで販売店の負担を削減
泉崎村役場では現在5台(ノード)の「VxRail E560」が稼働している。「当社のシステムエンジニアによるシミュレーションで、VxRailは4ノード構成で始めるのが最も安定して運用できるという結果が得られています。拡張性が高いため、スケールアウトにも柔軟に対応可能です。泉崎村役場さまにおいても、4ノードから始め、システムの追加で1ノードを増設しました」(酒田氏)
VxRailの構築にはディーアイエスサービス&ソリューションがキッティング作業を担う「VxRailインプリメントサービス」を利用した。「普段は自ら構築や工事を含めて行っていますが、ディーアイエスサービス&ソリューションさまのサービスを活用することで、私自身の負担が大きく減りました。ほかの案件も同時進行で動いていたため、他作業に力を注げたことは大きなメリットでした」と山﨑氏は話す。
VxRail導入後からは、さまざまな効果が得られている。「VxRailには、『vSphere HA』というサーバー停止時に自動的に別のサーバーで仮想マシンを再起動する機能が搭載されています。ダウンタイムを最小限に抑えられるため、課題解決へとつながりました。障害が発生した場合の万が一の備えとしても安心です」と山﨑氏は話す。そのほかにも、サーバーのパフォーマンス向上によるレスポンスの速さなど驚くほどの導入効果を実感しているという。
最後に有賀氏は今後への期待を込めて「デル・テクノロジーズさま、エヌケー・テックさま、ディーアイエスサービス&ソリューションさまと共に自治体DXの推進に向けて、取り組みを進めていきたいと考えています。新しい技術を積極的に取り入れていくことで、先進的な自治体へと発展させていきます」と語った。
VxRailと VxRailインプリメントサービスの魅力とは?
Dell Technologies × DIS Service & Solution
デル・テクノロジーズとディーアイエスサービス&ソリューションの担当者が語る!
泉崎村役場の新しいITインフラの基盤としてさまざまな導入効果をもたらしたVxRail。機器の設置作業では、ディーアイエスサービス&ソリューションのVxRailインプリメントサービスによってVxRailのスムーズな構築を実現し、担当者の負担の軽減へとつながった。VxRailとVxRailインプリメントサービスについて、デル・テクノロジーズとディーアイエスサービス&ソリューションの担当者に伺い、その魅力をさらに深掘りしていく。
VxRailの需要拡大に期待
コスト削減、運用管理の負荷低減、災害対策などさまざまなメリットをもたらすストレージ基盤として注目が高まるHCI。今では各社から多種多様なHCI製品が登場している。もちろんデル・テクノロジーズも同様にHCI製品の展開に力を入れており、顧客のニーズに見合った豊富なラインアップをそろえる。その中の一つが「VxRail」である。
「VxRailは、当社とヴイエムウェアさまの共同開発によって生まれました。デル・テクノロジーズの『PowerEdge』をベースとした筐体に、ヴイエムウェアさまのプロダクトであるサーバー仮想化ソフトウェアの『VMware vSphere』とストレージ仮想化ソフトウェアの『VMware vSAN』を一体化させたアプライアンスです。デル・テクノロジーズ+ヴイエムウェアさまといえばVxRailと言ってもらえるくらい認知度の高い製品だと自負しています」とデル・テクノロジーズの筒井昭夫氏は話す。
VxRailに対するニーズの高まりは、IDCが2022年6月に公表したHCI市場のグローバル調査「IDC Quarterly Converged Systems Tracker,2022-Q1」からも見て取れる。調査結果によると、2022年第1四半期におけるHCI市場は全体で約23億2,700万ドル。デル・テクノロジーズはそのうちの39%のシェアを獲得した。「当社が販売するHCI製品をラインごとに分類した調査結果では、2022年第1四半期の売上高:約8億9,900万ドルのうち、約5億4,500万ドルをVxRailが占めました。デル・テクノロジーズにとってVxRailは主力製品であり、需要の拡大はこれからも続いていくでしょう」と筒井氏は説明する。
2021年11月、2016年からデル・テクノロジーズの傘下だったヴイエムウェアのスピンオフが完了し、両社はそれぞれ独立した企業となった。資本関係はなくなったものの、スピンオフ後もソリューションの共同開発や販売・マーケティングの連携など、戦略的な関係を維持していく計画だ。「ヴイエムウェアさまとは非常に強固な関係を築いており、VxRailはその根幹を担っています。昨今は、マルチクラウドやハイブリッドクラウドを取り入れる企業が増えており、その基盤に最適なのがVxRailです」(筒井氏)
導入期間を大幅に短縮
VxRailの魅力の一つが、システムの導入時間を大幅に短縮できることだ。「VxRailは仮想基盤に必要なコンポーネントが全てインストールされており、かつ事前検証済みの状態で提供されます。これにより、一から仮想基盤を作り上げていく場合と比べて、導入期間の大幅な短縮が可能です。構築にかける工数を極限まで減らし、他作業に時間を割り当てることができます」と筒井氏はアピールする。
酒田氏は「泉崎村役場さまの事例でもあったように、短期間で導入したいというお客さまにとって、導入スピードの速さはVxRailの強みです。半導体不足の影響はありますが、優先的な生産を行うことで、納期をずらすことなく、短納期での対応を実現しています」と続ける。
仮想基盤では、サーバー、ストレージ、仮想化ソフトウェアなど、管理すべきコンポーネントが多く運用も煩雑になりがちだ。VxRailでは全てのコンポーネントが一つのアプライアンスに統合されているため、管理ツール「VxRail Manager」によってアプライアンス全体を一括管理できる。クラスターのデプロイ・アップグレード・監視・保守などをVxRail Managerから簡単に行えるため、運用担当者の負担や手間が少ない。
OSブート用に最適化されたストレージデバイス「BOSS」(Boot Optimized Storage Solution)を搭載していることも特長だ。同社ではBOSSの冗長化で信頼性を高めるとともに、トラブル発生時のオンライン交換に対応。耐久性・耐障害性だけでなく、運用保守面でも大きなメリットがあるブートデバイスの存在も重要な要素になっている。
手厚いサポート体制
導入後のサポート体制の良さもVxRailが選ばれる理由となっている。「デル・テクノロジーズでは、全てのサポート窓口を一つに統合しています。他社では、サーバーの問題はサーバー専用、ソフトウェアの問題はソフトウェア専用というように複数のサポート窓口を設けているケースも多くみられます。複数のサポート窓口をたらい回しにされてしまい、問題解決までに時間を要することもあるでしょう。当社のサポートであれば、お客さまを煩わせることなく、迅速に問題を解決します。ヴイエムウェアさまとの統合サポート体制を構築しているので、我々が解決できない問題はヴイエムウェアさまにお願いするという連携も取れています。お客さまに寄り添ったサポート体制で高い評価をいただいています」と筒井氏は説明する。
さらに同社では、テクニカルアカウントマネージャー(TAM)が保守サービスを行う「ProSupport Plus」を用意している。ユーザーのシステム構成・ファームウェアの情報・障害発生状況を定期レポートとして提供したり、リモートツールによる障害の自動検知・対応を行ったりするなど手厚いサポートが受けられる。
「VxRailの柔軟な拡張性もお客さまから喜ばれるポイントです。ディスクグループへのディスク追加、ディスクグループそのものの追加(スケールアップ)、ノードの追加(スケールアウト)といったディスク拡張が運用中でも容易に行えます。泉崎村役場さまにおいても、4ノードから始めて、ノードの追加を実施しましたが不具合なく運用できています。スモールスタートから始められるため、VxRailを検討しているお客さまにぴったりです」(酒田氏)
顧客に寄り添うサービス
泉崎村役場の導入事例でのもう一つの目玉がディーアイエスサービス&ソリューションの「VxRailインプリメントサービス」である。「基本メニューは二つあります。導入前のヒアリングと当社のキッティングセンターで事前にキッティングを行って出荷する『事前キッティング』と、VxRailをラッキング・ケーブリングして、梱包材の回収まで行う『事前キッティング+オンサイト作業』です。スイッチの設定やUPSの設定、バックアップの設定といった作業を行うオプションメニューも展開しています」とディーアイエスサービス&ソリューションの津田雅俊氏は説明する。
泉崎村役場では、事前キッティング+オンサイト作業にUPS設定のオプションを追加したメニューで構築を行った。さらにディーアイエスサービス&ソリューションは上記のメニューに加えて、販売店(エヌケー・テック)に向けて別枠でオプションメニューを作成したという。
「通常のオプションメニューにはありませんが、今回は特別にエヌケー・テックさまに向けて、VxRailの運用方法を100ページ程度にまとめた『手順書』をオプションで作成しました。それに併せて保守担当者への勉強会を実施。『VxRailとは何か』といった製品説明から『ハードディスクに障害が起きたときはこういう手順で交換してください』といった障害時の対策まで詳細に伝えました。このメニューはお客さまから特に好評だったため、販売店さま向けの勉強会については今後展開していきたいと考えています」と津田氏は振り返る。
「当社でもVxRailの構築サービスを提供していますが、泉崎村役場さまの予算なども考慮し、ディーアイエスサービス&ソリューションさまの構築サービスを提案しました。勉強会の話も含めて、臨機応変に対応できるディーアイエスサービス&ソリューションさまのサービスは改めて素晴らしいと実感しています。価格も抑えて導入することができ、お客さまにも喜んでいただけて、VxRailの良い成功事例となりました」と酒田氏は手応えを語る。
「HCIは価格や運用面での負担など導入のハードルが高いといったイメージがあるかもしれません。しかし、VxRailはスモールスタートも可能ですし、パッチの提供や当社とヴイエムウェアさまのサポート体制で導入後の負担を格段に抑えられます。もちろん、構築の際にはディーアイエスサービス&ソリューションさまのVxRailインプリメントサービスがあります。新しいITインフラ基盤として、さらにはクラウドとの架け橋として、VxRailをお薦めします」と筒井氏は期待を込めた。