DXを背景に企業が扱うデータ量は爆発的に増加
データ活用のためファイルサーバーをクラウド移行する企業が45%まで増加

従業員の生産性向上を目的にハイブリッドワークを実施する企業は多い。IDC Japanが2023年1月18日に発表した「国内エッジインフラ市場予測」によると、全世界のデータ量は年々急激に増加し、2026年には221ゼタバイトになる予測だ。データ量が増加し続ける中、その有効活用やバックアップ、情報漏えい対策が企業にとって大きな課題になっている。それを解決するのは、分散したデータを集約し、企業のセキュリティポリシーにのっとった運用を可能にするクラウドストレージ移行だ。ダイレクトクラウドでは2023年3月に「クラウドストレージ利用状況」を調査し、最新のクラウドストレージ導入における企業の課題と解決策を明らかにした。

ダイレクトクラウド
営業部
部長
長門慶悟
ダイレクトクラウド
営業部
パートナーセールスチーム
マネージャー
日比野 明
ディーアイエスサービス&ソリューション
クラウドサービスグループ
エキスパート
荒木邦洋

近年DXに取り組む企業が増え
脱ファイルサーバーが加速

 ダイレクトクラウドは、2023年3月に情報システム関連部署の従業員330名を対象に「クラウドストレージ利用状況」の調査を実施した。

 調査内のクラウドストレージの利用状況を尋ねた設問では、自社でクラウドストレージを使用しているという回答が48.3%だった。この回答結果となった背景を、ダイレクトクラウド 営業部 パートナーセールスチーム マネージャー 日比野 明氏は次のように語る。「近年、業務効率化、コスト削減、生産性向上を目的にDXに取り組み、クラウドストレージに移行する企業が増加しています。具体的には『ファイルサーバーの管理に手間がかかる』『ハイブリッドワークに対応できない』『セキュリティに問題がある』『データを有効活用できない』などの問題を解決するため、脱ファイルサーバーが加速しています」

導入目的で最も多い回答は
「脱ファイルサーバー」

 こうした背景を踏まえ、クラウドストレージの導入目的において最も多い回答は「脱ファイルサーバー(ファイルサーバーのクラウド移行)」で45.1%だった。昨年(2022年3月実施)の調査では33.9%で、11.2ポイント増の結果となった。脱ファイルサーバーが伸長した理由を、日比野氏はこう説明する。「コロナ禍でハイブリッドワークが推進されたことに加え、旧来のファイルサーバー・NASをクラウドに置き換えて運用管理の負担を削減しながら、クラウド主体でデータ活用を積極的に行い、業務効率化や生産性向上を図る企業が増えています。また、2023年10月のWindows Server 2012/2012 R2の延長サポート終了もこの脱ファイルサーバーを後押ししています」

セキュリティに次いでコストが
クラウドストレージの新たな選定ポイントに

 では、クラウドストレージの選定でユーザー企業が重視するポイントは何か。最も多かった回答は「セキュリティ(可用性、機密性、完全性)」で、62.9%となった。次いで多かったのが「コスト」で、62.4%であった。今年の調査ではコストが上位の回答に挙がったことから、クラウドストレージを選定する際のコスト意識が今まで以上に高まっていることが伺える。

 ダイレクトクラウドの法人向けクラウドストレージ「 DirectCloud 」は、高まるコスト意識のニーズに応えられると話すのは、ダイレクトクラウド 営業部 部長 長門慶悟氏だ。長門氏は「DirectCloudはユーザー数無制限で利用でき、定額料金でサービスの利用が可能です」と特長を語る。続けて、ダイワボウ情報システム(DIS)の販売パートナーからクラウドストレージや業務効率化に関するソリューションの提案について相談を受けるディーアイエスサービス&ソリューション クラウドサービスグループ エキスパート 荒木邦洋氏は「従業員の増減が発生しても、一定のコストで使い続けられ、使わない人がいても無駄がないので、提案がしやすいです」と優位性を強調する。

 DirectCloudはセキュリティも強固だ。「DirectCloudは、ユーザーID、接続端末、IPアドレス、ファイルを利用シーンと企業のセキュリティポリシーに応じて厳格かつ柔軟に設定することで、場所を問わず組織の垣根を越えてデータファイルを活用できます」(長門氏)

昨年の調査から高いニーズがある
使いやすさも選定の鍵に

 選定ポイントではコストとセキュリティに加え、「使いやすさ」も49.8%と上位の回答に入っている。昨年の調査では50.9%で1.1ポイント減の結果となったが、依然として高いニーズがあることが分かる。

 日比野氏は「DirectCloudは、エクスプローラーで操作可能なファイルサーバーと同様の操作性を実現しています」とDirectCloudの使いやすさをアピールする。荒木氏は「DirectCloudはエクスプローラーから操作できるので、RPAとの連携も容易です。どのような用途でも使いやすいため、脱ファイルサーバーを行いたい方のほか、多様な課題を持ったお客さまに薦めやすいです」と話す。

「自動化・省力化・効率化」の実現で
DXをサポートするDirectCloud

 今回の調査結果を踏まえ、荒木氏は「さまざまな案件に対応する中で、クラウドストレージを日常的に利用する人が増えているのを実感しています」と語る。続けて「DirectCloudはAPI連携が行えるので、今後は自社システムと連携させたいというニーズが出てくるでしょう。また、間もなく日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が実施する電子帳簿保存法に関する認証制度『JIIMA認証』も取得予定で、これからは改正電子帳簿保存法の対応を行いたいお客さまにも提案できると考えています」とDirectCloudへの期待を語る。

 続けて日比野氏は「蓄積データの分析・活用を止めないためにも、脱ファイルサーバーの流れはより大きくなるでしょう。最近はChatGPTなどのAI活用も具体化し始め、企業のデータ活用は『省力化・効率化・自動化』というDXの本質により近づいています。そこで我々も、保存されているドキュメントをより活用するための『DirectCloud AI』の開発や、帳票をデータ化する『デジパス』との連携と、お客さまのデータ活用を強くサポートできるサービス提供に取り組んでおります」と意気込みを話す。

 最後に長門氏は「現在DirectCloudは中堅中小企業のお客さまが中心ですが、今後は大企業までターゲットを広げたいです。DISさまと共に、さらに多くの販売チャネルを開拓していきます」と今後の展望を語った。