米マイクロソフトのイベント「Microsoft Inspire」のトピックスを紹介！

今回は、7月18〜19日にマイクロソフトのパートナーさま向けイベント「Microsoft Inspire」（以下、Inspire）が開催されました。今回のInspireでは40以上の新しいアップデートを発表しましたが、本稿では、Azureに関連するトピックスについて紹介します。当社の刷新されたパートナープログラムやAI特典などを活用することで、パートナー企業さまへのAzureの提案・拡販促進やアプリケーション開発事業の促進に大いに役立てられるでしょう。

　マイクロソフトの新年度のパートナーさま向けイベントである「Microsoft Inspire」では、Azureや当社製品の活用に関わるプログラムなど数多くの発表がありました。

　その一つが、新たな「Microsoft AI Cloud Partner Program」の一般提供を開始したことです。同プログラムはマイクロソフトのパートナープログラムの次世代版であり、全てのパートナーさまが、マイクロソフトのツールやサービスに直接AI機能を組み込んだ「Microsoft AI」とMicrosoft Cloudを活用して顧客価値を提供できるように支援していきます。 現在パートナープログラムに加盟いただいているパートナーさまは、新しいプログラムに移行するための具体的な手続きをすることはなく、既存の特典などを保持したまま新しいプログラムに移行されています。

　次に、マイクロソフトのコマーシャルマーケットプレイスへの新しい戦略的投資を発表しました。最近、共同販売をマーケットプレイスに統合し、現場のセールス担当者が皆さまと一緒に販売をサポートする体制を整えました。また、マルチパーティのプライベートオファーなどの新機能も引き続き導入していきます。

　マーケットプレイスの推進に向けた支援施策として「ISV Success」の一般提供も発表しました。こちらについては、詳細を後述にて紹介します。

　既存のアプリケーション、データ、インフラ基盤をAzureに移行・モダナイズする案件に向けたプログラムである「Azure Migrate and Modernize」と、Azure上で新しいソリューションを構築し、ビジネスの次の成長時代を加速するための技術ブログである「Azure Innovate」への投資拡大を発表しました。

　これらは、Azureによるお客さまのエンドツーエンドのクラウド移行を加速するためのパートナーさま向けプログラムとして提供しています。

　具体的な活用シナリオとしては、「インフラストラクチャおよびデータベースの移行」、「エンタープライズアプリの移行」、VDIの「Azure Virtual Desktop」や「Microsoft Azure を利用した分析」、「AI アプリの構築とモダン化」などがあります。 2024年度のアップデートとしては、「Partner-led」と呼ばれるパートナーさま主導のプログラムが提供されることになり、Web上の「マイクロソフト パートナー センター」からオンラインで処理が完結できるようになります。

　なお、Azure Migrate and ModernizeとAzure Innovateを利用するためには、各シナリオで指定されている「Specialization」を取得していただく必要があります。Specializationは、顧客のビジネスについて理解し、最適なクラウド活用の提案ができる企業であることを、第三者機関が客観的に審査した上で取得できる認証となっています。

　昨年プレビュープログラムとして発表されたISVパートナーさま、SaaSプロバイダーさま向けの「ISV Success Program」は「ISV Success」として一般提供を開始しました。ISV Successは、製品とクラウドの特典、サンドボックス環境、アプリケーションを構築して公開するための技術コンサルティング、アプリケーション公開後、マイクロソフトの「Azure Marketplace」などのコマーシャルマーケットプレイスを通じた取引を加速するために役立つセールスとマーケティングの特典を提供します。

　こちらに加え、今回アップデートされたいくつかの特典から二つご紹介します。一つ目は、複数年の投資です。ISV Successで最初の1年を終えると、引き続き、割引で特典を受けられます。 この特典は、アプリケーションの開発、公開、販売を継続し、ビジネスの持続的な成長を確保するために設計されています。

　二つ目は、AI活用に関する特典です。ISV Successに参加しているパートナーさまは、「GitHub Copilot」とAIによるコードの提案を活用して、アプリケーションの開発をより迅速に行えます。この特典は2023年末までに提供される予定です。そのほかの特典などを確認したい方は、下記QRコードより当社のブログ記事をご確認ください。

　また、MetaとマイクロソフトはAzure上で「Llama 2」ファミリーの大規模言語モデルをサポートすることを発表しました。Llama 2は、開発者と組織が生成型のAIパワードエクスペリエンスを構築できるように設計された言語モデルです。Azure AIモデルカタログに Llama 2を追加することで、お客さまにモデルの選択肢をさらに提供しており、以前からOpen AIや Hugging Faceなどのサポートを発表していました。

　それが今回、Metaとの協力で、コマーシャルカスタマー向けに新しいバージョンの Llama 2を初めて提供できることをとても楽しみにしています。今やお客さまは、7B、13B、70Bのパラメータを持つ Llama 2モデルを簡単かつ安全にAzure上で微調整して展開できるようになっています。

　今月号では、Microsoft Inspire で発表されたAzureに関連するトピックスを紹介しました。Azure以外では大規模言語モデル（LLM）の活用を助ける「Microsoft 365 Copilot」に関する発表もあり、広く提供開始される際には、Microsoft 365 E3、E5、Business Standard、およびBusiness Premiumの顧客に対して1ユーザー当たり月額30ドルで利用可能になります。

　さて、多くの発表があったMicrosoft Inspireを見逃してしまった方、もう一度セッションを視聴されたい方に朗報です。下記のQRコードへアクセスいただき、セッションカタログを閲覧して、セッションを受講できます。本稿で紹介できなかったアップデート情報もありますので、ぜひ最新情報を入手して、皆さまのビジネスにお役立てください。