さくらのクラウド、ガバメントクラウドに採択

ガバメントクラウド

 11月28日、デジタル庁が進める「ガバメントクラウド整備事業に係る検証作業等」(以下、ガバメントクラウド)において、国産事業者として初めてさくらインターネットのIaaS型クラウド「さくらのクラウド」が対象となった。

 ガバメントクラウドとは、国と地方自治体が共同で利用するクラウドサービスの利用環境だ。クラウドサービスを活用することで、迅速、柔軟、かつセキュアでコスト効率の高いシステムを構築し、利用者にとって利便性の高いサービスを提供することで、業務を改善していくことを目標としている。

 ガバメントクラウドの対象となったさくらのクラウドの特長は三つある。一つ目が構築スピードだ。ブラウザーのコントロールパネルからサーバーを作成できるため、リードタイムの短縮を実現する。

 二つ目が信頼性の高い基盤だ。サーバー上で障害が発生したときに自動で待機システムに切り替わる「フェールオーバー」機能により、ほかのサーバー上で仮想サーバーが自動復旧する。障害発生におけるリスクを回避できるのだ。

 三つ目が高い操作性だ。直感的で分かりやすいUIのコントロールパネルを備えている。加えて、サーバーやスイッチがどのように接続されているか分かる「マップビュー」や、仮想サーバーを直接操作できる「リモートスクリーン」といったインフラ管理が容易に行える機能を搭載している。

 今回さくらのクラウドは、ガバメントクラウドへの条件付き採用という形で対象になった。2025年度末までに必要な全ての技術要件を満たすことを同社が提案し、デジタル庁が計画も含めた提案の妥当性を確認できたことから、提案の達成を条件に採択された。同社がガバメントクラウドとしてサービスを提供開始できるのは、全ての技術要件を満たした後になる。同社 代表取締役社長 田中邦裕氏は「完遂させる覚悟を持って取り組みます」と語っている。

マイクロソフトとの連携を強化

 ガバメントクラウドに必要な全ての技術要件を満たすために、同社はさくらのクラウドの開発を強化する。さらに、周辺機能の一部はマイクロソフトをはじめとしたサードパーティー製品を用いて開発を行うという。田中氏は「一部の機能においてはマイクロソフトさまとのパートナーシップにより、グローバルで利活用されるテクノロジーにて充足させることとなりました」とマイクロソフトとのパートナーシップを強める意向を示している。

 日本マイクロソフト 執行役員 常務 パブリックセクター事業本部長 佐藤亮太氏は、さくらインターネットとのパートナーシップについてこう語る。「今後もガバメント領域に限らず、さまざまな分野で引き続きパートナーシップを強化し、日本のクラウドビジネスを加速させていきます」