デル・テクノロジーズ
Latitude 7350 Ultralight

デル・テクノロジーズの13.3インチノートPC「Latitude 7350 Ultralight」は、CPUにインテル Core Ultra プロセッサーを採用したAI PCだ。16:10のアスペクト比のモニターを備え、本体の最小重量は約990gを実現している。日本市場で高い評判を得ているLatitude 7350 Ultralightは、ハイブリッドな働き方にフィットする1台だ。マイクロソフトの対話型AIアシスタント機能「Copilot in Windows」をワンタッチで呼び出す「Copilotハードウェアキー」も搭載した本製品は、5年先まで見据えたビジネス用途にどのように応えてくれるのか、その魅力と可能性をレビューする。
text by 森村恵一

AIを活用できる実用十分な性能

 AI PCで求められるNPU(Neural network Processing Unit)の性能を示す指標に、システムが1秒間に実行できる演算回数を1兆回単位で表す「Tera Operations per Second」(TOPS)がある。そして「Latitude 7350 Ultralight」に採用されている、CPUとGPUに加えてNPUも搭載したインテル Core Ultra プロセッサーは、NPU単体で11TOPSを提供する。こうした性能を発揮するLatitude 7350 Ultralightは、今回レビューしてAIアプリケーションを使用するのに実用十分なパワーがあると感じた。

 実際にLatitude 7350 Ultralightで、AIが映像や音声に効果を適用する「Windows Studio Effects」を快適に使用できた。Windows Studio Effectsでは、視線が常にカメラに合うよう調整する「アイ コンタクト」や、背景にぼかしをかける「背景ぼかし」などの機能を利用可能だ。

 特にアイ コンタクトは、顧客が自社でWebセミナーを開く際に有用な機能だ。カメラに視線を合わせ続けることが可能になり、カンニングペーパーを見るために目線が下を向いてしまうことがない。そのため、セミナーを受けている相手にしっかりと自信を伝えられる。自社製品の魅力を話す場合に、より良い印象を与えることができ、セミナーの成功につながっていく。

Web会議を快適にするタッチパッド

 Latitude 7350 Ultralightは、超軽量ノートPCとしての使い勝手にも優れている。約990gの非常に軽い筐体に、大きくて使いやすいタッチパッドを備え、マウスなしでも快適に操作が可能だ。本体サイズは幅299×奥行き212.9×高さ(背面)17.75mmで、通勤用のかばんにすんなりと入る。本体の軽量さと併せて、職場やコワーキングスペースなど、さまざまな場所に持ち運びやすい1台だ。

 インターフェースはThunderbolt 4対応のUSB Type-Cを二つ、USB 3.2 Gen 1を一つ、HDMI 2.1を一つ、オーディオジャックを一つ、セキュリティロックスロットを一つ搭載。さらにモニターは16:10のアスペクト比を採用し、16:9のノートPCと比べると少し縦が長い仕様になっている。縦に長い分、WordやExcelを使う際の編集可能な範囲が広がり、生産性の向上に貢献する。

 注目のCopilotハードウェアキーは、右側のCtrlキーの位置にある。確かにノートPCを使っていると、右側のCtrlキーを押す機会はほとんどなかったので、この位置がCopilotハードウェアキーになっても不便さは感じない。Windows 11であればタスクバーにあるCopilotアイコンをクリックしてもCopilot in Windowsを表示できるが、一つのキーを押すだけで呼び出せるようになると、便利さは向上する。

 加えて、Latitude 7350 Ultralightが人気を集めているもう一つの秘密は、Web会議で頻繁に使用するアイコンを配置した「コラボレーション タッチパッド」にある。コラボレーション タッチパッドは、ZoomやTeamsでの通話中に表示されるタッチパッド上のアイコンだ。左からWebカメラのオン/オフ、画面共有、チャット表示/非表示、マイクのオン/オフと並ぶ。タッチパッドでマイクのオン/オフなどを手早く操作できる優れたアイコンで、デモンストレーションを体験したビジネスユーザーは、Latitude 7350 Ultralightのファンになるという。

 もともと上位モデルのLatitude 9000シリーズに搭載されていた機能だったが、Latitude 7000シリーズにラインアップされる本製品にも搭載した結果、ユーザーから高い評価を得ているという。ZoomやTeamsを使ったWeb会議はもはや日常的な風景となっているだけに、マイクやWebカメラのオン/オフを手元で素早く操作できるコラボレーション タッチパッドは、一度使い慣れてしまうと手放せなくなるだろう。

Copilotハードウェアキーを使えば、ワンタッチでCopilot in Windowsを呼び出せる。
Webカメラやマイクをオフにすると、コラボレーションタッチパッドのアイコンが赤くなる。

5年先まで使えるAI性能の将来性

 Windows 10のサポート終了を2025年10月14日に控え、コロナ禍が始まった2020年ごろに導入されたノートPCのリプレースが、これから一気に加速していく。そうした需要を捉えて次のノートPCを提案していく上で、AI PCのLatitude 7350 Ultralightは、かなり魅力的な1台だ。

 多くのユーザーがAI PCへの興味を高めている中で、Latitude 7350 Ultralightはユーザーの期待に応えられるだけのAI性能を提供している。さらにAIが進歩していくであろうことを踏まえると、これからのノートPCはNPUが必須となる可能性が高い。そうした3年先、5年先を見据えたときに、AI性能を備えたPCへのリプレースは、ビジネスの将来を予見する投資といえる。