ジャイアン鈴木の「仕事が捗るガジェット」 - 第16回
過剰なまでのタフネス性能を売りにしたAndroidスマホ「CAT S40 SMARTPHONE」
オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパン「CAT S40 SMARTPHONE」
どんな人にでも必需品であるスマートフォンは、職種によっては非常に過酷な環境で使用されることがあります。建設業、農業、林業、漁業など多様な職種においては、一般的な防水・防塵スマートフォンではあっという間に壊れてしまうことになりかねません。そこで今回は、過剰なまでのタフネス性能を売りにしたAndroidスマートフォンをご紹介します。
文/ジャイアン鈴木
過酷な環境での使用を想定した機能を搭載
オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンが販売する「CAT(キャタピラー)」ブランドの「CAT S40 SMARTPHONE」は、防水・防塵・堅牢ボディーのタフネス系Androidスマートフォンです。米国国防省の調達基準である「MIL-STD-810G」に準拠しており、水面下1メートルで60分耐える防水性能、粉塵に対する完全な防護性能、1.8メートルの高さからの落下に耐えうる堅牢性、マイナス25℃からプラス55℃で動作する温度耐久性能、耐振動性能などを備えています。
タフネススマホというと非常にゴツい製品を思い浮かべますが、CAT S40はそれほど極端なサイズ、重量ではありません。本体サイズは144.9(H)×74.08(W)×12.45(D)mm、重量は185g。たとえば同じ4.7インチディスプレイを搭載するiPhone 8が138.4(H)×67.3(W)×7.3(D)mm/148gなのですから、個人的には十分許容範囲です。
本製品を試用していて驚かされたのが、本体右側面のカバーを開けると警告メッセージが表示されること。意図せずカバーが開いてしまうような構造にはなっていませんが、万が一カバーを開けてしまっても警告メッセージで知らせてくれます。起動時にカバーをしっかり閉めるようにと警告する端末は多いですが、カバーが開くのを検知・警告する端末は珍しいですね。
CAT S40の売りはタフネス性能だけではありません。建設業、農業、林業、漁業などの作業中には手袋・グローブなどを装着していることが多いですが、機能やアプリを割り当てられる「プログラマブルキー」や、手袋・グローブを装着したままで操作できる「グローブモード」が用意されています。
たとえば頻繁に現在位置をチェックする必要があれば「マップ」を、定期的に写真を撮影しなければならないのであれば「カメラ」をプログラマブルキーに登録しておけば、素早く目的のアプリを起動できるわけです。
一方、割り切りが必要な点もあります。まずはパフォーマンス。CAT S40はSoCがQualcomm MSM8909(クアッドコア、1.1GHz)、メモリーは2GB、OSはAndroid 5.1とスペック的には最新スマートフォンより見劣りします。
定番ベンチマークソフト「Geekbench 4」のスコアはSingle-Core Scoreが410、Multi-Core Scoreが1011と2017年に発売されている端末としては決して高くありません。
またリアカメラは800万画素、フロントカメラは200万画素というスペックですが、作業で使う程度なら十分な解像度でしょうか。実際撮影してみましたが、ちょっと赤味が強いようですが、作業報告で使うのであれば、厳密なホワイトバランスは必要ないでしょう。
とは言え、どんなに性能の高いスマートフォンであっても壊れてしまえば、ただの板。このスマートフォンで3Dゲームをするわけでもないので、メールや業務用アプリが動作するぶんには、必要十分な性能ではないでしょうか。これまで過酷な環境で端末が壊れたり、大事なデータを失ってしまったりした経験のある方には、CAT S40は頼もしいパートナーとなってくれることでしょう。
筆者プロフィール:ジャイアン鈴木
EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで編集兼ライターとして勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始しました。