ジャイアン鈴木の「仕事が捗るガジェット」 - 第32回

ケーブル1本で映像出力&電源供給できるUSB PD対応23.8型ディスプレイ


フィリップス「241B7QUPBEB/11」 実売価格3万2000円前後

現在、PCとディスプレイを接続する端子は複数存在します。いまからディスプレイを購入する場合、特に注目していただきたいのがUSB Type-C端子の存在。ノートPCが対応していれば、USB-Cケーブル1本でディスプレイに映像を出力しつつ、ノートPCにも電源供給可能なのです。今回はそんなUSB Type-C対応ディスプレイ「241B7QUPBEB/11」の使い勝手をレビューします!

文/ジャイアン鈴木


1本のUSB Type-Cケーブルを接続するだけ、ACアダプターが不要に!

フィリップス「241B7QUPBEB/11」は、USB Type-C端子を備えた23.8型フルHD IPS液晶ディスプレイです。本体サイズは541×527×257mm、重量は5.72kg。本体背面には、VGA×1、DisplayPort 1.2×1(入力)、DisplayPort×1(出力)、HDMI 1.4×1、USB Type-C 3.1 Gen 2×1、USB 3.0×2、有線LAN×1、PCオーディオ入力×1、ヘッドフォン出力と豊富なインターフェースが用意されています。

本体前面

本体背面

本体端子部。左からHDMI 1.4×1、DisplayPort 1.2×1(入力)、USB Type-C 3.1 Gen 2×1、USB 3.0×2、有線LAN×1、VGA×1、DisplayPort×1(出力)、PCオーディオ入力×1、ヘッドフォン出力、電源端子が配置されています

本製品はアクセサリーが非常に充実しています。スタンド、アーム、ACアダプター、電源ケーブル、USB Type-Cケーブル、HDMIケーブル、DisplayPortケーブル、USB Type-A to USB Type-Cケーブル、VGAケーブル、オーディオケーブル、マニュアル類が同梱されています。別途ケーブルを用意する必要はありません

USB PD、DisplayPort Alt Modeに対応したUSB Type-C端子を装備

本製品のキモは、USB Type-C端子が、電源供給規格「USB Power Delivery 2.0」と映像出力規格「DisplayPort Alt Mode」をサポートしていること。USB Power Deliveryとしては最大65W(5V 3A、7V 3A、9V 3A、12V 3A、15V 3A、20V 3A)の電源供給に対応しているので、ノートPCから映像を出力しつつ、そのノートPCを充電可能です。

 またUSBハブ機能も備えているので、241B7QUPBEB/11に外部ストレージやキーボード、マウスを接続しておけば、ノートPCにUSB Type-Cケーブルをつなぐだけですべての周辺機器が使えるようになります。つまりディスプレイがドッキングステーション機能を備えているわけですね。一度使ったら手放せなくなるぐらいお手軽ですよ。

ACアダプターは、入力100-240V~1.5A、出力20V 6.0A、容量120Wと、23.8型ディスプレイとしては大容量タイプが採用されています。ディスプレイだけでなくノートPCにも電力を供給するために大容量なACアダプターが採用されているわけです

241B7QUPBEB/11に接続されている周辺機器は、ノートPCにUSB Type-Cケーブルを挿した段階ですぐ利用可能となります。ノートPCにACアダプターや外付けストレージをわざわざ接続する手間から解放されるのです

きめ細かに調整できるスタンド機構、わかりやすい設定画面

ディスプレイとしての使い勝手もナイスです。高さ調整は150mm、角度調整は-5/30度、スタンドは-175/175度できめ細かく調節可能で、もちろんディスプレイ部を90度回転させて縦置きも可能。標準で同梱されているスタンドとして自由度はかなり高い部類に入ります。サードパーティー製スタンドと交換する必要はないですね。

設定画面もわかりやすいです。ユーザーが席から離れたのを検知して電力消費量を節約する「PowerSensor」、ローブルーライト、入力、画像、音声、色、言語、OSD設定、設定と項目が並んでおり、その階層も最大2段階と浅め。マニュアルを読まなくても、基本的な画質調整が可能です。ボタンも大きめで操作しやすいですよ。

高さは150mmの範囲で調整可能です

ウェブページをじっくり読んだり、長い書類を作成する機会が多いのなら、ディスプレイは縦置きしたほうが見通しがいいです

ボタンのサイズは実測15mm前後。押すと指が痛くなるほどボタンが小さいディスプレイもありますが、241B7QUPBEB/11のボタンは押しやすいです

もちろん設定画面は日本語対応。ちなみに、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、簡体字中国語、スペイン語、韓国語、ポルトガル語(ブラジル)、チェコ語、オランダ語、フィンランド語、ギリシャ語、ハンガリー語、日本語、ポーランド語、スウェーデン語、繁体字中国語、トルコ語、ウクライナ語と21カ国語に対応しています

画質は据え置き型としては平均的

ディスプレイとしての基本スペックは、輝度250cd/平方m、コントラスト比1,000:1、応答時間5ミリ秒(GTG)、色域がsRGB比102%、NTSC比85%と据え置き型としては平均的です。画面コーティングも照明などの映り込みを避けるためにアンチグレア(非光沢)仕様なので、画質よりも実用性を重視した設計なのだと思われます。

左がDisplay P3カラースペースを100%カバーする色域を備えたMacBook Pro、右がsRGB比102%というスペックの241B7QUPBEB/11。後者のほうが色域は狭いですが、適切なカラープロファイルが設定されていれば、近い色で画像を表示可能です

オフィスで多くのユーザーが共有するならUSB Type-C対応ディスプレイがオススメ!

現状、USB Type-Cに対応したディスプレイは、価格が高めに設定されているケースが多いです。しかし、ノートPCとケーブル1本で接続するだけですぐに使い始められる利便性は実に快適ですし、映像端子が多ければそれだけ多くの機器を接続しておいて使い分けられます。241B7QUPBEB/11は3万円台と比較的安く、オフィスなどで多くのユーザーが共有するディスプレイを探しているのであれば、有力な選択肢と言えますね。

ジャイアン鈴木

筆者プロフィール:ジャイアン鈴木

EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで編集兼ライターとして勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始しました。