在宅勤務を快適にするUSB Type-C接続ドッキングステーション
テーマ:ノートPCをデスクトップPCのように使う
在宅勤務ではモバイルノートやノートPCを使うケースが多い。だが、拡張性を求めたくなるものだ。そこで今回は、高性能なドッキングステーションを紹介する。
高価でも買う意味がある
最近は、ほぼ全てのノートPCがUSB Type-C(以下、USB-C)端子を搭載している。機種によってその性能が異なるのだが、高性能な最新のモバイルノートは、Thunderbolt 4端子を採用しているケースが多い。インテルの「EVO」プラットフォームに対応している製品は、Thunderbolt 4だ。
Thunderbolt 4端子は性能が高く、高速にデータが転送できる。基本的には40Gbpsの転送速度となっている。また、DisplayPortの機能も持つので、モニターの外付けに対応する。こちらも性能が高いので、最低でも4Kモニターを二つ接続できる。
実際には、Thunderbolt 4端子があってもまだ使いこなせないと思っている方も少なくないだろう。だが、すでに高性能なドッキングステーションが登場しているので、これを手に入れると快適な環境で仕事ができるようになるのだ。そのメリットや使い方を詳しく紹介していこう。
今回紹介するアイ・オー・データ機器の「US3C-DS1/PD」は、2万4,310円(税込)とちょっと高価だ。一般的なUSB-Cハブは3,000~7,000円程度で買えるので、少々手を出しづらいと思う方も多いだろう。だが、このクラスを用意しておくと非常に重宝するので、詳しくチェックしていこう。もちろん、目的は在宅作業での効率アップだ。ちなみに、この手の製品はドッキングステーション、USBハブなどと呼ばれるが基本的には同じことだ。
とにかく満載のポートがすごいので、写真をご確認いただきたい。モバイルノートでも下手なデスクトップPCを超えるほどの拡張性を手に入れられるわけだ。ただし、このドッキングステーション自体も電源に接続する必要がある。
ポート数が多いだけあって本体サイズもそれなりに大きく、幅223×奥行き80×高さ26mmとなっている。とはいえ、机の上に置くのに邪魔になるほどのサイズではない。ただし、言うまでもないがケーブルをたくさんつなぐことになるので、適切な置き場所を考えた方がよい。また、太いケーブルを複数つなぐと引っ張られる可能性もある。そんな際には、滑り止めを裏に貼ると安定する。
モニターを2台つなげる
まず注目したいのは、パッケージに書かれている「USB-C Dual 4K」の文字。Dual 4Kはもちろん、最大4Kの高解像度モニターを2台つなげるという意味だ。まだ、4Kモニターを使っている方はそう多くないかもしれない。だが、27~28インチクラスのモニターはフルHDだと映像が荒くなる。僕は5年程前から、28インチの4Kモニターを愛用している。Windows 10は拡大表示ができるので、文字サイズが小さすぎると感じることはないはずだ。
実は、これがかなり重要なポイントだ。US3C-DS1/PDには、HDMI端子とDisplayPortが二つずつ付いている。一般的なモバイルノートには、HDMI端子が一つしか付いてないので、外付けモニターを2台接続するのが大変だ。USB-C端子で接続するケースが多いのだが持っているモニターがちょっと古いと、USB-C接続ができない。本製品があれば、古いモニターやテレビでさえ二つ接続できるわけだ。
もちろん、上位互換なので4K+フルHDモニターなどの組み合わせでもOKだ。PCの内蔵モニターを合わせれば合計3画面で利用できる。こんな画面の広さを体感してしまうと、もう後戻りはできないだろう。非常に快適に仕事が進むのだ。一つのモニターにPDFやWebブラウザーの情報を表示しながら、別のモニターで書類を作成できる。モバイルノート内蔵モニターでは、Web会議を進めてもいいだろう。在宅勤務こそ、実はWeb会議というマルチタスクが増えている。13~15インチの内蔵モニターだけで仕事を完結するのはとても難しい。
充電ができるのがポイント
US3C-DS1/PDは、USB PD(Power Delivery)に対応している。最近のノートPCで、USB-C端子で充電できる製品も基本的には対応している。つまり、PC側のThunderbolt 4端子と本製品をケーブル1本で接続すれば、さまざまなコネクターが全て使える上に、充電までできてしまうわけだ。
外出先でモバイルノートとして軽快に利用し、自宅に帰ってきたらUSB-Cケーブルを1本つなぐだけで、モニター2台が利用できてしまうのだ。
実際に使い慣れてみるとこれはとても便利だ。なお、出力はUSB PD対応の60Wとなっている。45W対応のPCなら問題なく充電可能だ。65WのPCでも、ほぼ不満なく使えるはずだが、機種によって充電の対応は異なるので確認していただきたい。最近のモデルほど、そのPCの最高値でなくても充電はできるようになっている。例えば、最大65Wで充電できるPCでも、60Wや45Wで充電できるのだ。ただし、充電速度はそれなりに遅くなるが、65Wのモデルを60Wで充電するならほぼ気にならない程度だ。
端子も豊富に備えており、さまざまな機器を挿しっぱなしにしておける。もちろん、PC本体のUSB端子はそれぞれ利用可能。一時的に使うUSBメモリーなども端子不足を感じることなく快適に使える。そう考えるとちょっと高価な2万円台の価格も妥当だと思えるはずだ。
Profile
Toda Satoru
1963年生まれのビジネス書作家。株式会社アバンギャルド/戸田覚事務所代表取締役。著書累計100冊以上。企画やプレゼンに関する著書も多数。連載もついに40本を超えてさらに活躍中。