ディスプレイをタッチした際に遮断される赤外線により位置を検出
iiyamaの「ProLite T2453MIS」はVA方式の液晶パネルを採用した23.6型ディスプレイ。解像度はフルHD、輝度は225cd/m²、コントラスト比は3000:1、最大表示色は約1677万色、応答速度は20ms(黒→白→黒)/4ms(Gray to Gray)、視野角は水平垂直178度となっています。
タッチスクリーンは前述のとおりIR(赤外線)方式。パネルの周囲に赤外線の発光素子と受光素子が内蔵されており、ディスプレイ表面をタッチした際に遮断される赤外線により位置を検出するという仕組みです。


インターフェイスは、HDMI、DisplayPort、D-Sub、USBアップストリーム(PC接続用)、USB 3.0×2、音声入力、ヘッドフォン出力を用意。
本体サイズは571×391×220.5mm、重量は6kg。スタンドは取り外し可能で、VESA規格のマウント(100×100mm)でディスプレイアームなどにも取り付けられます。
付属品は電源ケーブル(1.8m)、HDMIケーブル(1.8m)、DisplayPortケーブル(1.8m)、D-Subミニ15ピンケーブル、USBケーブル(1.8m)、オーディオケーブル、スタンドベース、スタンドベース固定用ネジ×4、セーフティー&クイックスタートガイド、保証書。セットアップにソフトウェアは不要なので、インストールディスクなどは含まれていません。







組み立てに工具不要、PCに接続すれば即利用可能
セットアップは非常にカンタン。スタンドベースを本体に取り付けて、4本の固定用ネジを締め上げるだけで組み立ては完了。あとは、映像ケーブルとUSBケーブルをPC(Windows 10以降)に接続して、映像出力先にProLite T2453MISを指定すれば、画面が映り、タッチパネルも利用可能となります。液晶タブレットなどのように、ドライバーやアプリをインストールする必要はありません。


ディスプレイの設定項目は豊富、好みの画質に調整できる
OSD(オンスクリーンディスプレイ)メニューには、自動調整、ピクチャー調整、ジオメトリ調整、カラー調整、OSD、言語、リセット、その他の設定、入力選択、オーディオ調整などのタブが用意され、そのなかに細分化された設定項目が用意されています。iiyamaブランドのディスプレイだけに設定項目は多数用意され、かつわかりやすく整理されていますね。ほかのメーカーからの乗り換えだとしても、スムーズに移行できるはずです。

タッチスクリーンの操作感は良好、細かな文字にはタッチペンがオススメ
ProLite T2453MISの製品公式サイトには、メリット、デメリットが下記のようにまとめられています。
○メリット
- マルチタッチ対応
- ソフトタッチで入力できる
- 耐久性・耐傷性が高い
×デメリット
- 画面の縁ぎりぎりの認識が弱い
- 太陽光に弱い
実際に使ってみた感想として、操作感は意外と良好。ピンチイン・ピンチアウト操作、ファイル操作、簡単なお絵描きなどの用途では、特に違和感なく利用できます。

文字を書いていて気がついたのですが、「入り(書き始め)」と「抜き(書き終わり)」で線がぶれがちです。ただしタッチペンで同じように文字を書いたところ、指よりも線のぶれが少なくなりました。細かな文字を書くときはタッチペンを用意することをお勧めします。


最後にディスプレイとしての基本性能をチェックしておきましょう。カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したところ、sRGBカバー率96.2%、AdobeRGBカバー率73.7%、DCI-P3カバー率73.8%となりました。一般的な用途であれば必要十分な色域を備えています。

ちょっとしたメモ書きやイラストを描くためのサブディスプレイとして魅力的
ProLite T2453MISはほぼ真上に向けられるスタンド調整機構を備え、硬度7H、厚さ1.85mmの高硬度保護パネルが採用されています。個人用というよりはインタラクティブ展示用途として考えられた製品だと思いますが、タッチ操作する受付や会議室用のディスプレイとしても重宝するでしょう。
ニッチな製品であるにもかかわらず、価格は6万円前後と意外とリーズナブル。メインディスプレイとしてはサイズ、解像度が足りませんが、ちょっとしたメモ書きやイラストを描くためのサブディスプレイとして、個人用途としても魅力的な製品だと思います。