新型コロナウイルスの感染症法の分類が5類に移行したことに伴い、人流が回復し、訪日外国人観光客数も増加傾向にある。国際観光振興機構によれば2023年の年間訪日外客数は約2,506万人で、コロナ禍前の2019年と比べても8割程度まで回復したという。また、観光庁が発表した「訪日外国人消費動向調査」によれば、2023年の訪日外国人旅行消費額は5兆3,065億円と過去最高を更新している。日本の観光業にとって欠かすことのできない訪日外国人観光客だが、その一方で観光地が混雑してしまったり、人手不足で観光案内や宿泊施設での対応が十分に行えなくなってしまっていたりする。そういった「オーバーツーリズム」の問題にはテクノロジーの活用が有効だ。今回は混雑対策にフォーカスし、それを解決するソリューションを紹介していこう。

商業施設の飲食店やトイレで、行列に並ぶことにストレスを感じたことのある人は少なくないだろう。そうした混雑状況を可視化するAI・IoTソリューション「VACAN」の導入がさまざまな商業施設やオフィスビルで進んでいる。「いま空いているか1秒でわかる、優しい世界をつくる」を企業ミッションとして、混雑情報配信プラットフォームを提供しているバカンに、混雑対策の今を聞いた。

店舗やトイレの混雑を
可視化するテクノロジー

バカン
河野剛進

 トイレやレストランフロアの入口などで、混雑状況を表示するデジタルサイネージを目にしたことはないだろうか。トイレや飲食店をはじめ、宿泊施設やオフィスビルなど、さまざまな場所に導入が進んでいるのがVACANだ。例えばトイレの混雑状況を可視化する「VACAN Throne」や「VACAN AirKnock」は、百貨店やオフィスビルのトイレなどに数多く導入されており、各フロアのトイレの混雑状況や、個室利用率などが把握できるため利便性が高い。

 こうした混雑状況配信プラットフォームを開発した背景について、バカン 代表取締役 河野剛進氏は「きっかけは子供が生まれたことです。子供が生まれる前後を比較すると、時間の価値が大きく変わりました。保育園や小学校などに子供が通い出すと、家族と過ごせる時間が会社に行く前の時間や週末など、限られた時間しかありません。そうした中で週末など、外出した時に商業施設の飲食店が空いていないとか、トイレが混雑しているといったことがありました。そうすると子供が泣き出してしまいますし、なにより待ち時間が長くてもったいないな、と感じたんですね」と語る。実際、昼時などに行列ができている飲食店は少なくない。中には長い待ち時間に、いら立ちを覚える人もいるだろう。「待ち時間や混雑を解決できれば、利便性が高まるだけでなく、連鎖的に人にも優しい世界になれるのではないかと考え、VACANの開発に着手しました」と河野氏。

 上記のような混雑への困りごとをきっかけに、最初に開発したのが前述したトイレの混雑状況を可視化するVACAN Throneだ。「オフィスはもちろんですが、商業施設のトイレも混雑しており、待ち時間が長いという課題がありました。また子供のおむつを替えるためのおむつ台が設置されているトイレを探すことが困難だとも感じており、まずはトイレの状況を可視化するサービスとして開発を始めました」と河野氏。

特定エリアの混雑状況を
地図上で把握できる

 その後、飲食店向けの混雑可視化サービスとしてAIカメラを活用した「VACAN AIS」を開発。これはAIカメラを天井などに設置することで、撮影した画像データをAIによって解析してその場にいる人数を算出する。これにより、空間全体の混雑状況を可視化できる。飲食店街のように、複数の飲食店が建ち並ぶ場所では、このVACAN AISを設置して取得した情報から、混雑している店舗とそうでない店舗をデジタルサイネージやスマートフォンに配信することによって、来店者は混雑を避けて店舗を利用することが可能になるのだ。

 上記のような混雑状況の可視化は、特定の商業施設の飲食店やトイレなどスポット的であり、指定したエリアの混雑状況を把握することは難しかった。例えば現在地周辺の飲食店の中から、混雑していない飲食店を探すことはできなかったのだ。そうしたニーズに応えるサービスとしてバカンは、店舗のリアルタイムの空き状況や混雑状況が地図上で分かるWebサービス「VACAN Maps」を2020年6月から一般公開をスタートした。河野氏は「もともと同年5月に、『九州経済復興プロジェクト』としてコロナ禍の飲食店を支援するべく、九州エリアの飲食店の混雑状況をリアルタイムに表示するサービスとしてプレリリースしました。6月8日には関東エリアでの一般公開を始め、同月15日からは関西エリアでも公開をスタートしました」と語る。もともとコロナ禍の3密回避で需要が増えたVACAN Mapsだったが、昨今ではそのほかにも多様な需要がある。

観光客の効率的な周遊を
待ち時間の見える化で支援

空いている施設はVACAN Maps上で緑アイコンで表示されるため、視覚的に分かりやすい。混雑を避けた観光も実現できる。

 一つ目に観光だ。例えば伊勢神宮で有名な三重県伊勢市では、市内の主要観光地の混雑状況を、非接触型のデジタルサイネージのVACAN Maps上でリアルタイムに配信している。新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことで人流が戻り、インバウンド需要が回復したことで、エリア全体の混雑状況を可視化できるこれらのツールは、スムーズな観光の支援にもつながっている。河野氏は「栃木県の佐野市はラーメンが有名で、人気のラーメン店などは非常に混雑し、行列もできます。場合によっては数時間待ちというケースもありますが、その行列に並んでいる時間というのは現地でお金を落とさない時間でもあり、体験として非常にもったいないですよね」と語る。VACAN Mapsではそうした待ち時間を見える化しながら、佐野市のラーメン店や観光地の情報をマップ上に可視化することで、観光客の効率的な周遊を促すキャンペーンなども実施した。

 二つ目に防災だ。災害発生時に利用される避難所だが、避難者が施設に集中しすぎて受け入れが困難となるケースや、そもそも避難所の場所が住所と施設名しか分からず探しにくいという課題が存在する。VACAN Maps上で避難所の場所を分かりやすく表示すると同時に、避難所ではバカンが提供する手動式のIoTボタンを活用してもらい、避難所の混雑状況をリアルタイムにVACAN Maps上に反映することで、避難する人たちの分散を実現できるのだ。こうした人の分散では、選挙投票所も需要があり、実際VACAN Mapsでは日常的に使う施設の混雑状況を調べる「日常マップ」のほか、「避難所マップ」と「投票所マップ」が用意されている。

 VACAN Mapsの導入先は、観光や防災、選挙といった用途から自治体がメインだ。「今後、公共施設予約での活用も進んでいきそうです。例えば花火大会のようなイベントは、非常に短時間で終わりますが、その時間は非常に混雑します。そうしたイベント開催時の混雑対策としても、VACAN Mapsは有用です。訪日外国人観光客が増加する中、オーバーツーリズム対策としても需要が高く、非日常から日常に至るまで、VACANによって“待つ”をなくすことで優しい世界を実現していきたいですね」と河野氏は語った。

経路検索サービス「駅すぱあと」で知られるヴァル研究所。同社は佐賀県武雄市と連携し、人流データを活用した観光客の周遊性促進および災害シミュレーションなどを行っている。西九州新幹線開業を契機としたその取り組みを見ていこう。

人流をデータで可視化して
人手不足の減少に対応する

ヴァル研究所
菊池宗史

 2022年9月23日、長崎と佐賀県の武雄温泉の区間を結ぶ西九州新幹線が新たに開業された。他県からのアクセスが増え、利便性が向上する半面、武雄市には懸念も存在していた。それは人手不足だ。コロナ禍で利用者が大幅に減少したことに伴い、タクシー運転手や運転代行の運転手などの数も大きく減っていた。そうした環境の中での新幹線開通に、観光客への対応が十分に行えないのではないかという不安が存在した。それを解消するため開発されたのが「人流データプラットフォーム」(以下、人流データ基盤)だ。

 武雄市は、ヴァル研究所が参画する一般社団法人ソフトウェア協会と2022年5月25日に包括連携協定を締結しており、地域活性とスマートシティの実現に向けた取り組みを進めていた。今回の人流データ基盤開発もそうした取り組みの一つであり、ソフトウェア協会のスマートシティ研究会のメンバー複数社がコンソーシアム形式で協力した。なお、同市が進める「武雄市デジタルトランスフォーメーション(DX)推進計画」については本誌100ページのIT NEWS of Localにて紹介しているので、同記事も併せて参照されたい。

 人流データ基盤は、人流分析カメラシステム、多言語情報サイト、流動人口データ、デジタルサイネージ、災害シミュレーション、進行管理・移動検索コンテンツ、データ基盤開発といった各社のサービスとデータが連携することで、可変性や拡張性の高いシステム構築を可能としている。この内、ヴァル研究所は企画進行を担うと同時に、経路検索サービスのパイオニアとして培ったノウハウを生かし、移動検索の技術提供を行った。人流データ基盤では、人流分析カメラシステムによって収集した人流データを、Azure上で分析し、そのデータを基にデジタルサイネージやスマホサイト(多言語対応)で混雑予測の情報を発信。また、人流データ基盤では混雑対策のみならず、観光客の人流の増減を考慮した3D災害シミュレーションなどにも活用して、地域の課題解決を進めていくものだ。

スマホサイトとサイネージで
混雑予測を情報発信

 市民や観光客への情報発信は、スマホ観光情報サイト「たけお日和」や、武雄温泉駅や武雄温泉物産館、市役所に設置されたデジタルサイネージ上で行われる。例えばたけお日和では武雄市の「観光地にぎわい情報予測」が閲覧できる。武雄温泉駅、温泉通りエリア、武雄神社・武雄の大楠といった観光スポットや利用者が多い場所の混雑予測を「賑わい情報予測」として表示している。人流データ基盤から過去のデータを分析し、曜日および時間帯の賑わい状況をピクトグラムで表しているのだ。本予測はスマホサイトのほか、デジタルサイネージ上でも閲覧が可能だ。デジタルサイネージでは上記のような賑わい情報予測と、たけお日和にアクセスできるQRコードなどが表示されている。また、デジタルサイネージでは観光情報なども表示するほか、将来的には広告なども掲載したい考えだ。

 3D災害シミュレーションもたけお日和のサイトからアクセスできる。ヴァル研究所の代表取締役 菊池宗史氏は「3D災害シミュレーションでは、実際の人口動態データを活用し、水害が起きたときの避難経路を3Dモデルを用いてシミュレーションした映像を確認できます。こういった災害情報は住民の人口のみをベースに作成するケースが多いのですが、今回は観光客などが訪れている想定で、避難ルートを移動する人々のデータを含めて作成しています」と語る。

 武雄市は2019年8月および2021年8月の豪雨によって、市街地が浸水の被害を受けている。今回作成された3D災害シミレーションの映像も豪雨を想定したものであり、浸水被害が進む中どのルートを通って避難所に行けば良いのかを、3D映像で確認可能だ。イメージ動画は武雄温泉駅、武雄図書館、武雄温泉物産館の三つの地点のものが用意されているほか、武雄市役所が用意した避難所一覧のWebページも閲覧できる。

たけお日和のWebサイト。スマートフォンやPCからアクセスし「観光地にぎわい情報予測」から主要観光地の現在の混雑状況を確認可能だ。
武雄温泉駅の南口には、3面のデジタルサイネージが設置されており、観光情報の発信のほか、観光地にぎわい情報予測などを表示している。訪れた観光客への情報発信に役立っている。

人流データの数値を基に
政策や商店街再興に生かす

「設置場所によってはデジタルサイネージがあまり見られていないという話も聞きます。設置場所や置き方を工夫しつつ、表示するコンテンツも検討していきたいと考えています。武雄市への観光客は増加傾向にあり、特に韓国から訪日する人が多いようですね。武雄市では『九州オルレ武雄コース』というトレッキングコースがあるのですが、そこを歩きに来る人も見られます」と菊池氏。

 武雄市は2026年春に武雄アジア大学が新設される予定であり、そのコースの一つに「韓国・メディアコンテンツ」が設定される方針だ。こうした大学の新設によって武雄市を訪れる留学生も増えることが予想されており、多言語対応しているたけお日和での情報発信は重宝されそうだ。

 人流データは、武雄温泉駅に設置されている2台のカメラと、スマートフォンの位置情報を基に収集している。人流データ基盤は2023年3月から稼働しており、すでに自治体や地域住民からの要望も出てきているという。「実際に人流データを基に渋滞の問題や混雑地帯を数値をベースに把握できるようになり、政策に反映しやすくなったという声は聞いています。今後は取得した人流データの利活用を推進していきたいですね。また、今後個人的にやりたいこととして、武雄温泉通りの商店街の再興があります。現在、この商店街はシャッター商店街のようになってしまっており、人の往来があまりありません。例えばチャレンジショップのような形で1週間だけ出店できるような企画を行い、人流を増やしていくことで、商店街を盛り上げていきたいですね」と菊池氏。

 たけお日和では、ヴァル研究所が提供する移動検索「mixway」も利用できる。現時点ではバスと電車の組み合わせのみだが、武雄市ではライドシェアの実証運行が実施されており、将来的にmixwayでもこのライドシェアを移動検索に組み込んでいきたい考えだ。

地域の魅力をイラストによる地図でグラフィカルに紹介する観光向けのイラストマップ。その土地独自の魅力が伝わりやすいこれらの地図は、さまざまな自治体で作成、配布されている。そうした観光マップをデジタル上で配信するイラスト地図のオンラインプラットフォームが「Stroly」だ。

紙のイラストマップと
デジタルの良さを組み合わせ

Stroly
高橋真知

 Strolyは、"Story"(地域や場所それぞれの物語)と"Stroll"(歩く)から成り立つサービス名だ。Strolyの代表取締役社長 共同CEOを務める高橋真知氏は「観光地をはじめ、地域やテーマパークなどのエリアをイラストマップにして紙やPDFで配布している場所は多くあります。これをデジタル化してGPS情報を付与して歩けるようにすれば、地域の散策の仕方が変わるのではないか、という考えの下Strolyを開発しました」と語る。

 デジタル上で表示できる地図というと、GoogleマップやAppleマップなど、スマートフォンに標準搭載されているツールが真っ先に思い浮かぶだろう。しかし、これらの標準的な地図アプリでは観光スポットのほか、警察や病院といったほかの情報も全て表示される。情報の選別は地図アプリを閲覧するユーザー側に委ねられており、情報の発信者側がキュレーションすることは難しい。

「イラストマップの良さは、やはり親しみやすさにあります。一般的なマップでは『へえ』と流されてしまいそうなポイントも、イラストによるグラフィカルな表現で興味を持ってもらえます。視覚的に分かりやすいマップに、GPSの情報を表示させることで、紙やPDFのマップでは難しかったユーザーの現在位置の表示が可能になります。また詳しいスポット情報や、イベント情報、バスのリアルタイム運行情報の表示なども行えるため、リアルタイム性のあるインタラクティブな地図として活用できる点が、Strolyによるイラストデジタルマップの良さといえるでしょう」(高橋氏)

イラストデジタルマップに
混雑予測を表示し人混みを回避

 Strolyのイラストデジタルマップは、地域の観光案内のほかエコシステムの見える化にも活用されている。Strolyは東京都が有楽町に立ち上げたスタートアップ支援拠点「Tokyo Innovation Base(TIB)」と協働して「東京スタートアップエコシステムマップ(TIB周辺エリア)」を作成、公開している。スタートアップを支援する拠点や企業は東京都内に数多く存在する一方で、その位置情報や支援内容が一元的に見える化されていないという課題が存在した。そこでStrolyは、都内に点在するさまざまなスタートアップ支援拠点の情報を、視覚的に分かりやすいイラストマップによって一元的に提供している。

 また、Strolyの本社がある京都市では、同市のオフィシャル観光マップ「京歩きマップ」が、Strolyのイラストデジタルマップで利用できる。それに加えて、毎年7月に開催される祇園祭でもStrolyのイラストデジタルマップが活用されており、観光案内の役割に加えて混雑対策としても役立てられている。

「祇園祭のマップはもともと紙で配布されていました。しかし観光客からは『紙で見ても(自分の現在位置が)分からない』『どこへ行ったら良いですか?』という問い合わせが相次ぎ、対応の負担が大きかったそうです。そこで2022年に、紙で配布していた観光マップ『祇園祭宵山ガイド』をそのままStrolyでイラストデジタルマップとして公開しました。イラストデジタルマップ上には祇園祭で巡行を行う各山鉾の見所やご利益などの情報に加え、宵山期間に実施される交通規制情報などを掲載しました。2023年の『祇園祭宵山ガイド2023』では、2022年のイラストデジタルマップの利用状況を基に、マップ上に混雑エリアを明記したり、ライブカメラの映像を確認できたりするようにアップデートを行いました。混雑状況を観光客がデジタルマップ上で閲覧できることにより、観光客自身が自分たちで判断してそのルートを回避するといった行動を取っていただけるようになりました」と高橋氏。また2022年の利用状況から、有名な山鉾に近い四条駅に人口が集中しがちであることが分かったため、2023年のイラストデジタルマップでは地元住民以外にはあまり知られていない付近の駅を見やすく表示し、そこから移動してもらうといった工夫も行った。

東京スタートアップエコシステムマップ(TIB周辺エリア)は、東京都内のスタートアップ支援拠点を一元的に見える化している。

訪日外国人観光客への
観光案内にも活用

 イラストデジタルマップによる観光案内は、訪日外国人観光客への対応にも役立てられている。2022年のイラストデジタルマップは日本語対応のみだったが、英語や中国語、韓国語環境からのアクセスもあった。そこで2023年はイラストデジタルマップ内のコンテンツの英語対応を行った。祇園祭の案内をするスタッフも観光客に対して、まずイラストデジタルマップにアクセスできるQRコードを案内し、そこから目的の場所の情報を取得してもらう対応を行い、観光案内の作業負担を低減したという。「祇園祭の案内をしているスタッフの多くはバイトの人たちで、そういった人たちは祇園祭の意味や山鉾の詳細などを聞かれても対応が難しいのが実情です。また外国語で話すことも難しいため、案内スタッフはビブスの前後にデジタルマップのQRコードを付けて、それを観光客に読み取ってもらっていましたね」と高橋氏。デジタルマップを利用したユーザーの移動傾向は、ヒートマップとして可視化され、今後の祇園祭の運営にも生かされている。

 Strolyのイラストデジタルマップは、前述のような観光案内や混雑対策のほか、街づくりにも有効だ。街の歴史や特徴をイラストで可視化できるため、その地域の魅力を一目で観光客に伝えられる。「Strolyは海外でも活用されています。例えばスマートシティ開発が進められているベトナムのビンズン省のイラストデジタルマップでは、都市開発の様子や開業予定の施設などをイラストで見せることで、これからの未来都市を誘致する企業や住む人に対して見せています。日本の日比谷音楽祭のような音楽フェスでも活用されており、リアルタイムにどんどん変わっていく情報をStrolyのデジタルイラストマップに反映していくことで、来場者への情報発信を行いました。日本はアニメやイラストなどIPの力が強いので、そうしたキャラクターやデザイナーの力を借りながら、普段行かない場所へ周遊してもらうためのツールとしてStrolyをさらに活用してもらえるように、開発を進めていきたいですね」と高橋氏は語った。

祇園祭の歴史や文化をより深く知ってもらいつつ、祇園祭で快適に移動してもらうことを目的としたイラストデジタルマップ「祇園祭宵山ガイド2023」。現地では誘導スタッフのビブスにQRコードを貼り付けるなどして、イラストデジタルマップへの誘導も行った。