今月のテーマは……
仕事効率をアップさせる!
Gemini for Google Workspaceの「Side panel」
Google Workspace ユーザー待望の「 Side panel 」機能がついに登場しました! 「 Gemini 1.5 Pro 」を搭載した「 Gemini for Google Workspace 」の Side panel は、あなたの業務効率を飛躍的に向上させること間違いなし。今回は、この革新的な機能の魅力を分かりやすく解説します。
庄司大助(Dandy) 氏
所属:グーグル・クラウド・ジャパン
パートナーエンジニアリング本部
役職:パートナーエンジニア
経歴:大学卒業後、日系の中堅企業のIT部門で、ITインフラ担当者として入社後、自動車系IT企業にて、ネットワークエンジニアを経験。その後、マイクロソフトにて、10年以上にわたり、オンプレミスからクラウドまで幅広くプリセールス活動に従事。現職に至る。
ユーザーに寄り添うSide panel
Side panel は、「 Gmail 」「 Google ドキュメント 」「 Google ドライブ 」などの Google Workspace の各種アプリの画面右側に表示されます。Gemini 1.5 Pro を搭載し、ユーザーに寄り添い、作業のサポートをしてくれます。
Side panel は、次のようなさまざまな魅力を持っています。
1. 能動的な作業の提案
あなたが現在作業している内容を理解し、それに基づいた最適なプロンプトを提案してくれます。例えば、休み明けにスレッドが長くなっているメールを選択すると「このメールスレッドを要約しましょうか?」といった提案を行ってくれます。また、返信を作成しているときに、過去のメールの内容や相手の文体に合わせて返信文を提案してくれるので、より効率的にコミュニケーションできます。こういったことが可能なのは、Google Workspace の基本的なアーキテクチャによる影響が大きいです。Google Workspace では、アプリもデータも全てクラウドに集約されています。そのため、ユーザーがどんなアプリ/データを開いているかを生成AIが把握しやすい構成になっていることが寄与しています。
2. アプリ間の移動が不要
これまで、Gemini for Google Workspace の生成AIによる支援を得るためには、やりたい作業ごとにメニューからプロンプト入力画面を呼び出したり、Gemini アプリが生成してくれたドキュメントや表などをコピーして別のアプリに張り付けたりするといった操作が必要な場合がありました。しかし、Side panel を使えば、作業中のアプリから離れることなく、生成AI 機能をシームレスに利用可能です。例えば、Gmail でメールを作成中に、Side panel から Gemini に文章の校正を依頼したり、適切な表現を提案してもらったりできます。
多様なタスクをサポート
Side panel は、メールの下書き作成、ドキュメントの要約、データ分析、翻訳、画像生成など、さまざまなタスクをサポートします。Side panel の活用例としては、以下のものがあります。
・Gmail:長文メールの要約、返信文の作成、送信前のチェック
・Google ドキュメント:文書の校正、要約、箇条書きの作成、翻訳
・Google スプレッドシート:表の作成、セルの計算
・Google スライド:アジェンダスライド/挿絵の作成
・Google ドライブ:ファイルの検索、ドキュメントの整理、データ分析
将来的には、Side panel で実現できることも、どんどん増えていく予定です。利用者の創造性と生産性を最大限に引き出してくれるでしょう。
2024年8月に開催された「Google Next Tokyo’24 」のイベントにおいて、Side panel の日本語対応予定についても発表がありました。日本語でプロンプトを入力したり、コンテンツを処理したりすることが可能になれば、より生産性向上に寄与するものと考えられます。もしかしたら、この記事を読んでいただくころには、日本語で Side panel やほかのGemini for Google Workspace の機能が動いているかもしれません。
下図はイメージ画像になりますが、社内にある膨大なデータの中から情報を活用し、新たな成果物の作成も容易になります。
Side panelで働き方が変わる
いかがでしたでしょうか? 能動的に常にユーザーに寄り添って作業の支援をしてくれる Gemini for Google Workspace の Side panel は、働き方を劇的に変える可能性を秘めています。慣れ親しんだUIのまま、さまざまなタスクを効率的にこなせるようになることを感じていただけたのではないでしょうか。
マッキンゼー・アンド・カンパニーが公表したレポート※には、AIによって日常的に行う業務の60~70%の時間を削減できる、との調査内容が記されています。Gemini for Google Workspace のパワーを体感し、使いこなせるようになれば組織全体で見たときに、大きな競争力を持つことも想像いただけるかと思います。今後のGemini for Google Workspace の各種機能の日本語化対応と性能強化に、ご期待ください。
※出所:マッキンゼー・アンド・カンパニー
「The economic potential of generative AI:The next productivity frontier」
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