紹介するDXサービス:マネーフォワード クラウド請求書(マネーフォワード)、BtoBプラットフォーム 請求書(インフォマート)、invox発行請求書(invox)

帳票発行のデジタル化で業務の負担を軽減したい

紙による帳票発行業務は、経理担当者にとって時間と手間がかかる作業だ。顧客情報や品目、金額などの入力を手打ちで行うため、記入件数が多いほど負担が大きく、入力ミスや計算ミスが起こりやすい。加えて、帳票の郵送作業においても、2024年10月1日から郵便料金の値上げが予定されており、郵送コストの増加を懸念する企業は少なくないだろう。こうした問題を解決するため、帳票発行業務のデジタル化を促進する製品を提案したい。

入力ミスを引き起こしやすい

 紙の見積書や請求書、領収書などを作成し、郵送している企業は少なくない。しかし、紙による帳票発行業務には何かと課題も多い。例えば、Excelで帳票を作成している場合は、フォーマット管理やマクロ機能の設定などが必要となり、帳票の入力以外にもメンテナンスの手間が発生してしまう。

 また、入力作業の負担も大きいだろう。請求書や見積書の作成において、顧客情報や品目、数量、金額などの入力を経理担当者が手打ちで行う必要がある。入力ミスや計算ミスを引き起こしやすいだけでなく、取引先が多ければ多いほど確認作業にも工数を費やすことになる。手作業であるが故に、請求漏れや請求書の発行遅延が発生する可能性もある。

 取引先が増えるにつれて、帳票の管理も複雑になっている。紙媒体での管理は、紛失したり、保管スペースが足りなくなってしまったりするという問題が発生しやすい。過去の帳票を探し出す作業も容易ではない。

 ほかにも環境負荷が高いという点も課題として挙げられる。紙は生産段階から輸送までの多くの工程でCO2を排出する。昨今注目を集める「脱炭素経営」を目指したくても、紙ベースで帳票処理を行っている場合は、難しいだろう。

85.6%が紙書類の郵送を実施

 2024年5月13日、アドビがデスクワーカーとして働いている会社員男女500名を対象に実施した「ビジネスにおける帳票郵送業務に関する調査」の結果を公表している。

 調査によると、紙の見積書や請求書、領収書を使用していると回答した291名のうち85.6%が、印刷や郵送業務を行っていることが分かった。

 紙の書類の使用頻度については、全体の87.4%が「週に1日以上」、約半数(49.6%)が「毎日」紙を使用している結果となった。さらに、日々の業務で紙の書類を使用していると回答した437名に業務の種類を聞くと、「見積書/請求書(51.9%)」が最も多かった。次いで「領収書(46.7%)」「契約書など社外との重要書類(45.5%)」と続いた。

 日本郵便は2024年10月1日から郵便料金を値上げすることを発表している。アドビの調査では、郵便料金の値上げが実現した場合「紙での郵送回数の減少(55.4%)」「紙での郵送の廃止(53.8%)」「デジタル管理の実施・管理ツールやソリューションの導入(30.4%)」と回答する声が高かった。

 こうした背景を受け、帳票発行業務のデジタル化を実現するための製品を提案していく。今回は、マネーフォワード、インフォマート、invoxに製品を提案してもらった。

フォームに沿って簡単に帳票作成

マネーフォワード クラウド請求書

マネーフォワード
スモールビジネスプラン:3万9,336円〜/年
ビジネスプラン:6万5,736円〜/年

 ITスキルに自信のないユーザーでも簡単に扱える分かりやすいUIと請求書の作成を効率化するさまざまな機能を兼ね備えた「マネーフォワード クラウド請求書」を提案する。
 マネーフォワード クラウド請求書は、見積書、納品書、請求書の作成から送付、管理までを一元化するクラウドサービスだ。プレビュー画面を見ながら、フォームに沿って取引先や品目を選ぶだけで簡単に帳票が作成できる。金額計算も自動で行われるため、入力ミスを防ぎ、作業時間を大幅に短縮する。見積書データをそのまま請求書や納品書へ変換する機能、複数の納品書をまとめて1枚の請求書に変換する「合算請求書」機能なども備えている。
 マネーフォワード クラウド請求書は、インボイス制度と電子帳簿保存法にも対応している。適格請求書発行事業者の登録番号や適用税率および消費税額の記載など、インボイス制度の要件を満たす請求書の作成・発行が可能だ。電子送付した請求書は、電子帳簿保存法の要件にのっとって自動で保存される。
 本製品は、スケジュールを登録することで同じ内容の請求書を自動で作成できる「毎月自動作成」機能も搭載している。マネーフォワード クラウド請求書を導入した企業では、毎月自動作成機能を活用して請求書の発行漏れを防ぐとともに、業務の効率化を進めているという。また、請求書を作成すると「請求総額」や「取引先別請求額」などのデータをまとめた「売上レポート」を画面上で確認できる。売上レポートによって経営状況の把握が容易になる。
 同社の会計システム「マネーフォワード クラウド会計」との連携も可能だ。請求書作成時に請求データが自動で取り込まれ、売掛金の仕訳を作成できる。本製品を導入することで、請求業務だけではなく、会計業務全体の効率化につなげられるだろう。

請求書の発行・受け取りをデータ化

BtoBプラットフォーム 請求書

インフォマート
2万5,300円〜/月
※受取・発行ともに取引先は利用無料
※契約プラン・通数に応じて追加料金が発生
セットアップ費用:11万円〜

 時間、コスト、手間のかかる請求業務を大幅に改善し、ペーパーレス化や経理部門のテレワーク実現を後押しする「BtoBプラットフォーム 請求書」を提案する。

 BtoBプラットフォーム 請求書は、請求書の発行、受け取り、支払金額の通知など請求業務全体のデジタル化を実現するクラウドサービスだ。電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応している。

 BtoBプラットフォーム 請求書は、企業間の請求書業務をデジタル化してデータによるやりとりを可能にする「DtoD」(Data to Data)方式を採用している。これにより、請求書などの帳票データの入力、送付、受け取り、処理、保管まで全ての工程がクラウド上で完結する。紙の出力が不要となり、アナログ作業による無駄が一切ない“完全デジタル化”を実現できるのだ。

 BtoBプラットフォーム 請求書は、アップロードされた請求データから自動で請求書を作成し、一括発行が可能だ。

 また、会計・販売管理や経費精算・債権管理といったさまざまなシステムとの連携にも対応している。自動で請求書の発行や仕分けができるようになるなど、さらなる業務効率の向上とコスト削減につなげられる。

 取引先からの請求書の受け取りもBtoBプラットフォーム 請求書であれば簡単だ。紙やPDFで受け取った請求書でも、AI-OCRで読み取るサービス「BP Storage for 請求書」を利用すれば、請求書をデータ化できる。

 BtoBプラットフォーム 請求書を導入した企業では、100を超える拠点から月に約2万通、郵送していた請求書をデジタル化し、従業員の作業負荷を減らしたという成功事例もある。請求書に関わる業務フローの改善が大いに期待できる製品だ。

効率的な業務フローを実現

invox発行請求書

invox
初期費用0円
2万6,136円〜/年

 請求書の発行、売上計上、入金消込、督促といった一連の作業を自動化し、経理担当者の負担を軽減するクラウド請求書発行システム「invox発行請求書」を提案する。

 invox発行請求書は、請求データを取り込んで送信方法を指定するだけで、インボイス制度に対応した請求書を発行できる。CSVデータのほか、販売管理システムや基幹システムで作成したPDFの帳票も取り込める。請求書だけではなく、見積書や納品書、支払通知書などさまざまな書類を自由なレイアウトで作成して発行できることも特長である。

 請求書の送付方法はこれまでメールまたは郵送代行を提供していたが、2024年9月からはファクス送信にも対応した。取引先が希望する方法に合わせて柔軟に送付が可能だ。請求書送付後は、オンラインバンクから入金明細を取り込み、請求データを照合して自動で入金消込を行う。入金が確認できない場合は督促メールを送付する。売上計上仕訳や入金消込仕訳は、会計システムと連携して計上処理まで自動化できる。invoxでは、情報セキュリティマネジメントの認証基準「JIS Q 27001:2014(ISO/IEC27001:2013)」を取得し、継続的に情報セキュリティ水準の向上に取り組んでいる。セキュリティ面においても安心だ。invox発行請求書を導入した企業では、請求書だけではなく、支払通知書など8種類の書類を電子送付に切り替えて、業務を効率化させている。

 invox発行請求書は機能強化にも力を入れており、一つの取引先に複数の請求書をまとめて電子データで送付できる機能を2024年秋を目安に実装予定だ。invox発行請求書によって請求書発行業務に関する一連の業務をシステム内で完結することで、経理担当者が抱える作業の手間や煩わしさを解消できるだろう。

※価格は全て税込