カコムス、Microsoft Azure をベースにしたデータ分析基盤で業務を効率化

デジタルトランスフォーメーション（DX）によって目指すことの一つに、業務効率化がある。今まで手作業だった業務をデジタル化することで、従業員の手間や作業時間を減らしたいニーズは多いだろう。そうした顧客の悩みをMicrosoft Azureを用いて解決しているのが、カコムスだ。なぜカコムスがMicrosoft Azureを導入したのか、そして顧客の課題をどのように解決していったのか、その詳細を聞いた。

　カコムスは経営理念に「私たちカコムスは、高品質かつ最善、最適なITソリューションサービスの提供をもってお客様の繁栄に貢献します。」を掲げ、システムエンジニアリングサービスの展開やMicrosoftソリューション・自社サービスの提供、ITコンサルティングサービスの実施、システム・ソフトウェアの受託開発などを行う企業だ。さまざまな事業を手がけているため、幅広い業務でノウハウの蓄積があり、それぞれの業務分野に対応可能な人材を育成している点が強みとなっている。

　そんなカコムスが注力する事業領域が、DXだ。カコムス DX事業統括本部 本部長 仙入一孝氏は、同社がDX事業に注力する理由を次のように語る。「お客さまの話を聞いていると、DX支援に関する要望がより一層多くなっていると感じています。多数の企業で、プロセスのデジタル化や業務効率化が求められている状況です。そうした要望に対して、当社ではクラウドサービス導入による解決を提案しています」

　カコムスではDXの中でも、セキュリティとデータ分析にも注力しているという。仙入氏はその理由をこう説明する。「当社はMicrosoftソリューションを取り扱っています。そうした中でただMicrosoftソリューションの導入や構築・運用をしただけで終わるのではなく、さらに先を行く支援をしたいと考え、昨年からセキュリティやデータ分析にも注力していくことにしました。セキュリティについては昨今、サイバー攻撃が高度化・巧妙化してきているため、しっかりと顧客のセキュリティ対策ニーズに応えていきたいと思っています」

　カコムスが取り扱うMicrosoftソリューションの中には、もちろんMicrosoft Azure構築支援サービスも含まれている。カコムス DX事業統括本部 ソリューション営業部 部長 中元順一氏は、カコムスのビジネスにMicrosoft Azureを採用した背景を次のように話す。「もともと、自社で利用する給与明細システムを作ろうという流れが社内でありました。その際にダイワボウ情報システム（DIS）さまからのサポートがあったり、ほかのMicrosoftソリューションに直結しやすかったりする点を踏まえて、Microsoft Azureを採用しました。自社にMicrosoft Azureのナレッジがなくても、少しWeb検索をすればマイクロソフトのサポートサイトにたどり着くため、エンジニアが案件を進めやすいところも大きなメリットでしたね。また、調達がしやすい点も採用に至った理由の一つです」

　そうした理由で導入を決めた同社だが、Microsoft Azureを用いて顧客の課題を解決できた例があるという。カコムス DX事業統括本部 キーアカウント営業部 キーアカウント営業グループ 営業1チーム リーダー 辻 侑希氏は、その導入事例をこう説明する。「業務効率化に関する課題を解決したパーソルビジネスプロセスデザインさまの事例があります。パーソルビジネスプロセスデザインさまには、自社が持つデータの分析を行いたいという要望がありました。そこで当社がデータ分析基盤の構築サービスを提案したところ『まさにそういうことがやりたかった』という言葉をいただけたんですね。そうして導入を進めたのが、Azure Data Factoryを使ったデータ分析基盤です。最終的にはPower BIと連携し、分析したデータを基にレポートの作成が行えるようにしました。これにより、データ分析基盤の導入前は手作業だった業務が効率化され、レポートの作成時間を約5時間短縮できました。パーソルビジネスプロセスデザインさまからは『最初は約1.25時間の短縮を見込んでいたので、想像以上に効果があって驚いた』と満足の声をいただいています」

　カコムス DX事業統括本部 MSソリューション部 第2グループ グループ長 平岡利浩氏も「パーソルビジネスプロセスデザインさまには、最終的にはデータ分析基盤を内製化していきたいという思いがありました。それに応えるため当社が3カ月ほどレクチャーしたところ、パーソルビジネスプロセスデザインさま自身でもデータ分析基盤を構築できるようになりました。この点もとても喜んでいただけましたね」と顧客の反応を話す。

　平岡氏は、Microsoft Azureを利用した今後のビジネス展望を次のように語る。「当社が関わってきたデータ分析基盤構築は、文字や数字の構造化データの分析基盤になっています。そのため今後は、画像や音声などの非構造化データの分析も行えるようにしたいです。より多様なデータの分析ができるようにすることで、お客さまのデータドリブン経営に貢献していきたいですね」

　中元氏は、今後のビジネス展開に向けたDISへの期待をこう話す。「DISさまとWin-Winの関係を築くために、成功事例になる案件を進めていきたいです。当社はその成功事例を基に新規案件を獲得し、DISさまは当社の成功事例をきっかけに新たな取引を開拓していく形になればと思います。当社がモデルケースとして、DISさまの横展開に貢献していきたいです」続けて仙入氏も、DISへの期待を次のように語った。「当社はAzureの構築支援から運用保守までトータルで対応が可能です。お客さまがAzureを活用する際の伴走支援も可能なので、当社が伴走支援もできる企業として、DISさまにはブランディングに協力していただきたいですね」