アドビ、DXを支援するクラウド事業の戦略を発表
事業戦略
6月30日、アドビは、日本における事業戦略について記者説明会を開催した。
同社 代表取締役社長 神谷知信氏は、日本事業におけるビジョンについて「1年前に、日本事業の新しいビジョン『心、おどる、デジタル』を策定しました。このビジョンを発表した理由は、当社が“デジタルは人の生活を豊かにするもの”だと考えているためです。当社の従業員はもちろん、社外の方々も当社のツールを使うことで、心躍るデジタル体験を実感してもらいたいです」と語る。続けて神谷氏は、ビジョンを実現するためのアドビの取り組みを次のように説明した。「最高のデジタル体験を実現するには、非常に重要な要素が二つあります。一つ目がコンテンツの重要性です。魅力的で消費者が見たいデジタルコンテンツを届けないと、消費者はブランド価値に共感しない時代になっています。二つ目がデータ分析です。提供するコンテンツをどのような形態や方法を使い、適切な顧客に届けるかといった分析も非常に重要です。当社の強みは、コンテンツを作成するツールと、データを分析して消費者に提供するプラットフォームの両事業を持っていることです。現在はクラウド事業で、ビデオ編集などクリエイティブな作業に適したアプリケーションやサービスを提供する『Adobe Creative Cloud』、電子サインなど文書業務に適したソリューションを提供する『Adobe Document Cloud』、Webサイトの分析などデジタルマーケティングに適したアプリケーションやプラットフォームを提供する『Adobe Experience Cloud』を展開しています。今後も三つのクラウドサービスを融合し、最高なデジタル体験をお客さまにお届けできるよう、引き続き努力していきます」
顧客への支援体制を強化
アドビは同社の製品を導入するユーザー企業や教育機関、官公庁に向けて、製品導入後のカスタマーサポートだけではなく、業務プロセスやシステムの運用状況など、製品導入前の組織の現状を把握する「As-Is分析」の段階からサポートする体制を強化している。顧客サポートのテーマに「相談できるアドビ」を掲げ、顧客と共にDXを推進するコンサルティングサービスとして、ユーザー企業の顧客の体験を改善する戦略の策定からアドビ製品を活用した成果の創出までを一気通貫で支援していくという。最後に神谷氏は「コンサルタントの人数をどんどん増やし、新しいパートナーシップの形を作っていきます」と展望を語った。