オンラインセミナーやイベントが増える中、動画制作にハードルを感じている企業もいるかもしれない。しかし、動画でのマーケティングや動画閲覧を絡めた経営戦略は、工夫と積み重ねによってはデジタル上で顧客との距離を急速に縮める。そこで、ビジネスに影響を与える動画作成・動画戦略の方法論について解説した書籍を読んでアプローチに生かそう。

iPhoneでお金をかけずに
ビジネス動画を作れるようになる本

オリカワシュウイチ
2,650円(税込)
ペンコム

 本書は、映像学校や初心者向けセミナーなどで映像制作に携わってきた著者が機材選びから企画・構成、撮影、公開までを解説。初心者向けにイラストや写真メインの構成で、序盤では撮り方を「動画レシピ33」と題して提示。各レシピには「準備するもの」「主な用途」「セッティング」「撮り方」「ヒント」などを随所にあしらい、攻略本さながらの分かりやすさとシンプルさだ。「講座8」では動画編集機能が豊富な「InShot」やコマ撮りに適した「Stop Motion Studio」、デザイン性の高いサムネイル作成に使える「Canva」などの編集アプリを紹介。編集アプリに不足を感じる場合は、企画や撮影方法を検討し、動画作成の手軽さを楽しんで使い込むことを推奨したい。

ビジネスYouTube入門 その2
ショート動画ビジネス革命!

菅谷信一
1,540円(税込)
スタンダーズ

 本書は、インフレ時代の価値訴求型の経営戦略に有効なツールとして「YouTubeショート」をビジネスに活用する方法を伝授している。第三章では、仏壇販売、アルミ鋳造、整体院、美容室のYouTubeショート活用事例を紹介。カメラの固定/移動や顔出しの有無、売り上げ推移などの情報がパッと見て参照できる。末尾のQRコードから企業動画の確認も可能だ。第四章では、YouTubeチャンネルの開設方法、YouTubeアプリでの撮影・編集方法をショート撮影の前提に沿った縦長のUI画像で視覚的に説明している。売り上げ・成約率・リピート率UPや、商品・サービスの認知獲得、人材獲得などの課題解決に向けたYouTube戦略を後押しする。

企業のファンを生み出す
ブランディングムービー

鶴目和孝
1,760円(税込)
幻冬舎メディアコンサルティング

 本書は、企業のファンを生み出すブランディングムービーの効果や制作プロセスなどを紹介している。制作プロセスは、①企画〜撮影準備、②撮影やイラストなどの素材制作、③編集〜納品の三つに分けてアドバイスを記した。例えば、①では要望を反映しやすいため、初期段階で理想の完成形を映像制作関係者に伝えることが重要だと著者は指摘する。また、制作を委託する映像制作会社の選出に際してのクラウドソーシングの有無と、それぞれのメリット・デメリット・見分け方のほか、マーケティングに強い会社や、オリジナル性が高い会社などの強みの違いを表で分類した。企業や商品の魅力が消費者に伝わるだけでなく、社員が自社への誇りを持てる映像制作の参考に。