ヘルプデスクに特化した商材を自社導入
顧客満足度向上に向けてサービス品質を改善

ダイワボウ情報システム

ビジネスの成長に伴って顧客が増えると、顧客からの問い合わせ件数も増える。言うまでもなく顧客対応の品質は製品やサービス、そして提供者への評価につながる重要な要素だ。そのため顧客対応のサービス品質の維持・向上を目的に業務を効率化し、ビジネスの成長に備えておく必要がある。そこでダイワボウ情報システムは自社で取り扱っているFreshworks の問い合わせ一元管理ツール「 Freshdesk 」を導入して、顧客満足度向上に向けたサービス品質の改善を実践している。

ヘルプデスク
[Freshworks Freshdesk編]

サービス品質向上と業務改善に
お客さま目線で取り組む

 ダイワボウ情報システム(DIS)では、Microsoft CSPプログラムの製品を購入した顧客とAWS(Amazon Web Services)製品の販売契約を結んだ顧客向けに、それぞれ専用窓口を設けている。

 これら二つの専用窓口であるサポート業務には共通の課題があった。その課題についてDISのグループ会社であるディーアイエスサービス&ソリューションでサポート業務とシステムの運用を担当する山本和賢氏は「サービス品質や業務を改善するには状況を把握して課題を特定する必要があります。しかし従来のシステムには問い合わせへの回答を担当部署や担当者ごとに総合的に進捗管理する機能がなかったため、状況把握に時間がかかっていました」と話をする。

 さらにディーアイエスサービス&ソリューションの田中慎一氏は「従来は受け付けた問い合わせの内容をオペレーターが確認して、適切な部署に対応を振り分けていました。問い合わせの内容が複雑な場合は、対応を依頼する部署の選定に時間がかかるケースがありました」と話を続ける。

 従来はスクラッチで開発したシステムに改修を加えて改善を繰り返してきた。そのため、把握した課題に対応して新たな機能を加えたり、既存の機能を変更したりするのに時間と工数がかかり、迅速な対応ができなかった。

 そこでDISの経営戦略本部で副本部長を務める谷水茂樹氏は「お客さま窓口のサービス品質向上や業務改善は、お客さま目線で取り組むべきです。その観点からスムーズな回答やサポートを提供するために必要な機能が実装されており、状況に応じて速やかに改善を実施できるシステムに刷新するべきだと判断しました」と説明する。

ノウハウがなくても導入・活用しやすい
ヘルプデスクに特化した製品を採用

 導入する製品の選定において、検討対象をヘルプデスクに特化した製品に絞った。その理由は標準で提供される機能でヘルプデスクを構築、運用できるため初期投資を抑えられ、ノウハウがなくても導入できるなどのメリットがあるからだ。

 しかし意外にもヘルプデスクに特化した製品は少ない。そこで国内ではあまり知られていないが、海外では実績が豊富な製品に着目して検討を進めた。その結果、DISはFreshworksの問い合わせ一元管理ツール「Freshdesk」を導入した。FreshdeskはSaaSで提供されるヘルプデスクに特化したツールで、標準機能でヘルプデスクを構築、運営できる。

 またオプションで豊富な連携サービスが用意されているほか、クラウドネイティブな開発環境でサービス提供されているため、マルチクラウドやハイブリッドクラウドでのサービスおよびデータの連携も可能だ。

 谷水氏は「Freshdeskは中小規模のヘルプデスク向けのサービスですが、一部カスタマイズを加えることで当社の大規模なサポート業務にも対応できています」と説明する。

ダイワボウ情報システムがMicrosoft CSPプログラムの製品を購入した顧客に提供しているサポートポータルの画面。

運用で得たノウハウを提供して
顧客のビジネスの成長に貢献

 Freshdeskの導入によってサービス品質の向上や業務改善に必要な情報をスピーディーに得られるようになった。Freshdeskにはアナリティクス機能が標準で搭載されており、ダッシュボードにビジュアル表示されるグラフや表により、リアルタイムに状況を把握できる。

 山本氏は「案件や担当者ごとに対応の進捗や回答までにかかった時間などが容易に把握できるようになりました。回答に時間がかかっている案件を把握して担当者を支援したり、対応が特定の社員に偏らないように調整したりするなど、サービス品質の向上や業務改善に役立っています」と説明する。

 また問い合わせの内容に対して自動的に対応部署を振り分けられるようになり、顧客への回答にかかる時間も短縮した。さらにFAQやチャットボットも提供しており、顧客がセルフで解決できるようになったことで問い合わせ件数が減少しているという。

 谷水氏は「今後はナレッジを蓄積してお客さまがセルフで解決できる範囲を広げていきます。自動化によって対応の迅速化と業務の効率化を図る一方で、人手による対応の価値をさらに高める取り組みを進めて、お客さまの満足度をさらに向上していきます」と意欲を語る。

 FreshdeskはDISのパートナーを通じてエンドユーザーにも販売されている。谷水氏は「ビジネスの成長に伴ってお客さま対応の件数が増えると、限られた要員で効率良く対応することが求められます。Freshdeskはヘルプデスクを新たに開設するお客さまをはじめ、サポート対応をExcelなどのビジネスアプリケーションで管理しているお客さまにお薦めできるサービスです。導入後もビジネスの成長に応じて規模の変更や機能の拡充に柔軟な対応が可能です。運用で得た当社のノウハウをお客さまにも提供して、ビジネスの成長に貢献していきます」と展望を語る。

(左)ダイワボウ情報システム 経営戦略本部 副本部長 谷水茂樹
(中)ディーアイエスサービス&ソリューション テクニカル本部 サービス運用部 クラウドサービスグループ 係長 山本和賢
(右)ディーアイエスサービス&ソリューション テクニカル本部 サービス運用部 クラウドサービスグループ 主任 田中慎一