「自立した事業展開とDISとの連携の両輪で
販売店さまとDISグループの成長に貢献する」
アルファテック・ソリューションズ(ATS)が2023年4月よりダイワボウ情報システム(DIS)グループの一員となった。ITインフラと情報系システムにおけるITライフサイクルの全領域に強みを持つATSが、DISグループの一員としてどのようなビジネスを展開していくのか、販売店さまのビジネスにどのように貢献していくのかを連載でリポートする。
さまざまな業種・業態に
インフラサービスを提供
──アルファテック・ソリューションズ(以下、ATS)の沿革を教えてください。
西山氏(以下、敬称略)●ATSは1971年に設立された53年の歴史を持つ会社です。設立当初は米国のデータゼネラルと技術提携し、同社の日本法人として主にミニ・コンピューターを製造・販売するメーカーでした。ミニ・コンピューターは大型のメインフレームに対してコンパクトかつ低コストで導入、利用できるメリットがあり、製造業を中心に多くの業種で広く利用されました。
その後、市場のオープン化の流れに合わせて、インフラからアプリケーションまでを網羅するフルサポートの独立系SIerへと変遷していきました。
現在はインフラドメインに特化したSIerとして、ヘルスケア、製造・流通・サービス、金融、自治体、文教など、業種を問わず幅広い事業を展開しています。
親会社に頼らない事業展開で
強靭な事業基盤を構築
──2023年に三菱ケミカルグループから離れて、ダイワボウ情報システム(以下、DIS)グループの一員となりました。親会社が変わるという大きな環境変化にもかかわらず、過去最高益を達成されています。そして、2024年度もさらなる成長を目指されています。ATSの経営基盤の強みを教えてください。
西山●三菱ケミカルグループには、グループ内のITを担う機能会社として三菱ケミカルシステムがありました。従ってATSはIT事業会社の位置付けでした。グループ内のシステムにも携わりましたが、ATSは事業会社として自ら利益を生み出さなければなりませんでした。そのため売り上げの8割以上はグループ外のビジネスが占めていました。
つまりグループ外のビジネスで収益を上げてグループに貢献することと、グループ外のビジネスで磨いた技術力や獲得したノウハウをグループ内のシステムにフィードバックすることがATSの役割でした。
その結果、三菱ケミカルグループ内のビジネスがなくなっても成長を続けられる事業基盤を構築できました。
──三菱ケミカルグループを離れてDISグループの一員になった経緯を教えてください。
西山●ATSにとってDISは以前より最も大きな仕入れ先でした。ATSはDISと長年にわたって取引を続けており、DISのビジネスやカルチャー、成長への取り組みなどにおいて、とても魅力的な会社であると評価していました。
また事業を並列に統合することは避けたいという意識もありました。同じ領域で同じ事業を展開する企業は統合しやすい半面、重複する顧客がいたり機能を二重に持つ部分が生じたりするなど、将来的にはどちらかに合わせることになり、シナジー効果が限られてしまうという危惧があるからです。しかし垂直統合ならば相互に補完し合え、大きなシナジー効果が期待できます。
DISの商材の補完と
パートナーのビジネスの支援
──DISグループの一員となってDISの印象はいかがでしたか。
西山●DISは事業を成長させることへの意識と意思が非常に高く、貪欲に取り組む姿勢に感心しています。また大きな組織にもかかわらず全員が同じ方向を目指し、一枚岩で進んでいることと、そのスピード感に驚かされます。
──DISグループにおけるATSの役割について、お考えをお聞かせください。
西山●まずはATSの商材をDISの商材として認定してもらい、全国の販売店さまに提案していただくことから進めています。DISは多くの商材を持っていますが、持っていない部分をATSがしっかりと生み出して補完することでシナジー効果を高めていきます。
すでにPCライフサイクル管理(PCLCM)サービスをDISの商材として販売店さまに展開しています。PCLCMサービスは三菱ケミカルグループで15年間にわたり、4万台のPCを運用してきた実績があり、競争力の高いサービスであると自負しています。
また商材だけではなく、エンドユーザーへの提案力にも自信があります。ATSは長年にわたってエンドユーザーと直接ビジネスをしてきました。その経験を生かし、エンドユーザーの課題を引き出し、解決策を見極めて提案できます。
ですので、まだ課題が具体化していない商談の早い段階からでも販売店さまと共にお客さま先へ伺い、課題をヒアリングしてご提案を進めるご支援ができます。DISの全国の拠点を通じて販売店さまにATSを知っていただき、商談の際にATSに声をかけていただけるようになりたいと考えています。
大きな成長を遂げることが
最大のシナジー効果
──DISとのシナジー効果による成長への取り組みをお聞かせください。
西山●ATSは「ヘルスケア」「自治体・文教」「エンタープライズ(製造・流通・サービス)」「金融」の四つのマーケットのお客さまの拡大・深耕を図るとともに、先進技術の取り込みと自社独自の商材化およびサービス化を進め、お客さまとの長期的な関係構築を図り、自立した成長を目指していきます。
同時にDISとの連携したビジネスを加えることで、さらに大きな成長を遂げることを目指します。その連携の中で、DISの販売店の皆さまから「DISと一緒にビジネスをすると成長できる」と認識してもらえることが大きなシナジー効果であると考えています。