トンマナとは

トーン&マナーの略称で、文章だけでなく、デザイン(表現)の一貫性・統一性を保つためのルールです。それぞれの言葉には「tone=色調」「manner=様式」という意味があります。もともと広告や出版業界で使われていた言葉でしたが、現在ではWebデザインやマーケティング、企業のブランド戦略などさまざまな分野で用いられています。

デザインをするうえで、トンマナはブランドや企業のイメージを一目で表す非常に重要な要素です。色やフォントの選定、線や影の使い方など細部に至るまでトンマナを統一することで、特定の色やフォントを見ただけでその企業やブランドを連想しやすくなります。これにより、消費者への認知度を高める効果があります。

トンマナの重要性

トンマナを設定することで、情報の発信者は伝えたい世界観をつくることができ、情報の受信者は求める情報を違和感なく取得することができます。つまり相手に対して正確なメッセージが届けやすく、ブランディングとしても定着されるようになります。さらにトンマナが定まっていると、全体的なデザインの一貫性が保たれ、ルールに沿って進めることができるため、効率的に作業が進むというメリットもあります。

トンマナを決めるコツ

前回記事「トンマナとは?【文章編】」のおさらいになりますが、トンマナを決めるコツについて、大きく3つに分けて紹介します。

  • だれに
    トンマナを決めるうえで重要なのが、「だれに」情報を伝えるかを理解することです。
    ターゲットが子どもなのか大人なのかでトンマナが大きく異なります。さらに、大人とひとくくりにしても年齢や性別、趣味などによっても最適なトンマナは異なります。

  • なにを
    「だれに」と同じくらい重要になるのが、「なにを」伝えたいのかを明確にすることです。
    たとえば「子どもと一緒に作りたいレシピ」をコンセプトにした場合、やさしさや親しみやすさを重視したトンマナを設定する、などのようにコンテンツの中身に合ったトンマナを設定することが大切です。

  • どのように
    「だれに」「なにを」伝えるかが絞り込めたら、それを「どのように」伝えたいのかを考えます。
    専門的で硬い印象にしたいのか、カジュアルでフレンドリーな印象にしたいのか、与えたい印象に合わせてトンマナを決めていきましょう。

デザインのトンマナ作成のポイント

配色

企業やコンテンツの印象を大きく左右するのが配色です。たとえば、コカ・コーラなら「赤」、スターバックスなら「緑」など、ユーザーが商品やサービスと合わせてイメージするものなので、どんな色を用いるかは非常に重要です。ただし色の種類が多すぎると、ごちゃごちゃしてまとまりのない印象になり、ユーザーが混乱してしまうため、基本は3色(ベースカラー・メインカラー・アクセントカラー)を目安に考えると良いでしょう。

フォント

デザインのトンマナを決める際には、企業やコンテンツの印象に大きな影響を与えるフォント選びが非常に重要です。たとえ同じテキストでも、フォントの種類(ゴシック体や明朝体など)・スタイル(斜体や筆記体など)・大きさ・太さなどによって受ける印象は大きく変わります。

画像

写真やイラストを使うことで、情報を一目でわかりやすく伝えることができます。使用する画像をコンセプトに合わせるのはもちろん、画像のサイズや配置についてもトンマナを決めておくと良いでしょう。さらに、使用しないものを決めておくことで、より洗練されたデザインをつくることができます。たとえば、子ども向けのデザインにしたい場合は写真は使用せずに、すべて手書き風のイラストを使用してやわらかい雰囲気を大切にする、などといったガイドラインを設定すると良いです。

余白

余白とは、文章と画像の間などのようになにも配置していない空白のスペースです。「ホワイトスペース」とも呼ばれています。適度な余白をつくることで情報が整理され、見やすいデザインを設計することができます。

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▼第21回記事『「トンマナ」とは?重要な理由と設定のポイント【文章編】』
https://www.pc-webzine.com/article/935

まとめ

今回は「デザインのトンマナ」の重要性や決め方について解説しました。ブランドや企業のイメージを明確に伝えるためには、丁寧にトンマナを設定することが重要です。さまざまなデザインを観察、分析して、トンマナについての理解を深めるのも良いですね。ポイントをしっかりとおさえ、デザインを楽しめるトンマナを目指しましょう。