コンテクスチュアル広告
Webサイト内の文脈やキーワード、画像、動画などをAI(人工知能)が自動解析し、ブランドとマッチしたメディア・コンテンツ上に広告を配信する宣伝手法。「コンテクスチュアルターゲティング」とも呼ばれる。ユーザーが閲覧しているページに関連性の高い広告を表示させるため、違和感なく受け入れられ、興味を持つ可能性が高くなる。
これに対して、インターネットの主流である「リターゲティング広告」は、サードパーティークッキー(3rd Party Cookie)を活用し、ユーザーが過去に閲覧したWebサイトのアクセスデータを一定期間蓄積し、興味や嗜好に即した広告を表示する。つまり、他サイトに遷移したユーザーをサードパーティークッキーが追跡する手法の広告である。近年、サードパーティークッキーは個人情報保護の観点から問題があるとして、規制が強化され、廃止に向かっている。
サードパーティークッキーが使用できなくなる「クッキーレス」時代の到来によって、クッキーに依存しないコンテクスチュアル広告に注目が集まっている。コンテクスチュアル広告は個人ではなく、コンテンツに対してターゲティングするので、ブランドスータビリティー(ブランドとの適合)も高くなり、広告効果の向上も期待できる。
しかし、日本ではいまだ多くの企業がクッキー規制への対応に着手できていない。Googleはサードパーティークッキーの廃止を2023年末まで延期すると発表。これにより、「脱クッキーが減速するのでは」という憶測もあり、今後の動向が気になるところだ。
(青木逸美)