Microsoft Officeで業務効率アップ!【第5回】
読み上げでWordの誤字脱字を減らす
Microsoft Officeを使いこなして仕事を効率化するのが目的の連載をお届けする。今回は、誤字脱字を減らす方法がテーマだ。もちろん、自分で見直しをするのは大前提だが、大事な資料では、少しでもミスを少なくしたいところ。そこで、おすすめなのが読み上げだ。
文/戸田 覚
Wordの読み上げは準備が必要
目視だけで読んでいるとつい見逃してしまう誤字や脱字だが、声で読み上げることで削減できる。とはいえ、自分で読むだけでは減らすことは難しい。特に脱字は、すらすらと読んでいくと、例えば文字が足りなくても普通に読んでしまうために、うっかり見逃しがちだ。
人と違って、間違いもそのまま読んでくれるのが機械音声による読み上げだ。つまり、コンピュータに読んでもらい、自分ではその声を聞くのだ。これで、同音異義語以外の誤字脱字はかなりの確率で見つかる。自分で読み直す作業に加え、一度コンピュータに読ませるといいだろう。その方法を紹介しよう。
Wordの読み上げ機能はとても簡単だが、準備が必要だ。読み上げ機能がリボンのコマンドにないので、登録する必要があるのだ。ファイルメニューのオプションから、クイックコマンドに登録しておけばいい。標準機能の「音声読み上げ」を追加すれば、画面上部左側にあるクイックコマンドにアイコンが追加されるので準備完了。
あとは、チェックしたい文書のファイルを開いたら、クリックアクセスツールバーのコマンドをクリックすればOK。読み上げている位置がグレーで表示されるのでわかりやすい。画面をあまり見ずに声を聞くのがコツだ。
音声を聞いていて、変な部分があったら画面に目をやると誤字脱字のチェックができる。自分で一度確認して、その上でもう一度読み上げを利用すると、さほど手間をかけずにダブルチェックができるわけだ。
iPhoneで読み上げる
便利な読み上げだが、iPhoneで利用できれば移動中にも書類のチェックができる。さらに、普段は、イヤホンを使って音楽を聴いている環境が構築されているので、とても使いやすい。上記のようにパソコン+Wordで読んでもいいのだが、社内で作業していると周囲にうるさく感じられる。イヤホンを使いたいところだが、ビジネス向けのパソコンでは、そもそも音声再生機能すら入っていないものもある。
iPhoneでの読み上げも簡単。まず、iPhoneでWordのファイルを開くには、OneDrive経由で利用するのがベストだ。今回は本題ではないので割愛するが、機会があったらその方法を説明する。
iPhoneの読み上げにも実は準備が必要で、設定でスピーチを有効にする。これで準備完了だ。Wordで書類を開いたら、文章全体を長押しして範囲指定する。すると、メニューに読み上げが表示されるのでタップすれば良い。
Androidでも読み上げは可能だが、専用のアプリを用意してテキストを送る必要があるので、簡単なiPhoneがおすすめだ。
機械音による読み上げは、ちょっと違和感があるが慣れてしまえば気にならないはずだ。
※記事中の操作やメニューなどはバージョンや環境によって異なることがあります
筆者プロフィール:戸田 覚
1963年生まれ。IT・ビジネス書作家として30年以上のキャリアを持ち、「あのヒット商品のナマ企画書が見たい」(ダイヤモンド社)など著作は150冊を超え、IT系、ビジネス系を中心に月間40本以上の連載を抱えている。テレビ・ラジオ出演、講演なども多数行っている。