Microsoft Officeで業務効率アップ!【第6回】
RPAの前にExcelマクロを使おう(1)
RPAが空前のブームの様相を呈している。RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の頭文字を取った言葉で、パソコンのさまざまな作業をロボットを使って自動化させる仕組みだ。しかし、専用のソフトが必要なRPAを使わなくても、Excelでもマクロを使った作業の効率化が可能だ。
文/戸田 覚
マクロは作業を記録して再生するだけ
RPAは、確かに人手不足に対応する強い武器になり、コスト削減、ミスの軽減などにもつながる。例えば、受信したメールの中から発注書を含むものを取りだして在庫を引き当てて発送処理をする――といった処理をロボットがやってくれるのだ。いままで、人手を煩わせていた処理が一気に効率化できる可能性を秘めている。
RPAを使うためには専用のソフトウェアが必要なのだが、実はRPAを使わなくてもExcelで簡単に作業を効率化できる仕組みが用意されている。それがマクロだ。これまで使ったことのない、文系の方にもぜひ活用して欲しい。
マクロは、作業を記録して再生するだけだ。だから、例えばデータの入力には基本的に使えない。毎回違うデータを入力する作業はマクロには向かないのだ。
ただし、完成した表を成形して印刷したり、データを並べ替えるなどの処理はマクロでできる。
今回は、例として、入力したデータを並べ替えて印刷する作業をマクロに任せてみよう。「そんな作業は手で行っても5分とかからない」と思う方も少なくないだろう。だが、マクロを使えば一発で完了する。ひんぱんにこんな作業を行うなら、時間の節約効果は高い。また、並べ替えを間違えるようなケアレスミスも撲滅できる。
何より素晴らしいのは、マクロを作る作業がとても簡単なことだ。
まず、ひな形にしたいファイルを「マクロ有効テンプレート」として保存しておこう。これが最初の準備だ。
マクロは作業を記録すればいい
今回紹介するマクロは、キーマクロとも呼ばれる種類のもので、記録した操作をそのまま再現するタイプだ。実はRPAもさまざまなアプリを使うとはいえ、似たような操作のステップが長く複雑なものを再現するものだ。
今回のような作業は簡単なので、記録さえすればよく、マクロのファイルをいじる必要もないのがいいところだ。
「表示」-「マクロ」-「マクロの記録」をクリックしたら、あとは、普段行っている作業通りに、表のデータを並べ替えてファイルメニューから印刷すればいい。
作業が正しくできたら、今度はマクロの記録を終了する。これで、マクロの登録は完了だ。念のために、マクロを開いて実行してみよう。ファイルが正しく並べ替えられ、印刷まで完了すればOKだ。
次回は、マクロを有効にしたテンプレートをより簡単に使う方法を紹介しよう。
※記事中の操作やメニューなどはバージョンや環境によって異なることがあります
筆者プロフィール:戸田 覚
1963年生まれ。IT・ビジネス書作家として30年以上のキャリアを持ち、「あのヒット商品のナマ企画書が見たい」(ダイヤモンド社)など著作は150冊を超え、IT系、ビジネス系を中心に月間40本以上の連載を抱えている。テレビ・ラジオ出演、講演なども多数行っている。