全国のパートナーとのつながりを生かして DirectCloud の拡販を強化

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進には、企業活動を円滑に進めるためのデータ運用が重要だ。データ運用を実現するには、社内データの取り扱いを統制する「データガバナンス」の導入が必要となる。法人向けクラウドストレージ「DirectCloud」を提供するダイレクトクラウドは、2024年6月12〜14日に幕張メッセで開催された「Interop Tokyo 2024」にて、データガバナンスの導入に寄与するDirectCloudの機能について出展やミニセミナーを通して紹介した。本記事ではInterop Tokyo 2024の出展内容のポイントを、ダイレクトクラウドの植木氏・日比野氏の説明を交えながら振り返っていく。

データガバナンスの導入が
DXの推進に不可欠

ダイレクトクラウド
営業部
ゼネラルマネージャー
植木稔雄

 Interop Tokyo 2024のダイレクトクラウドブースでは、主に四つのポイントに沿った出展が行われた。

 まず一つ目のポイントは、データ活用の最大化とリスクの最小化の実現に役立つ「DirectCloud データガバナンス」だ。ダイレクトクラウド 営業部 ゼネラルマネージャー 植木稔雄氏は、企業におけるデータガバナンスの重要性を次のように語る。「DX推進に向けたデータ活用では、データ管理の効率化とデータの信頼性の確保が重要です。これらの実現に向けて、企業は散在するデータをクラウドストレージで一元管理する必要があります。一元管理によって、データの活用先を明確にしたり、正しいデータをいつでも引き出せるようにしたりすることが求められます。加えて、データへのアクセス権限をしっかり定め、従業員に対してデータの扱い方のルールを決めることも重要です。コンプライアンスを遵守した環境でデータを活用するためにも、企業はデータガバナンスを導入する必要があります」

 DirectCloudでは、データガバナンスの導入に適した機能を四つ提供している。まず一つ目は、監査時に必要となる機能を実装した「DirectCloud監査」だ。DirectCloudではスタンダード、アドバンスド、ビジネス、プレミアム、エンタープライズの五つの料金プランを提供しており、DirectCloud監査はデータガバナンスの基盤構築に向いたエンタープライズの無料オプションとして提供される。DirectCloud監査は、全従業員の個人フォルダー/ゴミ箱内のファイルの検閲や、管理者のゴミ箱のファイル削除の無効化などの機能を備えている。使用中/削除済みを問わず社内のあらゆるファイルを検閲可能な上、操作ログの監視をはじめとした機能により、不正な情報の持ち出しを抑制可能だ。

ダイレクトクラウド
営業部
パートナー営業グループ
アシスタントゼネラルマネージャー
日比野 明

 さらには、削除されたユーザー(退職者)の保存ファイルの検閲も行える。勤務中の従業員の情報漏えいだけでなく、退職者の機密情報の持ち出しについても確認できるのだ。

 二つ目は、DirectCloudの管理者が行った操作を記録できる「管理者操作ログの取得」だ。本機能はビジネス、プレミアム、エンタープライズの3プランで標準の管理者機能として提供される。ログイン/ログアウトやIPアドレス登録など114種類のログを取得可能※1で、ログインログを期間やユーザーIDといった、さまざまな条件で絞り込み検索できるのだ。

 三つ目は、ユーザーが削除したファイルの復元が行える「高度なゴミ箱」だ。ユーザーによって削除されたフォルダー・ファイルが管理者のゴミ箱に移動する機能で、全料金プランの標準機能として提供される。スタンダード、アドバンスド、ビジネス、プレミアムではゴミ箱のデータ保存期間に上限があるが、エンタープライズでは上限なしでフォルダー・ファイルが保存できる。本機能により、管理者のみがファイルの完全削除を行えるようになるので、データ消失のリスクを抑えられるのだ。

徹底したセキュリティ対策と
AIによる業務効率化を実現

 そして、データガバナンスの基盤構築に適した四つ目の機能であり、今回の出展のポイントの二つ目となるのが、情報漏えい対策が可能な「DirectCloud-SHIELD」だ。ビジネス、プレミアム、エンタープライズの3プランで利用可能な有料オプションで、機密文書の厳重な管理が行える「DirectCloud-SHIELD IRM」と、ファイルの外部持ち出しを防ぐ「DirectCloud-SHIELD DLP」の2種類をラインアップする。

 DirectCloud-SHIELD IRMは、DirectCloud上にあるファイルに、極秘、秘、社外秘の3種類のセキュリティレベルを付与できる。加えて、セキュリティレベルごとにセキュリティポリシーの設定も可能だ。そしてDirectCloud-SHIELD DLPは、DirectCloud上にファイルの持ち出しを制限する「DLPエリア」を設けられる。DLPエリアに保存されたファイルはDLPエリア外に持ち出せなくなるものの、DLPエリア内では通常のファイルと同様に編集・保存が行えるのだ。

 ダイレクトクラウド 営業部 パートナー営業グループ アシスタントゼネラルマネージャー 日比野 明氏は、DirectCloud-SHIELDの特長を次のように話す。「DirectCloud-SHIELD IRMを活用すれば、社内の人間が悪意を持って情報を流出させた場合でも、権限を持った社員しかファイルを開けません。DirectCloud-SHIELD DLPは、DLPエリア内であれば、DirectCloudの強みであるエクスプローラーからの操作(DirectCloudドライブ)でファイルの編集・保存が行えるため、使いやすさと高セキュリティを両立したサービスになっています」

 三つ目のポイントは、利用頻度の低いファイルを保存する「DirectCloudウォームストレージ」だ。データガバナンスの基盤構築で重要な要素に、社内のデータを一つのクラウドストレージに集約させることがある。しかし、大量のデータを全て機能制限のない「ホットストレージ」に格納すると、ストレージのコストがかさんでしまう。そこで、あまり使わないファイルは機能を制限したウォームストレージに格納することで、コストを抑えながらデータ活用を促進できるのだ。

 四つ目のポイントは、DirectCloud内のデータを基に回答を行う生成AI「DirectCloud AI」だ。データを適切に管理できる環境が整ったら、今度は十分な活用が行える環境を整えたい。そこで利用したいのが、DirectCloud AIである。DirectCloudに保存されたドキュメントの内容をAIが解析して回答を生成するため、間違った情報を拾ってしまうなどして、AIが事実に基づかない情報を生成する現象「ハルシネーション」のリスクを回避可能だ。また、社内文書に基づいた回答を生成可能なメリットを生かし、社内/社外からの問い合わせ対応やFAQ対応の工数削減も実現できる。過去にヘルプデスク業務でやりとりしたメールデータをDirectCloudにアップロードすれば、過去の対応を基にした回答をDirectCloud AIで生成可能だ。

当日はダイレクトクラウドの社員によるミニセミナーや、デモスペースでの製品デモなどが行われた。

パートナーとのつながりを生かし
販売チャネル・新市場の拡大にまい進

 植木氏はDirectCloudの今後の展望について、以下のように話す。「DirectCloudは、顧客の業務効率化やセキュリティ強化に役立つ機能・オプションをそろえたサービスです。今後も多くの方に求められる機能を増やし、単純なクラウドストレージにとどまらない、顧客のDX推進を後押しするサービスにしていきます。さらに、販売パートナーとの連携を強化し、オンプレミスの代わりに安心して使えるクラウドストレージとして成長します」

 続けて日比野氏も、DirectCloudの拡販に当たってのダイワボウ情報システム(DIS)への期待を「DISさまの全国のパートナーさまとのつながりを生かし、販売チャネルの拡大や新たな市場の開拓をしていきます。また、DISさまが扱うさまざまなサービスとDirectCloudの組み合わせ提案もしていきたいです。DirectCloudはiKAZUCHI(雷)やiDATEN(韋駄天)に対応しているので、それらも活用して、さらに全国のお客さまへアプローチしていきたいですね」と語る。

 本記事で説明したオプションを含め、多くの魅力を持つDirectCloudは現在、累計2,372社※2に導入されている。加えて、DirectCloud監査をはじめとした多様なオプションを利用可能なエンタープライズの利用企業も増加傾向にあるのだ。

 さまざまな機能がユーザーに活用され、ユーザー数100万人も視野に入るDirectCloudの今後から目が離せない。

※1 6月取材時点。 ※2 2024年6月末時点。