テーマ 出張や旅行に最適な充電器とバッテリー

ノートPCに給電できる高出力&大容量はマスト!

新型コロナウイルス感染症が5類へと移行し、海外出張や旅行にも出かけやすくなってきた。今回は、泊まりがけの旅行や出張に最適な充電器とバッテリーを紹介しよう。実際に使って感じた課題やメリットを踏まえて解説していく。

複数端末を充電できる性能

アンカー・ジャパンのAnker 733 Power Bankは、出張に最もお薦めの充電器一体型のモバイルバッテリーだ。10,000mAhと十分な容量を備える。

 新型コロナウイルス感染症が5類へと移行し、海外出張や旅行に行きやすくなってきた。帰国時の水際対策がなくなったので、ワクチン接種をしていない方も気にせず海外に行けるわけだ。

 また、マスクをする人も徐々に減ってきており、国内出張にも躊躇せずに出かけられる。ようやくコロナ禍からの脱却のタイミングが見えてきた実感がある。

 今回は仕事やプライベートの旅行で泊まりがけで出かける際の充電器やモバイルバッテリーの選び方を紹介していこう。

 本誌の読者貴兄は、出張や旅行に出かける際にノートPCを持っていくことが多いだろう。仕事で出かけるならノートPCの重要度は以前にも増している。今や、Web会議が当たり前に行えるようになった。以前なら「出張中だから会議に不参加」となるのが当たり前だったが、今や「出張先からオンラインで参加」するのがスタンダードだ。

 つまり、ノートPCを持ち出さない出張など考えられないのだ。個人的な旅行でも、休みを取って出かけるならノートPCを持って行った方が安心だ。僕も必ずノートPCを持って出かけている。休みの最中に仕事をしたくないのは当然だし、する必要もない。だが、自分が原因のトラブルでも発生したら、できる限りの対応をしておいた方があとが楽だ。ノートPCを持っていないとそれがかなわないわけだ。

 また、ノートPCがあれば機内で大画面の動画視聴もできる。Netflixやプライム・ビデオの動画をダウンロードしておいて暇つぶしに見る時間はとても楽しい。もちろん、タブレットでもいいのだが、重い思いをして持ち出すならいっそノートPCを選んだ方が実用性も高い。まあ、僕はノートPCとタブレットの両方を持ち出しているのだが……。

 言うまでもないが、ほぼ全ての人が旅行や出張先にもスマホを持っていくだろう。つまり、ノートPCやタブレット+スマホを充電する必要があるわけだ。

実測315g(公称値は約320g)とやや重いが、充電器+バッテリーと考えれば妥当だ。
Anker 733 Power Bankをコンセントに差せば内蔵のバッテリーに充電できる。3ポートあるので、ノートPCとスマホなどに同時充電可能。

バッテリー兼充電器がベスト

 僕が最もお薦めする充電器・バッテリーは、両方を兼用しているタイプだ。例えば、「Anker 733 Power Bank(GaNPrime PowerCore 65W)」(以下、Anker 733 Power Bank)は、10,000mAhのモバイルバッテリーと65Wの充電器を兼用している。約320gの重量と約幅63×奥行き31×高さ111mmのサイズ重量共に、充電器やバッテリー単体として考えると大きくて重いのだが、両者が合体しているなら妥当だ。

 最近、プライベートでトルコ、仕事で台湾に出かけたのだがこの製品がとても重宝した。

 旅行先ではコンセント不足に悩まされることが少なくない。特に海外旅行では、変圧器やコンセントの変換アダプターを持参しなければ日本の電気製品が使えないケースもある。そんな時には当然変圧器1個分のコンセントしか使えない。一つのコンセントをどうにか使い回さないといけないのだ。もちろん、電源タップを持っていけば対応可能だが、荷物は減らしたいところだ。

 こんな状況では、ノートPCなどに充電しながら、モバイルバッテリーやスマホにも充電するのがとても大変だ。Anker 733 Power Bankは、折りたたみのプラグを内蔵しているのでそのまま電源に差し込む。これで、内蔵バッテリーへの充電が可能。さらに、充電器として三つのポートが使えるのだ。

 Anker 733 Power Bankをコンセントに差し込んで、ノートPCやスマホをUSBケーブルで接続しておけば、朝までには全部の充電が終わる。ノートPCとスマホがフル充電され、Anker 733 Power Bank自身の10,000mAhのバッテリーも満タンになるわけだ。これがとてもシンプルで使いやすい。充電器は最大65Wの出力なので、多くのノートPCを十分に動かせるし、充電できる。

 移動中には、10,000mAhのモバイルバッテリーとして最大30Wで出力可能だ。スマホやタブレットには急速充電でき、ノートPCもちょっとプラスアルファで使う程度ならこと足りる。10,000mAhの容量も頃合いだ。

 飛行機や列車での移動が多い普通の出張ならAnker 733 Power Bankがベストチョイスだろう。

充電器としても利用でき、最大65WでノートPCなどに給電可能。USB Type-C&USB Type-Cケーブルが同梱されているほか、サードパーティー製のケーブルももちろん使える。
※画像は編集部備品のケーブルを使用。
コンセントから外すとモバイルバッテリーになり、最大30Wで充電できる。

電源状況が不明なら

 出張先の電源の状況が不明なケースもあるだろう。先進国の都市部に出かけるなら、ホテルでは間違いなく充電できるはずだ。ところが、例えばバスや列車での移動が長いような場合には、コンセントが使えない可能性はかなり高い。

 また、海外の現場に出張する際には、仮設の建物などでまともに充電できないケースも出てきそうだ。

 こんな時には、大容量のモバイルバッテリーを持っていくことをお薦めする。「Anker 737 Power Bank(PowerCore 24000)」(以下、Anker 733 Power Bank)は、24,000mAhのモバイルバッテリーで、多くのノートPCに1回分は充電できる。つまり、ノートPCの駆動時間が倍になると思えばいいだろう。iPhone 14なら5回以上充電できるという。スマホに2回充電して、ノートPCに半分から7割程度充電するような使い方も可能だ。

 コンセントが使えるかどうか分からないなら、僕はこの大容量モデルを持っていく。最大140Wという高出力で、ノートPCを短時間で充電できるのが素晴らしい。USB Type-C端子は二つ搭載しており、合計最大140Wで充電可能。ノートPCとタブレットを同時に急速充電できるし、ノートPCに接続しながら利用しても、ノートPCのバッテリーが減ることはないだろう。

 さらに、USB Type-A端子も搭載しており、こちらは18Wで充電できる。ケーブルさえ用意すれば三つのデバイスを同時に充電可能だ。

 Anker 737 Power Bankの特長は、液晶ディスプレイがついていることだ。このディスプレイによって、バッテリー本体に充電する際には、あとどの位の時間がかかるのか見ることができる。

 また、ノートPCやスマホに充電する際の出力や残量も分かるので、それぞれの機器の充電の具合を自分で工夫できる。例えば、ノートPCに半分程度充電したら、残りをスマホに割り当てる——といった工夫が可能だ。

 さらに、バッテリーの温度なども表示するので、環境が過酷な場所で利用する際の安全性も把握しやすい。

 かなり高価だがその価値はあるモバイルバッテリーだ。課題は大容量だからこそ約632gと重いこと。タブレット1台程度の重量なので、アクティブに持ち歩くのには向かない。あくまでも長時間の移動など、用途を見極めて利用して欲しい。

 出張では、常に最悪を想定して準備をしたい。日本の都市部では、いざとなったらコンビニで充電器やケーブルが買えるし、カフェにはコンセントがある。出張先でも同様に利用できるとは思わない方がいいだろう。最悪のケースでも仕事が止まらない準備はしておくべきだ。