前回の記事「第67回 Instagramのインサイトの見方について(Instagram-第17回)」では、インサイトの基本や見方について解説をしました。しかし、数字を見ても何をどう活用してよいかわからないという人も少なくありません。本稿では、インサイトから得られた情報をもとに、運用や改善にしっかり生かす方法について解説します。

なお、Instagramのインサイトは90日分しか表示されませんので、長期間データを取っておきたい場合は、定期的に記録しておくようにしましょう。

運用目的と目標の設定をしよう

インサイトで得られたデータを使いInstagramの運用改善に活用する場合、運用目的とそれに対応した目標を設定します。つまり、ただ単にフォロワー数の増加やエンゲージメント率の向上、Webサイトへの流入増加などを見るのではなく、目的に合わせて見る項目を決め、数値目標(KPI)を立てることが重要です。

目的に合わせた項目の設定例

目的 見るべき項目
認知の拡大 ・フォロワー数
・インプレッション数/リーチ数
・エンゲージメントの数
・言及数など
ユーザーとの繋がりを強化 エンゲージメント数や率など
自社サイトへの誘導 リンクのクリック数
その他 ・ユーザーが商品名、サービス名、自社名などについて言及した数や、それらに対して別のユーザーがコメントした数
・ユーザーの性別、地域などの推移

※SNSにおける「エンゲージメント」とは、自分の投稿に対してユーザーが行う「いいね」「コメント」「シェア」「保存」などのアクションを指します。

コンテンツの改善に活用しよう

Instagramのインサイトには、投稿ごとに確認できる画面が用意されています。どの投稿がより多くの人に届いているか、あるいはエンゲージメントが高いのはどの投稿かなどを把握し、うまく行っている投稿の特徴を分析します。

  • 投稿の時間帯
  • 使用したハッシュタグ
  • コンテンツの種類(静止画、動画、リール、ストーリーズなど)
  • 投稿文の内容

これらを「把握・分析」し、新しい投稿案を作る時の参考にしましょう。

データを比較し施策の立案に活用しよう

インサイトの過去のデータを比較してみましょう。数か月間の動きを見て何か傾向が見えてくるようであれば、把握しておきましょう。特に、1年前の同時期にどんな投稿をし、どのような反応を得られたかがわかれば、キャンペーンの計画も立てやすくなり、次の施策に生かすためのアイディアが出てきやすくなりますよね。データが蓄積されてきたら、長いスパンで見ていくことも重要です。

SNSの運用がうまく行っている企業アカウントは、必ず「分析」と「改善」をセットで実施しています。ぜひインサイトを活用しながらPDCAを回し、SNSマーケティングの戦略立案や施策に生かしてください。

まとめ

SNSの運用に欠かせないのが「分析」と「改善」です。Instagramをプロアカウントに切り替えると使えるようになる「インサイト」は必ず定期的に確認するようにしましょう。データを確認しながら、目標は達成できているか、投稿ごとのパフォーマンスはどうか、長期で見た時にどうかなどを分析し、施策を立案したり、改善された投稿案を作成するのに役立てていきましょう。