Microsoft Officeで業務効率アップ!【第12回】
Excelから簡単に分析できるPowerBI超入門(2)
PowerBI入門の2回目をお届けしよう。PowerBIは耳慣れないので、なんだか難しそうなツールに思える。だが、Excelでグラフを作るよりも簡単に見栄えのよい資料が作成できるので、ぜひ使っていきたい。ただし、紙の資料を作るためだけに使うのではもったいない。完成した資料は動的に使えるので、プレゼンの利用にもおすすめだ。
文/戸田 覚
グラフを作成する
前回は、Excelからファイルを取り込む手順までを紹介した。ファイルを取り込んでも、画面上に新しいシートが開くわけではない。画面の右に「フィールド」が表示されて、Excelの項目が並ぶ仕組みだ。ここから使いたい項目を選択する。
Excelの項目名が自動的に取り込まれるので、選択すれば表が表示される。最初はわかりやすいように、「商品名」「売上」など2つの項目を選ぶといいだろう。表が表示されたら、「視覚化」でグラフを選べば、棒グラフや折れ線グラフなどが完成する。Excelで大きな集計表からグラフを作るよりもはるかに手っ取り早いはずだ。グラフの種類も選択するだけで変更可能だ。
うまくできなくても、焦らずに項目の選択を変更すればいい。
フィルターを使う
グラフが表示されたら、「フィルター」を使ってみよう。「フィルター」では、多くの商品から特定のものだけを取りだしたグラフや表が作れる。また、期間を絞ったり、集計の方法を変えることも可能だ。こちらも、Excelを使った経験があれば迷わず利用できるだろう。PowerBIの最大の欠点は、画面がごちゃごちゃしているので、難しそうに思えることだ。
インタラクティブに使えるのが醍醐味だ
さて、いくつかの表やグラフを作成したら、情報を可視化したわかりやすいドキュメントの完成だ。見た目は、「テーマ」で色合いなどを変更できる。作業を終えたら、「ファイル」-「発行」でファイルをクラウドにアップロードしておくといい。
完成したデータで、項目をクリックしてみるとPowerBIのメリットがよくわかる。クリック一発でグラフなどの見え方が変わる様子は、Excelになれていると驚かされるはずだ。いくつかの表とグラフが並んだ状態でどれかの商品名をクリックすると、そのデータのみをハイライトして表示されるのだ。これは非常にわかりやすく、説明に有効だ。
また、スマホ向けのレイアウトを作成して表示することもできる。スペースの都合上、具体的な手順は説明しないが、スマホでPowerBIのアプリをダウンロードし、クラウドに発行したファイルを読み込めばOKだ。こちらも項目をタップするとハイライトされるのは同じだ。
データの分析には欠かせない秀逸なツールだ。いち早く利用することで、ライバルに差を付けることができるはずだ。
筆者プロフィール:戸田 覚
1963年生まれ。IT・ビジネス書作家として30年以上のキャリアを持ち、「あのヒット商品のナマ企画書が見たい」(ダイヤモンド社)など著作は150冊を超え、IT系、ビジネス系を中心に月間40本以上の連載を抱えている。テレビ・ラジオ出演、講演なども多数行っている。