インテル、リモートでエッジ製品を展開
デジタルイベント
インテルは、8月27日~9月3日の間でオンラインイベント「Edge AI Week」を開催した。
初日の基調講演に登壇したインテル 副社長兼IoT事業部 ジェネラルマネージャー デベロッパー・イネーブリングのビル・ピアソン氏は、インテルのエッジソリューションの有用性について次のように話す。「従来、IT/OTなどを扱う業界では、組み込み機器を活用することが主流でした。しかし昨今では、テクノロジー発展に伴い、エンタープライズアプリケーションをIoTデバイスやエッジサーバーなどデータソースの近くで実行する『エッジコンピューティング』に移行しつつあります。エッジソリューションは、より高度な活用が可能となってきています。例えば、ネットワーキングやAI分析などとの統合により、エッジソリューションが取得したデータの分析や予測などインテリジェントに活用できます。さらに5Gの展開はエッジコンピューティングを強化するためのリアルタイムなサポートに必要な低遅延を実現します。インテルのIoT戦略では、ディープラーニングを使用して視覚データを分析する『コンピュータービジョン』とAI推論の二つを重要なポイントとして挙げています。インテルは、これらのテクノロジーを実装したソリューションを提供するためAI開発プロセスを減らし、迅速なAI展開を可能にします」
AI推論作業を効率化
AIのディープラーニングモデルの開発フェーズには、学習フェーズと推論フェーズの二つがある。インテルのソフトウェア開発キット「OpenVINO」は、主に推論フェーズをサポートするツールだ。Edge AI Weekでは、OpenVINOが備える機能の一つでCPU、GPU、VPUなどを単一のAPIで活用できる「Inference Engine API」に関するアップデート概要が発表された。登壇者のインテル テクニカル・セールス・チーム コンピューター・ビジョン・スペシャリストの志村泰規氏は、以下のように説明する。「OpenVINO 2021.4では継続的な最適化、チューニングを実施し、パフォーマンスを向上しています。144のレイヤーに対応しており、サポートレイヤーも増強しました。また、同時推論が可能なパラメーター『Stream』を活用可能で、『同時推論1』『同時推論2』といったように複数の推論プロセスをコントロールできます」
OpenVINOでは、年に一度、脆弱性パッチの適用などを行えるロングタイムサポート版も提供開始しており、2年間のサポートを受けられる。