Ansibleでコロナ禍でも業務を継続
ITインフラの自動化でビジネスを変革

「Red Hat Ansible Automation Platform」レッドハット

情報システム部門の業務は、サーバー、ネットワーク機器、クラウド環境といったITインフラの構築からメンテナンスなどの保守まで多岐にわたる。そうした業務を自動化し、情報システム部門の作業負荷を軽減するツールとして、今需要が高まっているのが「構成管理ツール」だ。働き方改革などを契機に注目を集めているツールだが、人の移動が制限されるコロナ禍の状況が需要拡大に拍車をかけているという。構成管理ツールの「Red Hat Ansible Automation Platform」を提供するレッドハットにその理由を伺った。

オンサイト業務の課題が浮上
構成管理ツールの需要拡大

パートナー・アライアンス営業統括本部
ストラテジック・パートナー営業本部
本部長 三木雄平氏

 Red Hat Ansible Automation Platformは、サーバー、ネットワーク機器、仮想化基盤、クラウド環境といったITインフラの構築、設定、管理などの作業を自動化するツールだ。IT関連業務を担う情報システム部門で課題となっている業務効率の改善や人材不足に対する解決策として多くの企業で導入されている。働き方改革を実現するために有用なツールの一つとして注目されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、需要がさらに拡大しているという。

「多くの企業でテレワークが実施され、従業員の出社を制限するといった感染防止対策が行われています。サーバーやネットワーク機器などの構築、運用、管理を情報システム部門がオンサイトで対応している企業にとって、現場で作業が行えないコロナ禍の状況は、業務停滞の要因の一つと言えるでしょう。こうした現状を受け、情報システム部門の現場では構成管理ツールを用いた業務改善が求められています」と話すのはレッドハット パートナー・アライアンス営業統括本部 ストラテジック・パートナー営業本部 本部長 三木雄平氏だ。

「2020年3月以降、新型コロナウイルスの感染拡大を契機にRed Hat Ansible Automation Platformに対する問い合わせが爆発的に増加しています。自動化やRed Hat Ansible Automation Platformに関するオンラインイベントを開催した際には、約1,700人の参加者が集まりました。多くの企業から高い関心が寄せられている商材です」と三木氏は手応えを話す。

自動化2.0の実現が可能に
組織全体の業務改善が叶う

 レッドハットはITインフラの自動化を、「自動化1.0」と「自動化2.0」という二つのフェーズに分けて定義している。自動化1.0は、自動化ツールがリリースされ始めた2000年ごろから行われている自動化を指す。人手で行っていた実作業を自動化によって効率化しようとする取り組みだ。個人作業の効率化を主眼としており、インフラ担当者ごとに独自の自動化ツールを作成して運用するケースが多かった。その結果、自動化を進めても、ツールの更新作業などは作成者にしか分からないため属人化に陥りやすく、横展開やITインフラ全体の最適化が図れないといった問題が生じていた。

 一方、自動化2.0は今後目指すべき自動化の取り組みを指している。自動化ツールの運用で発生する属人化を排除し、自動化技術を組織全体で利用できるように標準化していく取り組みだ。「自動化1.0の課題を解決し、自動化2.0を実現するために有用なのが、Red Hat Ansible Automation Platformです。誰でも利用可能な自動化ツールとして横展開することで、組織全体の業務改善へとつながります」(三木氏)

 Red Hat Ansible Automation Platformは、コマンドラインで自動化できる実行エンジンの「Ansible Engine」と導入されたAnsible Engineの権限管理や統合管理が行えるソフトウェア「Ansible Tower」で構成されている。

 Ansible Engineは、簡単な配列や数字で記述できるYAML形式で定義された「Playbook」と呼ばれる定義ファイルを手順書の代わりに使用する。少ない構文で必要な処理を定義できるシンプルさが特長だ。加えて、サーバーやネットワーク機器、仮想化基盤、クラウド環境といった異なる対象を一つのツールで自動化できるパワフルさも兼ね備えている。

 対象とする機器の情報を取得したり、変更を加えたりする専用のソフトウェアが不要なエージェントレスであることもメリットだ。「エージェントタイプの自動化ツールは、常にメンテナンスが求められたり、導入したエージェントがセキュリティホールとなったりする恐れがあるため、導入後の作業負担がネックとなります。エージェントレスのRed Hat Ansible Automation Platformは、管理対象への特別な設定も要らず、既存の環境にすぐに導入できます」と三木氏はアピールする。

 Ansible Towerでは、Playbookの実行結果の確認や誰が・いつ・どのシステムを対象に・何を行ったかといったユーザーの履歴管理やダッシュボードでリアルタイムに動作状況を可視化できる。構成変更を起因とする障害発生時には、素早く原因を究明して対処が可能だ。

新たな商機を秘めたツール
セミナーで認知度拡大を目指す

 現在、多くの企業で導入が進んでいるRed Hat Ansible Automation Platform。「Red Hat Ansible Automation Platformを導入して運用効率を向上させた事例はもちろん、Red Hat Ansible Automation Platformをベースに作成したツールを自社ブランドとして展開し、成功を収めているというケースもあります。Red Hat Ansible Automation Platformは多くのビジネスチャンスの可能性を秘めた製品です」と三木氏は話す。Ansible Automation Platformは、ITの専門知識がない担当者でも理解しやすく、導入後の運用のハードルも低い。コロナ禍で課題となっていた業務改善やテレワークの導入も叶えられるだろう。

 レッドハットでは、今後も継続してRed Hat Ansible Automation Platformに関するセミナーや勉強会などを開催していく予定だ。「Red Hat Ansible Automation Platformの活用方法など疑問を抱えるエンドユーザーさまは大勢います。Red Hat Ansible Automation Platformの啓蒙活動に力を入れ、魅力を知っていただく機会を増やしていきます。全国に販売網を有するダイワボウ情報システムさまや販売パートナーさまとともに地方の企業に対するRed Hat Ansible Automation Platformのアプローチも行っていきたいと考えています」と三木氏は展望を語った。