縦長／横長の情報表示に便利なサブモニター

JAPANNEXT
JN-MD-IPS784

7.8インチモニター「JN-MD-IPS784」は、IPSパネルを搭載した小型のモバイルモニターだ。解像度は400×1,280で、縦画面でも横画面でも使える。付属の専用スタンドで安定した設置が可能だ。Type-Cケーブル1本で給電と映像出力に対応する。一般的なモバイルモニターは、10〜15インチのフルHDのものが多い。その中で、ありそうでなかった解像度400×1,280のモニターは、プライベートからビジネスまで新しい活用方法を提案できる。
text by　森村恵一

ありそうでなかった解像度を実現

　一般的なサイズのモバイルモニターを数多くラインアップするJAPANNEXTの製品の中で、JN-MD-IPS784は堅調に売り上げを伸ばしているという。基本スペックを見ながら、その理由に迫っていこう。

　JN-MD-IPS784の専用スタンド込みの本体サイズは、幅約101×奥行き約78×高さ約243mmだ。本体重量はモニターが約170g、スタンドが約40gと非常に軽い。IPSパネルを搭載し、視野角は170度で、モバイルモニターとして実用十分な性能を備えているのだ。インターフェースはUSB Type-Cとmini-HDMIを搭載し、PCとの接続に必要なケーブルも同梱している。ほかにも、モニターを縦にも横にも設置可能な専用スタンドが付属する。ちなみにスピーカーは搭載していないので、音声の出力は不可となっている。

　対応するOSはWindows 10／11で、macOSには非対応だ。JN-MD-IPS784の400×1,280という解像度は、一般的なフルHDのモバイルモニターと比較すると狭い。しかし、大画面のモバイルモニターは便利である半面、持ち運びや置き場所に困ることがある。

　一般的なモバイルモニターをノートPCの横に並べると、意外とスペースが必要になる。大きなモバイルモニターを活用するために、台座を工夫するユーザーもいるだろう。そういったユーザーの「サブモニターはちょっと横に添えておくだけにしたい」という需要が、JN-MD-IPS784の売り上げを後押ししているのかもしれない。JN-MD-IPS784は、400×1,280の絶妙な解像度によって、スマートフォンをのぞく感覚で活用できる。

重さは約170gで、片手で楽に持てる。画面の文字が小さくて読めないときは、スタンドから外して使うのもありだ。

SNSやチャットを快適に閲覧

　スマートフォンより少し大きいくらいのサイズのモニターが、どのように役に立つのか。すでにJN-MD-IPS784を活用しているインフルエンサーによれば、ゲーム配信で使いこなしているという。メインモニターの隣にJN-MD-IPS784を縦に置いて、視聴者からのコメントを表示し、リアルタイムのレスポンスを行っている。

　また、チャットを映して活用しているオフィスワーカーもいる。Web会議で自分のPCの画面を共有する際、チャットを同じモニターに表示していると、会議の参加者にチャットの内容を見られてしまう心配がある。そうしたとき、JN-MD-IPS784にチャットの画面を映しておけば、画面共有に映り込む心配がない。

　さらに少し変わった使い方として、暖炉や波などの動画を映し、環境映像を楽しむユーザーもいるという。パノラマビューの動画がPCの横にあると、ちょっとした癒やしになるのだ。そのほかにも、動画編集ソフトの素材一覧を表示するなど、サブモニターならではの活用方法もある。Type-Cケーブル1本で使うことができ、持ち運びも設置も容易なため、フリーアドレスのオフィスでも使い勝手が良い。

　加えてJAPANNEXTでは、JN-MD-IPS784のサイネージ利用も提案している。工夫次第では、スーパーやコンビニのレジ横に置くサイネージに活用できるかもしれない。ただ、画面表示や音声出力のためにはPCが必須なので、利用可能な条件は限られる。だがむしろ、既存のサイネージ需要にとらわれず、400×1,280という横長の表示を生かすのもありだ。例えば、電車のLED表示機のような感覚で情報を見せるアイデアが考えられる。また、パーソナルなサイネージとしてノートPCと一緒に持ち運び、文字列を流す表示方式のティッカーで商品情報を商談相手に見せてもいいだろう。

横画面でも利用できる。PCと接続すれば、製品のPR動画や値引き情報を表示するサイネージとしても利用可能だ。

まだ市場にない製品を追求

　JAPANNEXTはモニター製品の開発において、まだ市場になく、自社ならではの製品を生み出すことを目指している。JN-MD-IPS784は、そうしたコンセプトが形になったモニターといえる。

　フルHDのモバイルモニターが広く認知されている市場で、JN-MD-IPS784のようなニッチなモニターはかなり挑戦的な製品だ。JN-MD-IPS784が同社の予想を超えるヒット商品となっているのは、これまで市場になかったモニターの需要があることを証明している。

　JAPANNEXTいわく、今後もJN-MD-IPS784の需要が堅調に伸びれば、後継機の開発も考えているという。すでに音の再生やタッチ操作を求める意見は、JN-MD-IPS784のユーザーから寄せられている。

　400×1,280という解像度だけを考えると、モバイルモニターとしては物足りないと感じてしまいがちだ。しかしそのサイズとスペックの潔さこそが、JN-MD-IPS784を活用する創造性を広げている。サイズと解像度の高さを追求してきたモニター市場において、割り切ったコンセプトのJN-MD-IPS784は、情報表示に特化したサブモニターという新しいジャンルを確立するのかもしれない。