サンワサプライ
NT-BT26BK
サンワサプライのプログラマブルテンキー「NT-BT26BK」は、27個のキーにショートカットキーの入力やアプリ起動などの機能を自由に割り当てられる。キートップを自作のラベルでカスタマイズでき、データ入力の効率化やメール作成の省力化に役立つデバイスとして活用可能だ。生成AIや音声入力が進化しても、ビジネスの現場ではキーボードをたたく作業が多い。そうしたキーボードやマウスの操作を効率良く改善してくれるNT-BT26BKは、どんな業務やビジネスに向いているのだろうか。
text by 森村恵一
七つの機能をキーに登録可能
サンワサプライの「NT-BT26BK」は、BluetoothでPCとの接続が可能なプログラマブルテンキーだ。同時にリリースされたシリーズとして、2.4GHzワイヤレスモデル「NT-WL26BK」と有線モデル「NT-26UBK」がある。本体底面には折りたたみ式のスタンドを備え、本体に傾斜を付けてキーを打ちやすくできるのだ。
サンワサプライでは2011年1月から現在まで、プログラマブルテンキー「NT-19UH2BK」シリーズを販売していた。同社によれば、本製品はNT-19UH2BKシリーズに寄せられていたユーザーの意見を基に開発されたという。たくさん寄せられた要望の中でも、最も多かった意見が「ワイヤレス化」だった。そこでNT-BT26BKシリーズでは、ワイヤレスでの使用が可能なBluetoothモデルと2.4GHzワイヤレスモデルを用意した。さらにNT-BT26BKシリーズは、NT-19UH2BKシリーズから踏襲した数字キーやBack Spaceといった基本的なキーだけでなく、上段に八つのファンクションキーも搭載している。ファンクションキーは標準設定では通常のF1〜F8キーの機能が割り当てられているが、同社が提供するNT-BT26BKシリーズ専用のソフトウェアを使うことで別の機能を割り当てられるのだ。
NT-BT26BKシリーズは3通りのキー配置を登録できる。本体上部の「MODE1」「MODE2」「MODE3」ボタンを押すとそれぞれ登録したキー配置に切り替えられる。MODE1ではF1〜F8の8キーにしか機能を割り当てられないが、MODE2とMODE3では27キー全てに機能を割り当てられるのだ。
用意されている割り当ては、Back SpaceやEnterといった一つのキーの機能を割り当てる「キー割付(1文字)」、再生/一時停止やボリュームアップなど音楽再生で役立つ機能を割り当てる「マルチメディア」、コピー&ペーストをはじめとしたあらかじめ専用ソフトウェアに登録されているショートカットキーを割り当てる「ショートカット」、60文字までの文字列を割り当てる「文字列」、3文字までのショートカットキーを自由に登録できる「複合キー」、特定のアプリやフォルダーを一発表示できるようにする「アプリケーションを起動する」、クリックなどのマウスの動作を割り当てる「マウスキー」機能の全7種類だ。
自由度の高いカスタマイズを実現
機能を割り当てる際は、付属のUSB Type-A to Type-CケーブルでNT-BT26BKをPCに接続しておく必要がある。接続した状態で専用ソフトウェアを立ち上げると、割り当て可能な機能の一覧が表示されるのだ。そして割り当てる際は、登録したい機能を画面中央に表示された本体の画像に向かってドラッグ&ドロップすれば良い。ちなみに登録した機能はソフトウェアだけでなく、NT-BT26BK本体への保存も可能だ。そのため、機能を設定したPC以外でも同じキー配置でNT-BT26BKを使用できる。ただし日本語の文字列や、アプリケーションを起動する機能で登録した設定はソフトウェアへの保存しか行えないため注意が必要だ。
自由に機能を割り当てると、どのキーにどの機能を割り当てたか分からなくなってしまうことがあるだろう。そうした事態を防ぐために、NT-BT26BKはキートップを自由にカスタマイズできるようになっている。キートップの透明カバーを取り外す工具が付属しているため、透明カバーを外した上でキー本体に自作のラベルを貼り付けられるのだ。
多様な業務で活用できるテンキー
最大で62キーに機能を割り当てられるプログラマブルテンキーをどのように活用するかは、PCをどのような作業に使っているかによる。例えばExcelでの集計や表作成が多い業務ならば、コピー&ペーストといった編集機能だけでなく、セルを効率良く選択する複合キーを登録すれば表の編集効率がアップする。プログラマーは定型的に入力するコードをまとめて登録しておけば、開発作業がはかどるだろう。また、企業の広報活動として動画配信や編集を多く行う場合は、映像を切り替えるスイッチャーとして機能するキーを登録しておくと便利だ。ほかにも、POSレジの入力補助としても活用していける。
有線接続の必要がないNT-BT26BKは、本体のみを持ち運べば使えるため、サテライトオフィスでノートPCを使うときも作業効率を上げてくれる。ありそうでなかったワイヤレスのプログラマブルテンキーは、PCのキー操作を楽しく便利にしてくれるガジェットだ。