Special Feature 2
いざ、バーチャルオフィス
—アバターで遠隔コミュニケーションをフランクに
コロナ禍を契機に、現在に至るまでテレワーク(在宅勤務)を実施している企業もある中で、テレワークとオフィスへの出社の勤務形態を比較して「雑談のような気軽なコミュニケーションが取りにくい」「自宅で一人で仕事をしていると孤独を感じる」といったマイナスの意見も出てきている。とはいえ、一度定着した働き方が大きく変わることはないだろう。そこで現在注目を集めているのが、オフィスの空間を仮想的に再現する、バーチャルオフィスだ。
体験リポート!
How to walk through a Virtual Offices
バーチャルオフィスの歩き方
そもそもバーチャルオフィスとはなにか。本特集においては、“オフィス空間を仮想的に再現するツール”と定義する。多くは、Webブラウザーやアプリケーション上にオフィスのフロアマップを再現し、そこに従業員のアバター(アイコン)を表示させて、その場所に擬似的に“出社”する。音声やビデオ通話に対応しており、気軽な声掛けが可能になるツールなのだ。
Sococo
米国のSococo(Social Communications Company)が提供するバーチャルオフィスを、実際に編集部で試用させてもらった。
使用する際はあらかじめ用意されたマップ(オフィスフロア)から、自社で使いたいマップを選択してオフィスとして使用する。
従業員のアバターは丸に目が描かれたシンプルなアイコン。ヘッドホンが着けられており、音声入力を有効にするとマイクが表示されるなど、ユーザーの操作がアバターに反映される。
マップ(オフィスフロア)の各所に、共有しておきたいURLをリンクしておける。編集部ではSococoの使い方を書いたGoogleドキュメントや、Outlookカレンダーのリンクを共有し、すぐに参照できるようにした。
SococoはGoogle Chromeの最新版~1世代前のバージョンに対応するほか、WindowsとmacOS向けのネイティブデスクトップクライアントが用意されている。
ノートPCのマイクやカメラ機能でも十分通話可能だが、家族と同居している在宅勤務環境の場合はマイク付きイヤホンやヘッドホンがあるとよいだろう。会議用のマイクスピーカーがあると常時耳をふさぐ不快感がないので、さらに快適に通話できそうだ。
Walkabout Workplace
米国のWalkabout Collaborativeが提供するバーチャルオフィス。フロアマップやフロア数、座席配置などのオフィス作成に期間が必要となるため、実際に編集部で試用することはかなわなかったが、Walkabout Workplaceを使用している日立ソリューションズのバーチャルオフィスに、実際にお邪魔した。
招待用のURLにアクセスしてゲストログインすると、まず日立ソリューションズのロビーがWebブラウザーに表示される。訪問していることがアポイントを取った相手に通知されると、そのままオフィスにある相手の自室スペースが表示される。実際のオフィスに訪問したような手続きで、会議をスタートできるのだ。
Walkabout Workplaceは写真が表示されるタイプの丸アイコンがアバターとなる。従業員一人ひとりに自室が用意され、話しかける際は部屋のドアをノックすることで相手に通知され、会話がスタートできる。
常にイヤホンやマイクを装着している必要はなく、通知がきたらイヤホンを取り着けるような運用で、スムーズなコミュニケーションを実現できる。