ナーチャリング

英文表記はnurturing。「nurture」は「育成する」という意味。「見込み顧客から顧客へ」「既存顧客からリピーターへ」といった、顧客を段階的に育てるマーケティング戦略のこと。

ナーチャリングが重要視される大きな要因として、インターネットの普及やスマホの浸透によって、ユーザーの情報収集が容易になったことが挙げられる。企業とユーザーの接点が多様化し、複数の商品を比較検討するため、購入するまでの期間が長くなる。そのため、中長期的な視点でマーケティング戦略やプロモーション展開を行い、顧客との良好な関係を維持する施策が必要となった。また、コロナ禍以降、対面での商談の機会が減少し、新規顧客獲得が難しくなった。そこで、オウンドメディアSNSなどを駆使して見込み顧客や休眠顧客を掘り起こし、将来的な購買・成約につなげる「ナーチャリング」に注目が集まった。

ナーチャリングには施策内容によって、いくつかのパターンがある。見込み顧客(リード)を顧客に育てる「リードナーチャリング」、既存顧客を育てる「既存顧客のナーチャリング」、リピーターや大量購入者など「優良顧客のナーチャリング」の3つ。なかでも、「リードナーチャリング」は企業の利益を最大化するために最も重要な課題とされている。他のナーチャリングを効果的に行うためには、前提として見込み顧客の顧客化が必須だからだ。

リードナーチャリングの目的は、有益なコンテンツや優れた顧客体験を提供して、顧客との接点を強化し、購買行動を促すことである。基本的なアプローチはメールマガジンやステップメール、SNS発信、無料トライアルへの誘導、ウェビナー(Webinar)の案内など、効果的なタイミングでユーザーとの接触機会をつくることが重要。イベントやウェビナーの開催は、見込み顧客の獲得につながり、育成という観点でも有効な施策と言える。
(青木逸美)

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