カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)

Customer Relationship Management。日本語では「顧客関係管理」「顧客関係性マネジメント」と呼ばれる。顧客と良好な関係性を築き、維持・促進するための施策のことで、顧客管理を支援するCRMツールやシステムを指すこともある。

CRMの導入が進んだ背景には、顧客の価値観の多様化が挙げられる。以前は高品質な商品・サービスを提供することで他社との差別化を図り、優良な顧客を確保できた。現在は顧客が商品・サービス自体だけでなく、購入前後の体験価値を重視するようになった。また、SNSなどで簡単に情報の発信・収集ができるようになり、顧客の満足度が低ければ、ブランドイメージは損なわれ、顧客離れにつながってしまう。顧客離れを防止し、優良顧客・リピーターを獲得するためには、CX(顧客体験)の質を高めなければならない。そこで、注目されたのが、CRMツールによる効率的で適切な顧客管理のシステムだ。

CRMツール導入のメリットは顧客情報を一元管理できること。顧客情報を集約・分析し、顧客に適切なアプローチをすることで、顧客満足度の向上につながる。リピーターを増やし、優良顧客に育てることができる。顧客全体の傾向の分析は、新しいマーケティング戦略にも役立つ。

一方で、導入にコストがかかるというデメリットもある。ツールの操作が難しいため、運用手順の整備や、社員教育などにもコスト・時間がかかる。目的や効果が曖昧なまま導入しても、意図したとおり活用されず、コストばかりが嵩むことになる。CRMツールの種類も多様だ。導入目的と戦略、得られる効果を熟慮した上で、的確なツールを選定することが大事だ。

他にも、顧客資産を活用するツールとして、営業担当を支援する「セールスフォースオートメーション(SFA)」、マーケティング活動を自動化・効率化する「マーケティングオートメーション(MA)」などがある。
(青木逸美)

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