ITテクノロジーショー「CES」、オールデジタルで開催
CES
日本時間1月11~14日にかけて、全米民生技術協会(CTA)が主催する世界最大のITテクノロジーショー「CES 2021」がオールデジタルで開催された。CES(シーイーエス)は、毎年1月、米国・ラスベガスで開催される電子機器の見本市だ。今年は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から初のオンライン開催となったが、製品の魅力を各社ならではのプレゼンテーションでアピールしやすい見本市となった。
インテル コーポレーションの発表では、同社でビジネス・クライアント・プラットフォーム事業本部 本部長 兼 副社長を務めるステファニー・ホールフォード氏が、ビジネス向けプラットフォームである第11世代インテルCore vPro プラットフォーム(以下、vPro)についての製品説明とデモを行った。
vProでは、企業向けのセキュリティ機能や管理機能などを搭載している。具体的には、「人工知能(AI)脅威検出機能」や制御フローを悪用したWebサイトから防御を行う「Control-Flow Enforcement Technology」(CET)などのセキュリティ機能が搭載される。製品デモでは、vPro搭載、非搭載PCでのCET機能の検証の様子が解説された。vPro非搭載のPCでは、悪意のあるWebサイト内のURLをクリックすることでシステムが不正に作動するが、vPro搭載PCで同じURLをクリックしても、CETによってアクセスが制御されていた。
また、今後リリースを予定している次世代CPU「Alder Lake」についても紹介した。Alder Lakeはハイパフォーマンス・コアとハイエフィシャンシー・コアの二種類のコアを搭載したことで高性能と低消費電力を両立しているという。
Alder Lakeは、2021年の後半にデスクトップPCとノートPC向けでリリースが予定されている。
クリエイター向けCPUを発表
AMDは、クリエイターやモバイルワーカー向けCPU「AMD Ryzen 5000シリーズ・モバイル・プロセッサー」(以下、Ryzen 5000モバイルプロセッサー)を発表し、基調講演を行った。
本講演では、Ryzen 5000モバイルプロセッサーのラインアップの中でモバイル向けCPUのUシリーズなどについてCEOのリサ・スー氏が紹介した。
外出先でのパフォーマンスを求めるユーザー向けの製品となっているUシリーズの「AMD Ryzen 7 5800U」では、Ryzen 4000モバイルプロセッサーと比べてシングルスレッド性能を最大16%向上しつつ、最大17・5時間のバッテリー駆動も実現したとスー氏は説明する。
Ryzen 5000モバイルプロセッサーを搭載した新しいノートPCは、ASUS、HP、LenovoをはじめとするPCメーカーから2021年第1四半期中に提供を開始する予定だ。
テレワーク向けの製品が出展
PCが暮らしの中で欠かせないツールとなる中、日本HPは国内展開を行う製品の第一弾となる13インチビジネスコンバーチブルPC「HP Elite Dragonfly G2」を出展している。
989gの軽量なビジネスコンバーチブルPCであるHP Elite Dragonfly G2は、CPUに第11世代インテル Core プロセッサー、GPUにインテル UHDグラフィックス(プロセッサー内蔵)を搭載している。天板やディスプレイ下部のメーカーロゴに加え、パームレストに「ELITEBOOK」の文字が刻印されており細部まで精巧なデザインを施した。オプションで5Gまたは4G LTEを選択できる。PCを紛失した場合に音を鳴らして見つけられる忘れ物防止タグ機能 「スマートトラッカー Tile」も内蔵しているため社外へPCを持ち出して、万が一紛失した際にも見つけやすい。
レノボ・ジャパンは、13・5インチ2in1ノートPC「ThinkPad X1 Titanium Yoga」などを同社WebサイトのCES用特設ページで発表している。
ThinkPad X1 Titanium Yogaは、CPUにインテル Evo vProプラットフォームを搭載したことでビジネスクラスのパフォーマンスと素早い応答性を両立する。Wi-Fi 6やテレワーク先でも高いレベルのセキュリティを実現する「ThinkShield」などに対応することでテレワーク推進をサポートする。ThinkPad X1 Titanium Yogaは国内での発売は未定だが、今後、テレワーク向け製品としての発表が期待される。