若い世代の価値観の変化からGXが必須に
SXは新たなビジネスチャンスを創出する

SUSTAI NABILITY TRANSFORMATION TACKLE 1

前のセクションでは2022年2月に富士通がForrester Consultingに委託して実施したSX(サステナビリティトランスフォーメーション)への取り組みに関する調査結果をレポートした。同調査は世界9カ国の企業を対象にしたものだったが、ここでは日本国内のSXに対する意識や取り組み状況、SXに関する今後の展望についてレポートする。

DXでは他国に後れを取る日本だが
SXに関しては意識が高い

 日本におけるDXの取り組みは他国に後塵を拝していることはご存じの通りだ。ではSX(サステナビリティトランスフォーメーション)ではどうか。富士通 技術戦略本部 コミュニケーション戦略統括部 シニアマネージャー 田中律秋氏は調査結果から意外な事実が得られたことを語る。

「SXに対する意識や取り組みにおいて、日本の企業が調査対象の他国に対して後れを取っていることはありませんでした」

 富士通は過去5年間にわたってDXに関する調査を実施してきた。その調査結果では日本の企業のDXが立ち遅れている事実が浮き彫りになった。しかしSXに関しては実態が異なるようだ。田中氏は「本調査は日本に限ったものではないのでサンプル数は多くはないものの、日本の企業の経営者もサステナビリティに取り組む必要があることを、危機感を持って理解していることが分かりました。またSXに関して米国と英国、そして日本の企業の意識が高いことも分かりました」と説明する。

 日本でDXが進まない一方で、国内の企業がSXに高い関心を持つのはなぜだろうか。富士通 技術戦略本部 コミュニケーション戦略統括部 シニアディレクター 西川 博氏は「DXが遅れている一方で、SXが遅れていない理由については、調査結果から考察することはできませんでした」と語る。そして個人的な見解であると断った上で「地球環境への配慮や保護というテーマが日本の企業文化に合うことが要因かもしれません」と推測する。

 ここで留意したいのはDXとSXは個別のテーマではないということだ。田中氏は「当社ではDXとSXを明確に分けていません。DXへの取り組みの先にSXの取り組みが続くイメージであり、DXを推進していくことでサステナビリティが実現されていくのだと捉えています」と説明する。

富士通
技術戦略本部
コミュニケーション戦略統括部
シニアディレクター
西川 博 氏
富士通
技術戦略本部
コミュニケーション戦略統括部
シニアマネージャー
田中律秋 氏

ビジネスにつながらなければ
SXへの取り組みを継続できない

 DXとSXが関連した取り組みであるとはいえ、DXが自社のビジネスを良くしていく取り組みである一方で、SXはさまざまなテーマで持続可能性を高めていくという、短期的に見ると自社の利益に直結しない取り組みに映る。多くの人たちがこうした疑問を持つことだろう。この問いに対して富士通の調査結果からSXを成功に導く四つの提言が発表されており、その中の「財務目標と非財務目標を含む大胆な計画策定」が回答となる。

 そこでは「サステナビリティに関するデータを収集して自社の状況を見える化することで、サステナビリティへの取り組みの効果を把握すること、そしてサステナビリティへの取り組みが創出する価値を明らかにすることで、SXへの継続的な投資が可能になる」と明記されている。

 西川氏はSXへの取り組みは決してボランティアではないと強調し、「ビジネスにつながらなければSXへの取り組みを継続することはできません。SXがビジネスにつながらなければ、地球環境は良くならないとも言えるでしょう」と指摘する。

 特に予算や人材に余力のない中小企業がSXに取り組む場合、ビジネスにつながらなければ経営を圧迫することになる。つまりビジネスが伴うからこそ、SXに取り組む価値がある。

 DXと同様にSXにおいてもその推進にはデジタルの活用が不可欠となる。またデジタルを活用することで、ビジネス化が期待できるとも言える。富士通ではSXの領域において従業員や環境をテーマとしたソリューションをすでに提供しているほか、顧客の要望に応じて提供する個別ソリューションやポイントソリューションの実績もある。

 西川氏は「一般論としてSXはテーマが広いため今後はソリューションの領域を広げていく必要があります。また小さくはない投資が伴うため、SaaSで提供するなどコストを抑えられるソリューションも必要だと考えています」と説明する。

多くのプロジェクトがSXに関わる
大きなビジネスチャンスが期待できる

 SXの重要性について両氏は改めて業種や規模を問わず取り組みが避けられないことを強調する。田中氏は「これからの経済を支えていく若い世代の意識が経営や事業に大きな影響を与えます。その若い世代の意識が変化しており、環境に配慮したり保護したりすることが当然と捉えている傾向が強いことが、さまざまな調査結果から分かっています」と指摘する。

 その若い世代はSNSを駆使してあらゆる情報を得て、自身の意見を広く発信することを日常的に行っている。こうした若い世代の行動により、パラダイムシフトが突如訪れる可能性も否定できない。またほかの外的要因による突然の変化の可能性もある。新型コロナウイルス感染拡大によって仕事や日常生活の様式が突如変わったように。

 そうした観点からSXへの取り組みが本格化、あるいは半ば義務となる前に備えておくべきであろう。同時にSXの取り組みを継続できるよう、既存のビジネスと関わる、あるいは自社の強みが生かせるテーマを見出して、早期にビジネス化する必要もある。

 富士通では社内で自らさまざまなプロジェクトを推進しているほか、企業や大学および研究機関、政府や自治体など幅広く実証実験を行っている。西川氏はそうした活動の中で「ほとんどのプロジェクトでSXがテーマに含まれます。今後はエネルギーや環境に取り組む企業とのコラボレーションが増えていくでしょう。こうした取り組みの中でSXがビジネスにつながることを、当社が示していかなければならないと考えています」と語る。

 SXに関連するプロジェクトが増えているということは、社会や消費者からの要請だけではなく、そこにビジネスチャンスがあるからだろう。またSXという新たな価値観がビジネスに加わることでパラダイムシフトが起こり、これまでのビジネスに大きな変化をもたらすかもしれない。この動きによってビジネスにおける従来の勢力図が塗り替えられる可能性も考えられる。SXは中小企業やスタートアップがリーダーシップを取る好機ではないだろうか。

サステナビリティへの意識が強まる中
推進しないベンダーは選ばれなくなる

SUSTAI NABILITY TRANSFORMATION TACKLE 2

国内市場において顧客が自社の導入、利用するICT製品および提供するベンダーに対してサステナビリティへの貢献を求める意識が高まっているとデル・テクノロジーズが指摘するように、電力消費を通じた温室効果ガス(GHG)の排出量の削減や廃棄物の削減など、ハードウェアベンダーにはサステナビリティの実現に向けた取り組みが強く求められている。逆に取り組みを推進しないベンダーおよびその製品は選ばれにくくなる恐れもある。顧客に選ばれるためにはどのような取り組みが有効なのだろうか。ここではデル・テクノロジーズの取り組みをリポートする。

スコープ1、2、3における目標は
温室効果ガスの排出ネットゼロ

デル・テクノロジーズ
CTO(最高技術責任者)
飯塚力哉 氏

 デル・テクノロジーズでは国内のビジネスにおいて、顧客の意識の変化を強く感じているという。デル・テクノロジーズでCTO(最高技術責任者)を務める飯塚力哉氏は次のように説明する。

「お客さまがICT製品を選定する際に、製品を提供するベンダーがサステナビリティに関してどのような取り組みをしているのかを営業担当者に問うケースが増えています」

 さらに飯塚氏は「サステナビリティに関する意識が高まって行く中で、サステナビリティへの取り組みを推進していないベンダーは、今後は選ばれにくくなると考えています。デル・テクノロジーズではお客さまへの要望に応えるというだけではなく、お客さまへの貢献、さらには社会や地球への貢献という広い視野で、以前よりサステナビリティを含むESGおよびSDGsへの取り組みを積極的に推進しており、今後もさらに強化していきます」と強調する。

 デル・テクノロジーズにおけるサステナビリティへの取り組みは主に「気候変動への対応」と「循環型経済の推進」、そして「自社製品の製造に関わる人々の養護」の三つの領域で進められている。

 気候変動への対応については2050年までにスコープ1、2、3において温室効果ガス(GHG)の排出ネットゼロを実現するという。具体的には、スコープ1については2030年までに事業活動におけるGHGの排出量を50%削減する。スコープ2については2040年までに再生可能エネルギーを100%使用する。そしてスコープ3については2030年までにサプライチェーンの販売単価当たりの排出量を60%削減するという、それぞれ目標を掲げている。

 図1に示す通り2022年度におけるデル・テクノロジーズのカーボンフットプリントの構成はスコープ3の割合が圧倒的に大きい。飯塚氏は「スコープ3における目標は非常に挑戦的であり、サプライヤーの皆さまやお客さまと協力して取り組まなければ実現できません」と説明する。

顧客が購入した製品と同等量の製品を
2030年までに再利用または再生利用する

 デル・テクノロジーズではエネルギー強度(提供された性能÷生涯メガワット時で算出)の向上も推進してきた。同社は2012会計年度の同社の全ての製品ラインアップのエネルギー強度平均値に対してSBT(Science Based Targets)に合致した設定を行い、2020会計年度までの8年間で80%向上させるという目標を達成している。

 前述のスコープ3(カテゴリー11)では販売した製品の使用に関連する全てのGHGの排出量が対象となる。つまりデル・テクノロジーズが顧客に提供したPCやサーバー、ストレージ、ネットワーク機器、モニターなどの製品の使用に伴う電力消費に関連して排出されるGHGが対象となるため、スコープ3におけるGHGの削減には製品の電力消費の効率化が不可欠となる。

 また同時に顧客が求める高い性能も満たさなければならない。消費電力削減と性能向上という相反する要件を同時に満たすことの難易度が非常に高いことは想像に難くないだろう。

 循環型経済についても多様な取り組みが行われている。同社は2030年までに顧客が購入した製品と同等量の製品を再利用または再生利用することを目指しており、クローズドループ(循環利用)と資源および素材の再生利用を推進している。具体的には回収した製品の部材を再生利用しているほか、梱包箱に再生プラスチックを利用している。

 毎年800万トンが発生すると言われる海洋プラスチックのうち、同社は2019年までに約3万キログラムを再生利用しており、2025年までには最低でも2,500万キログラムのプラスチックを削減することを約束している。さらに航空宇宙産業から排出された炭素繊維(カーボンファイバー)を同社のノートPCに再利用している。新しい試みとしてはノートPCのマザーボードに使用した金を回収して新しい製品に再生利用しているほか、バイオプラスチック素材の採用、ディーゼル発電機や車から排出されたカーボンブラックでインクを作成し、製品の梱包箱の印刷に使用している。

Scope 1
自社施設、社有車、補助発電機など、デル・テクノロジーズが所有・管理するリソースからの直接排出量
Scope 2
デル・テクノロジーズ利用のために他社から供給され、購入した電気、蒸気、加熱、冷却の消費に関連する間接排出量
Scope 3
デル・テクノロジーズの事業活動、サプライチェーン、販売された製品の使用に関連する他の全ての排出量
出所:デル・テクノロジーズ

DXもサステナビリティも第一歩は
現状の可視化による課題把握から

 PowerEdgeサーバーにおいては設計・開発の段階から環境に配慮した製品の提供を実践している。その取り組みは標準化と効率化による廃棄物の抑制と、多面的な熱制御を通じたライフサイクル全体でのCO2の削減の二つだ。

 標準化と効率化では設計段階からシャーシ、ラックレール、ベゼルなどの主要コンポーネントを標準化して、多くの製品で共有している。この標準化コンポーネントを多用することに加えて、工具の共有、リサイクル可能な材料の採用、接着剤やコーティングの使用制限などにより、発生する金属やプラスチックの有害廃棄物を大幅削減している。

 熱設計では新世代のPowerEdgeサーバーのシャーシ内のレイアウトを、CPUを冷却した空気をより効率的に排気できるように大幅に変更している。同時にシャーシ内の要所の温度をセンサーで検知し、AIを用いて冷却ファンを制御して適切な風量で冷却する。これらの熱設計および冷却システムの総称である「マルチベクタークーリング」(MVC)の最新版となる「同 2.0」が新世代のPowerEdgeサーバーに実装されている。MVCによってコンポーネントの信頼性を担保しつつ、冷却ファンが消費する電力を最小化する。

 データの加速度的な増加に伴う需要の高まりに対して、デル・テクノロジーズのストレージ製品にもサステナビリティへの要求に応えるさまざまな仕組みやテクノロジーが投入されている。まず電力に関して、「PowerMax」は同容量で99.9999%の可用性を維持しながら、全世代に対して40%のエネルギー効率の向上を実現している。

 発熱に対する冷却に関しては環境温度やCPU使用率の変化、冷却ファンの故障などに応じて冷却ファンの稼働を制御して、稼働に最適な温度を維持しつつ冷却に伴う消費エネルギーを削減するアダプティブクーリングを採用する。さらにデータ重複排除や圧縮に関するテクノロジーにより、ハードウェアの利用を減らすことでエネルギー消費を削減する取り組みも行われている。

 こうしたベンダーであるデル・テクノロジーズでの取り組みに加えて、ユーザー側での取り組みが推進されることもサステナビリティの実現、そしてスコープ3の目標達成に欠かせない。そこでデル・テクノロジーズではCO2排出量の算出や使用率が低いサーバーの検出、ストレージの容量の最適化といった、ユーザーにおけるサステナビリティ対応を支援する機能をシステム管理ソフトウェアに実装している。

 飯塚氏は「DXにおいてもサステナビリティへの取り組みにおいても、現状を見える化しなければ課題を把握できず、改善への取り組みを進めることはできません。取り組みの第一歩としてサステナビリティ対応支援ツールを活用してください」とアピールする。

次々と生まれる経営課題のテーマへの取り組みは
発展的にビジョンを明確にしていく好機と捉える

この数年間を見ても「働き方改革」や「デジタルトランスフォーメーション(DX)」「ESG」そして「SDGs」など企業経営に次々と新しいテーマが突きつけられている。そして昨今では「グリーントランスフォーメーション(GX)」や「サステナビリティトランスフォーメーション(SX)」といった新たなテーマも加わっている。

社会課題は企業やビジネスと深く関わる
脱炭素や持続可能性は必然の経営課題

日本デジタルトランスフォーメーション推進協会
代表理事
名古屋大学/熊本大学客員教授
サイバー大学教授
森戸裕一 氏

 言葉遊びのように次々と生まれる経営課題のテーマに対して、それぞれの取り組みに奔走するとともに、変化の激しさ、早さにへきえきしている人もたくさんいることだろう。こうした状況はなぜ生じているのだろうか。日本デジタルトランスフォーメーション推進協会の代表理事を務める森戸裕一氏は次のように解説する。

「DXの次はGXやSXというように、一見言葉遊びのように聞こえるかもしれませんが、これはトライアンドエラーを繰り返して進展を続けている状況であると捉えるべきです。一つのテーマにチャレンジして、そこで想定した成果を得ることができなければ次のテーマを考え、それを繰り返して課題や問題を解決していくという継続的な取り組みなのです。つまり発展的にビジョンを明確にしていこうという動きが、業種や業界を超えて、さらにはビジネスだけではなく社会や経済、世界を巻き込んで顕著になっていると言えるでしょう」

 こうした変化に対して企業はどのような意識で望むべきなのだろうか。森戸氏は「これまでの日本の経営者は中長期の経営計画を含めて売上を中心として経営や事業をどのようにしていくか、社内の組織をどのようにしていくかということを意識して経営してきました。しかしこうした意識でビジネスを展開していては変革を生むことはできず、市場や顧客、社会の変化に対応できないことに気付き始めています」と指摘する。

 そして「ビジネスを取り巻く環境を広く捉えると、例えば少子高齢化といった社会課題が企業やビジネスと深く関わることが見えてきます。この少子高齢化が人材の確保や商品の販売、店舗の運営などに影響を与えていることは言うまでもないでしょう。ですから自社だけがもうかる視点での経営はもはや時代遅れであり、地球環境や脱炭素といったグリーンやESGの観点でのサステナビリティ経営が求められるようになっているのです」と説明する。

脱炭素や社会課題解決には
大きなビジネスチャンスがある

 森戸氏が説明する通りSXやGXは社会貢献という側面だけではなく、自社のビジネスのサステナビリティにもつながる広義での持続可能性への取り組みと理解すべきだろう。さらに企業がSXやGXに取り組む意義は別にもあるという。

 森戸氏は「金融機関や投資家は企業に対して利益を出すことは最低限求めますが、最近はそれに加えて社会性や先進性、成長性についても投資先を決める際の重要な要件となっています」と指摘する。

 森戸氏が指摘する社会性や先進性、成長性という要件の中で、社会性の部分は前述の通り社会や地域への貢献という側面だけではない。森戸氏は「これからは例えばモノづくりよりも、社会や地域の課題解決につながるテーマがビジネスの大きなネタになるからです。つまり社会や地域への貢献が、企業に成長の機会を与えるということです」と話す。

 すでに業績や株価だけが企業の評価指標ではなくなっており、株価も業績だけに連動するわけではない。その要素は多様化しており、その中でSXやGXといったESGに関してビジネスとして大きな需要が見込めるため、これらへの取り組みが重視されている側面もあるというわけだ。

 ではこうした状況や要請に企業はどのように望むべきなのか。森戸氏は「DXではトップの覚悟と共に魅力的かつ明確なビジョンが第一歩となる」とアドバイスする。そしてこのDXへの取り組みに、SXやGXといったESGの観点を加えて取り組みを進めるべきだと話す。その具体的な行動の一つとして「パーパス」の策定が挙げられる。パーパスにESGの観点を組み込み、そこから魅力的なビジョンを明確化していくことがスタート地点となるという。

人間が総出でテクノロジーを駆使して
人々のウェルビーイングを向上していく

 これからのDXへの取り組みにはSXやGXといったESGの観点を組み込んで推進する必要がある。また「現在のDXは企業での取り組みにとどまらず社会変革にもなっているため、1社だけではなく業界や地域、社会の全体で取り組まなければ成し遂げることはできません。こうなると『誰一人取り残さない』というSDGsの目標も絡んできます。逆説的に言えば『誰一人としてDXは自分に関係ないと言わせない』という世界観を作らなければ実現できません」(森戸氏)という。

 そして「社会問題は人間が作り出したものです。自分たちが作り出した問題は自分たちで解決しなければなりません。その際に自分たちが持っている人口比率や保有時間、人間の能力ではできないことはITを活用すればいいのです」と話す。

 これまでのIT活用はIT企業や情報システム部門および担当者の役割だった。これから解決すべき問題や課題に対して、エンジニアだけでは人員と時間が足りない。そこで非エンジニアもノーコード・ローコードを利用してテクノロジーを活用し、総力で問題や課題に取り組まなければ社会やビジネスで求められるスピードに応えることはできないだろう。

 森戸氏は「人間が総出でテクノロジーを駆使して良い社会を作っていき、人々のウェルビーイングを向上していくことがDXの本質です。ですからデジタルの活用やSXやGXといったESGの観点がDXに不可欠なのは当然のことなのです」と強調する。