Microsoft Officeで業務効率アップ!【第109回】

Excelを使って一瞬で予測する


今回は、Excelの「予測シート」機能を活用する。この機能はだいぶ前に実装されているのだが、使っている人と使わない人が二極化しているようだ。分析の作業を行う方は頻繁に利用するが、それ以外の方は「知らない」というケースも少なくない。とても簡単に分析や予測ができるのが特徴なので、普段はそんな作業を行わない方がちょっと使って見るのにちょうどいいと思う。ぜひ活用していただきたい。

文/戸田 覚


売上を予測する

 今回は、現在わかっている売上を元に未来の売上目標を作成していこうと思う。経営的な観点では必要な売上を指定するだろう。だが、現実の数値を元に分析して予測すれば、よりリアルな売上の予想や目標が作れるわけだ。

 予測シートを利用するには、時系列に並んだデータが必要だ。さらに、時系列でもきちんと周期的に並んでいなければならない。例えば、毎月、毎週、毎年などのパターンで並んでいれば大丈夫だ。だが、バラバラのデータではうまく予測できないので注意してほしい。

 今回は、ある企業のある製品の実際の売上データを用意した。もちろん、商品名や単位を書いていないので、なんだかわからないかもしれないが、サンプルなのでご了承いただきたい。

 時系列の見出しに対して売上データを入力した表が完成したら、表を選択して、「データ」-「予測」-「予測シート」をクリックする。

こんな表を予測に使う

表を選択したら、「データ」-「予測」-「予測シート」をクリックする

予測が出たら期間を変更する

 予測したグラフが一瞬で完成し、ポップアップしたウィンドウで表示される。ここで予測の期間を指定して、「作成」をクリックする。

 すると、新しいシートに予測データが生成される。データは、「予測」「信頼下限」「信頼上限」が生成されるので、このデータを参考に目標値を設定すればいいだろう。

予測がウィンドウで表示されたら、期間を変更して作成する

売上の予測が新しいシートに生成された

結果との比較が面白い

 実は今回、すでにその先の売上も出ていたのだが、あえて途中の数値を元に予測シートを作成してみた。予測に対する結果は、まあまあ該当していると言えるのではないだろうか。予想としては十分に機能していると思う。

 つまり、こんな機能を知っていれば、会社や商品の売上などの業績を予測できるのだ。本来なら、特別な計算が必要とされるデータの予測が、ボタン一発でできてしまうのが素晴らしい。

実際の売上と予測を比べて見ると、なかなか興味深い

筆者プロフィール:戸田 覚

1963年生まれ。IT・ビジネス書作家として30年以上のキャリアを持ち、「あのヒット商品のナマ企画書が見たい」(ダイヤモンド社)など著作は150冊を超え、IT系、ビジネス系を中心に月間40本以上の連載を抱えている。テレビ・ラジオ出演、講演なども多数行っている。